森のかけら | 大五木材


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紅葉前線も遂に九州に到達したという事で、すっかり山も色めきたっておりますが、これから深まりゆく秋にちなんで【森の5かけら】の新商品を開発しましたのでご披露いたします。まずは、解説の前に商品をご覧になって、それぞれのテーマをお考え下さい。

1つ目は『オバンコール』、『欅(けやき』、『スプルース』、『』、『パドック』の5種です。オバンコールとパドックから発想するのは少し難しいと思いますので、欅・スプルース・桐の3種から考えると分かりやすいかもしれません。木の硬さ、密度に関係があります。結構自信作なのですが。

2つ目は『山桜』、『』、『』、『』、『』の5種。全部日本の木です。これは案外簡単だと思いますが、がちょっと分かりにくいかもしれません。実際に生えている木をよく観察すれば分かると思います。こういう組み合わせを作る場合、どうしても分化とか地域性という問題が生じます。この辺りでは、そういう使い方をしないとか、それ以外の物を使うとか・・・仕方ないですね、それだけ日本人は細かく樹木の特徴を見極めた民族だという事の証明ですが、この場合はそれが仇(あだ)になる事もあります。

 

3つ目は『柞木(イスノキ』、『梣(トネリコ』、『梓(アズサ』、『ハードメープル』、『ヒッコリー』の5種。もともと、木材の特性をうまく引き出し利用した用途なのですが、利便性や価格などの理由から木でない物に変わっていくのは仕方がない事とはいえ、残念です。梣、ハードメープルはよく知られていますが、他の3種は意外かもしれません。ちなみには、水目桜の別名です。世の中には全て経験された万能な人もいるのでしょう。

 

4つ目は『鬼胡桃(オニグルミ』、『橅(ブナ』、『山桜』、『アルダー』、『ヒッコリー』の5種。これは分かる人にはすぐ分かるのですが、経験のない人にはさっぱり分からないと思います。これは一見しても共通する特徴があるようには思えません。テーマを聞いても、「そうなの」という冷めた感想が返って来るのが予想出来てしまうのは寂しいのですが・・・。ここまでして使えば、木も本当に無駄がないと思います。が最高級と言われていますが、輸入物にも人気があるようです。

 

最後の5つ目は『ブラックチェリー』、『ホワイトオーク』、『』、『木曽桧』、『』の5種。ホワイトオークが一番有名で分かりやすいと思います。は『』に変えようか迷っているのですが、とりあえずここは栗で考えて下さい。杉のこれは、もう町中ではあまり見かけることも少なくなりました。秋だからというわけではなく、どの打ち合わせでも欠かせません!

 

 

とりあえず、この5種が新商品です。おいおい『商品紹介』コーナーにもアップしていく予定です。単なるクイズをしている訳ではなく、それぞれの木の物語や特徴を楽しく知っていただきたいというのが狙いです。実際の商品にはミニ解説書が入っていて、テーマの解説も書いてあります。中にはもっと気の利いた組み合わせもあろうかとは思いますが、浅薄ゆえご容赦下さい。5つの樹種のうち、4つまでは分かるけどあとひとつが・・・。全ての由来、理由が分からないと面白くありません。少しはひねったん物もありますので、頭を柔らかくして考えて下さい。全問正解者に何かが当たるという訳ではありませんが、『森の5かけらの達人』の名誉と称号を贈らせていただきます!多少なりとも『』に関係があるものばかりです。秋の夜長のお供にどうぞ。




CA343696今日は子供たちの通う小学校の遠足の日。海岸の砂浜で飯盒炊爨(はんごうすいさん)をするのですが、学校から海岸まで全員が徒歩で移動するので、途中にある弊社の前を子供たちがぞろぞろと連なって歩くのが、この時期の風物詩になっています。1年生と6年生では、子供と大人ぐらいの差があり、大人並みの6年生が、1,2年生を引き連れて歩く姿は微笑ましくもあります。上の娘は今、5年生ですが、このコースは昔からお決まりになっているようで、長女が何歳ぐらいから始めたか忘れましたが、遠足の時には、ある彫り物を道路沿いに展示して、子供たちに触ってもらったり楽しんでもらっています。その彫り物というのが、この【カブト虫とクワガタ】です!

