森のかけら | 大五木材


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晴天続きだった松山の空にも先日、大雨が降りました。先週の日曜日は、午後2時くらいからでしょうか、空が真っ黒になりカミナリと豪雨!バケツをひっくり返したという言葉通りの激しいものでした。そろそろ雨が欲しいと思われていた農家にとっては恵みの雨となりましたが、当日は運動会をされていた学校もあり大変だったのでは・・・。我が家の子供たちの運動会は土曜日で、日差しを恨めしく思うほどの快晴でした。

CA343255町の中の小学校なので、運動場も狭く観覧席もすし詰め状態です。そのため昨晩から並ばれて場所の争奪戦が繰り広げられています。信じがたい事ですが、深夜3時頃で既に長蛇の列が出来ていたとか・・・。私は高校まで田舎でしたので、生徒数は少なくても敷地はただっ広く、我が家は6人家族でしたが、運動会も余裕でくつろげました。その感覚のまま大人になって、子供が生まれ初めての幼稚園の運動会に行った時は衝撃を受けました。えっ、ここでやるの?高校生にもなれば、親もあまり観に来なかったりするものですが、幼稚園ともなると、親は当然の事、両家のおじいちゃん、おばあちゃんまで総出で応援ですから、園児の何倍もの人間が押しかける事になります。これもまだ松山だからこの程度で済んでいるので、東京とか壮絶なのだと思います。行列とか人混みの苦手な私にとって、想像すらしたくありませんが・・・。自分の育った環境とまったく違うところで、子供を育てていくというのは全てが初体験で不思議な感覚です。それでも子供たちは勝手に順応していくし、こちらもどんどん慣れてきて無意識に行動するようになってはいきますが。

CA343263子供たちは、全体で4つのグループに分かれて対抗戦を行います。三人もそれぞれに分かれて、いろいろな種目に出させていただき頑張っていましたが、私もPTA参加の競技には毎年名前が上がり出場させていただいております。今年は二人一組で走るデカパンレースです。昔は健脚を誇ったものですが、もう足が脳の指令とは別の行動を取ってしまいます。昨年は本当に倒れそうになりましたが、それでも断らないのでお声がかかるのだと思います。回りを見ても、若いお父さん、お母さんが多いです。確実に一回り以上も歳が離れている方々(中には20代!)と走るわけですから無謀です。息子が別の協議で転倒しましたので、親子揃っての転倒だけは避けようと慎重に走りました。すると、我がチームの中に全身ピンクのウサギのかぶり物を着た人が。派手な応援だと思っていたら、そのピンクウサギも走り出しました!会場は拍手喝采、粋な先生だと思っていたら、1年生のお父さんだったようです。子供の初めての運動会で嬉しくて、持参して着替えたようです、えらい!

慣れてくるとついつい惰性で動いてしまいますが、何事も初心を忘れずにやらねばならないと、そのピンクウサギに教えられました。でもピンクウサギはぬいぐるみが大き過ぎて、デカパンに足が入りませんでしたが・・・。初心を持って、計画的に行動しようと思いました。明日からは10月ですが、9月以上にイベントが目白押しでほとんど休みがありません。初めての物や恒例の物、いろいろありますが原点にかえって、惰性でやってしまわないように気を引き締めたいと思います。

CA343327後半の10月24,25日には、久万銘木㈱さんの『第75回 銘木まつり』があります。弊社は本年も出品させていただきますが、木工広場などと合わさった一般の方向けのイベントに力を注ぎたいと思います。展示即売会で物を売るという事が難しくなってきていますが、そういう場だからこそ出来る『木の話』や『体験』もあります。景気が悪い、政治が悪い、客の入りが悪い、ついつい誰かのせいにして責任転嫁してしまいがちですが、限られた場所の中で自分に何が出来るのか、どこまでやったのか、もう一度考えようと思います。とりあえずやってみる、何事も当たって砕けろの精神で飛び込んだ、あのピンクウサギのように!ところであのウサギ、来年も出るのでしょうか。あまりプレッシャーにならねばいいですが・・・。

 

 

話は全く変わりますが、サイモン&ガーファンクルの歌に『9月になれば』という名曲があります。映画『卒業』でも効果的に使われていた思い出深い1曲です。8月の終わり頃から、9月に入ったらこのタイトルをブログに使おうと、ずっと考えていたのに気がついたら今日で9月も終わりでした・・・。やはり9月に使わなければ意味がないので、ぎりぎりセーフ、ほぼアウトですが・・・。でもそのままというのも、あまりに何なんで『9月も終われば』に改めさせていただいた次第、お粗末。




大統領の法則

20090929 マーフィーの法則私が大学生の頃、『マーフィーの法則』という本が話題になっていました。最近、改定版も出ているようなので、読まれている方も多いと思いますが、当時は私もはまりました。「車を洗った翌日には必ず雨が降る」とか、読めばそうそうと相槌を打つものの、よくよく考えてみればごく当たり前の事を大仰な言い回しで断言しているだけの経験則集なのですが、ウイットに溢れた言い回しが面白かったので、よく引き合いに使わせていただきました。その中に、「ある新しい出会いがあると、途端に次々とそれに関連したものが現れてくる」・・・みたいな内容の法則があったような、なかったような・・・。どういう事かというと、例えば新しいパン屋さんに行くと、パン屋の主人が自分と同じ町内に住んでいたことが分かったり、その店の広告が急に目に付きだしたり、コンビのレジで並んだ前の人がそのパン屋の店員だったりする・・・というような事です。ちょっと例えがうまくないので本意が伝わらないかもしれませんが・・・。まあ、この本の紹介をしたい訳ではないので構わないのですが。

20090929 前原国土交通大臣何が言いたいかというと、ある日を境に偶然のように自分の周囲に現れだした現象も、実は潜在的に日常に存在した物なのに、それを意識した途端に急にそればかりが目立って見えてくるということです。具体的にいうと、先週家族で京都・奈良に行ったことについては詳しくアップさせていただきましたが、『家族で初めて行った京都』なのに、松山に帰ってから次々と『京都』や『奈良』が自分の周囲に現れてきます。それまでの暮らしで、『京都』や『奈良』を意識した事などほとんどなかったのに、突然ニュースで東大寺南大門の保護板にペンキで悪戯されたことが出たり、車で通ったときに何だろうと思っていた巨大な朱塗りの建物が、実は世界遺産の平城宮跡で、丁度工事用の覆いを外して全貌を現わしていたのがそれだったをテレビで知ったり、民主党が政権を取ってから俄然注目を集めてメディアに露出する機会の多い前原誠司国土交通大臣は、京都選出の国会議員だし、自民党の新しい総裁の谷垣禎一さんも京都選出。

20090921 奈良・五重塔2時期も終わったというのに、祇園祭を取り上げたテレビ番組が目に入ったり、それまで滅多に注文も出さなかった京都の材木屋さんに問い合わせるような仕事が入