CA343692通り道ですから否が応にも目に留まります。子供たちの「すげーっ!」「カブト虫がいる~!」という歓声が楽しみでなりません。みんなペタペタ触って行きます。これを製作したのは、三新機械㈱大成郁生君です。以前に媛木材青年協議会のイベントで実演した物を超廉価で購入させていただきました。今は愛媛を代表するチェーンソーアートの達人です!今だともっとリアルに、ディティールも精密に作るのでしょうが、私はこの時の荒々しいが躍動感と迫力に溢れたこの作品が大好きです。

 

CA343693材はです。チェーンソーアートとの相性は、水分の多い杉が一番合うようです。乾燥すると弾いたり折れたりして細かな細工がしずらいようです。この2匹が1本の丸太から削り出されています。もともとは生地のままでしたが、私が植物性油・オスモカラーで黒く塗装しました。基本的にはクリアー塗装をお勧めしていますが、こと外部となると話は別です。内部の場合の触感、湿度調整力に重きを置きますが、外部の場合は耐候性や退色にも気を配らなければなりませんが、植物性油を使う場合おのずと限界もあります。何を優先して、何を諦めるかを決めて、それに応じた塗料を選択する必要があります。このカブト達も3回塗り重ねています。頃合を見ては、また塗装するつもりですが、それでもいつまでもベストな状態が保持出来る訳ではありません。天然の物が時と共に朽ちていくことを恐れてはいけません。その『覚悟』を持つことこそが、木を使う物の『資格』だと思うのです。

 

この【カブト虫とクワガタ】は当初大人ふたりでも持ち余すぐらい重たかったのですが、乾燥が進み今日持ったところ一人でもどうにかこうにか持つことが出来ました。まだまだしばらくは子供たちを楽しませてくれそうです。やがていつかは朽ちていくのでしょうが、朽ちていく物の中にこそ、本当の美があるのだと思います。




内田繁今日は、いつもお世話になりっぱなしの佐野勝久さん(エスデザインスタジオ)のお招きで、『学校法人 松山デザイン専門学校』で分不相応な臨時講師をさせていただきました。佐野さんと奥様は、もともと東京の『内田デザイン研究所』(世界の内田繁氏のデザイン研究所です)にご夫婦でお勤めで、縁あって佐野さんの生まれ故郷の愛媛に戻って来られて、ご夫婦でデザインはもとより空間プロデュースからデザイン学校の講師など、八面六臂のご活躍をされています。佐野さんの激務ぶりを身近で見ていると、この人は本当に寝ているのかと心配になる事もありますが、つくづくデザイナーというのは肉体労働だと感じます。何事も体が資本ですね!佐野さん、くれぐれもお体にはご自愛下さい。右の画像は内田繁氏。少し前に愛媛にも来られて、こちらでもご講演されたのですが、その時佐野さんに頼んでちゃっかり著書にサインまでいただきました。無知とは人を無謀な行動に走らせます、大感謝です!【森のかけら】の事も見ていただいたようで、恐れ多い事です・・・。

CA343680話が逸れましたが、佐野さんは『松山デザイン専門学校』の講師もされていて、授業の一環で生徒たちに木を使った作品のデザインをさせるにあたって、基礎知識としての「木の話」をして欲しいという事でお声を掛けていただき、恥ずかし気もなく引き受けさせて頂いた次第です。生徒さんも勉強でしょうが、こちらこそ勉強になります。こういう生の体験を幾つこなしてきたかが、21世紀の材木屋の生きる道だと信じております。デザイン学校という場所に初めて足を踏み入れました。至る所に『デザイン』や『アート』の香りが・・・。実は私も若かりし頃、こういう世界に憧れた事もありました。その夢は叶いませんでしたが、あの時どこかでちょっとした勘違いと勇気があれば、もしかしてこういう場所でデザインを学んでいたのではと思うと、不思議な感慨深さがありました。デザイナーの卵たちの学び舎(や)に我一歩を印(しる)す

CA343681淡い青春の残像を打ち砕くように始業のベルが鳴ります。デザイン専門学校の教室も初めて入らせていただきましたが、面白そうですね~いろいろな物が所狭しと置かれています。なるほど~見るもの全て新鮮です。こういう世界があったか~、若い頃知らなくて良かった物やら悪かった物やら・・・。当時知っていたとしても、多分そこに踏み出す勇気はなかったと思います。昔は引っ込み思案でしたから、今でも結構そうなのですが・・・。学生の皆さんは非常に真面目でした。「最近の若者は」という括(くく)り方は、現場を知らない人の使う言葉です。

授業4「木の話」といっても、たいして知識があるわけでもありませんが、現場での実地体験は豊富ですから、失敗談や今の木材事情などを織り交ぜながら、何とか2時限喋らせていただきました。毎度の事ながら、早口の噛み噛みですが、熱意だけは伝わったのでは・・・?【森のかけら36】ほか、関連商品のPRもかっちりさせていただきました。こういう若いのだけどデザインには興味があるという層が、どういう風に【森のかけら】を観てくれるかという事にも興味がありました。しかし、何とか2時限はもったものの、このままではネタが枯渇してしまいます。もっと新鮮な旬のネタを用意せねば・・・!

いつもながらの拙い話でしたが、デザインというものがより身近に感じられた1日でした。改めて周囲を見渡せば、いつか誰かがデザインした物が私たちの周りには溢れています。有名無名に関わらず、誰かが思いを込めてデザインした物に包まれて暮らしているのです。あまりに溶け込み過ぎて、はるか昔からそこにあったような顔で馴染みきっているものまで、果たして我々の今の暮らしも誰かがデザインした物の上にあるのかもしれません。存在感のある木も、家が年月を重ねるほどに空気のような存在になっていきますが、良いデザインというのもそれに似ているのかもしれません。彼らがいつの日にかプロのデザイナーになった時、木とデザインはどういう関係を築いているのでしょうか。彼らの前途洋洋たる未来に期待します、愛媛の内田繁目指して頑張れ!




CA343674本日は地元の地区公民館の運動会。小さな田舎の町全体の規模で、初めて参加したときは驚きましたが、皆さん熱心に参加されます。今年は私も体育部長という要職を授かりましたが、この歳になるといろんな役を授けていただきます。人は請われるうちが華といいますから、出来る範囲の物は受けさせていただいておりますが、変な事を言うとどんどん役が回ってきますので、あくまでも「出来る範囲」の物だけで!

 

運動会の実行委員会も数度に渡って開催され、役割分担もきっちり詰められます。地区の行事ですから、勿論いろいろな職業の方がいらっしゃいます。以前は、こういう機会で異業種の方と接する時に、探り探りの物言いでしたが、『久万郷』や『オレンジ会』はじめ、デザイナーや学校、病院関係、ショップなど様々な方々と仕事で結びついていく中で、自分なりの『共通言語』を見出し、最近は滑り込める感覚で打ち解けてお話が出来るようになりました。まあ、歳をとって厚かましくなっただけともいいますが!

CA343666CA343675早朝より競技に使う道具や椅子、テーブル、入場行進の時に華を添えてもらう中学校の吹奏楽部の楽器などを車で運びます。いろいろな物を運ばせていただきました。こういう時に仕事の経験が生きます。いろいろな物を運べますが、本当に運びたいのは『木』です!でもよく観察すれば、それらの中にもしっかり木は使われています。柄であったり、棒であったり、看板の枠であったり、木の汎用性の高さに感心させられます。

CA343667吹奏楽部の楽器の中にも大きな木の物がありました、コントラバスです。太陽の光りを受けてキラキラする金属の中で、落ち着いた木の存在感が目に付きます。中学生が使う楽器なので、高級な物ではありませんが、それでも木の楽器のクラッシックな雰囲気はいいです。大きなコントラバスを小さな女の子が演奏していましたが、中は空洞ですから思いのほか軽かったです。柾目でしたが、じっくり観察する間はなかったのですが、多分スプルースかな?茶色に着色してあったので余計分かりにくかったのですが・・・。材質や乾燥具合によって音色も変わってくるのでしょうが、私にはさっぱりです。ただ、木の楽器・コントラバスを演奏する姿は優雅に上品に映りました。やっぱり木の楽器はいいですね、音にも温もりがありそうな気がします。

CA34366510月とは思えない暑さですっかり日焼けもしてしまいましたが、何より年間最大の体育部長としての大役が終わりホッとしました。しかし、更に11月には、町の運動会が待っているのです!今年は何回テントを立てればいいのでしょうか・・・。もうすっかり職人になってしまいました。




CA343606芸術の秋、県内各地でもそれぞれの美や技が競われています。『秋の県展』では、工芸の部で、大西陶芸大西先(はじめ)さんの青磁鉢の大作「青磁線文鉢」が特選作に選ばれていました。私はこういう芸術に疎(うと)くて、県展がどういうもので、その賞がどういう位置を占めるのかまったく無知なのですが、特選作の上には「県美術会大賞」という賞の方1名の名前しかなかったので、かなり価値のある賞なのではないのでしょうか。大西さんは陶芸の世界では受賞歴も多く、よく新聞でお名前を見かけます。受賞作は、青と白のコントラストがはっきりした大き目の鉢で、素人目にも色使いの鮮やかさが美しく上品です。

大西陶芸大西さんは先進的な砥部焼きの工房さんで、常に革新的な作品作りに取り組まれています。大西先さんのお姉さんで、砥部焼きの作家でもある白石久美さんも、女性の作家さんらしい柔らかな曲線の作品を作られています。久美さんの葡萄や植物を描かれた作品は、繊細さと可憐さを合わせ持った小さな宝石のような輝きを放ちます。

 

 

陶芸と木材では世界が違いますが、いずれも最終的には素人の人が使う(住まう)という点では似ています。そこにたどり着くまでの工程にはいろいろあるのでしょうが、専門的な知識のない方に理解・納得させるという事が大切で、その方なりに分かっていただけるかどうかが値打の分かれ目だと思います。プロの目でみると立派でしびれるような銘木も、その方にとって価値がなければ意味がありません。一般的に価値の低い物でも、使い方やその背景にある『物語』によっては、その方に感動を与える事もあります。例えば、生家を離れた場所で家を建てられる方に、生家に関わりのある材を提案すれば、実際の商品価値以上に喜びを感じていただけたりするものです。また、お名前や趣味などに由縁のある物を活用するという事にも気を配るなどして、その材を使う事に意味を持たせる事も大切だと思います。

ただ高い安いという貨幣価値ではなく、そういう心配りや配慮が、その物への興味や関心を招き、ひいてはそのものを大切にしていただけるのではないかと思います。自分が気に入っている物を、必ずしも他人も気に入っているという事は限りません。いかにそのものが素晴らしくとも。若い頃は、その辺の割りきりがなかなか出来ず、なんでこの良さが分からないかななどと傲慢な物の考え方をしていました。その反動でしょうか、今はあまり見向きもされないような材に如何に喜びや楽しさを見出せるかというマニアックな方向に走り過ぎているきらいがありますが・・まだ自覚がありますので症状は浅いと思います。

20091006 大西姉弟大西さんがそういう方という訳ではありませんので誤解なさらないで下さい。大西陶芸さんとのお付き合いのきっかけは、やっぱりここも佐野勝久さん(エスデザイン・スタジオ)です。佐野さんは独自の嗅覚で面白い会社・人間を次々に発掘してつなげていきます!私も佐野マジックにすっかり魅せられましたが、お陰でまったく縁のなかった陶芸の世界と関わりを持たせていただきました。今は異業種というよりは、同じ熱に侵された仲間という感覚で、共通言語を持てた事がとてもありがたいです。画像の右が大西先さん、左が白石久美さんです。

gallery_morinokakera_000このホームページが出来た12月頃に丁度、広島市のオリエンタルホテルで『森のかけらと五十崎和紙展』があったのですが、その時に【丸膳】などに大西さんの砥部焼きの器などを置いていただきました。パープルハートやブラックチェリーなど、色目のはっきりした材の上にすっきりした青磁の青白が見事に映えました。このとき、『森のかけらと異業種とのコラボ』の萌芽が生まれました。大西陶芸さんは既に器以外のジャンルの砥部焼きの開発にも取り組まれていますが、木との本格的なコラボもお願いしたいと思っています。畑は違えどそこに咲く花に違いはありません。大西陶芸さん、今回の受賞おめでとうございます。また、これからもますますのご活躍を祈念しています。




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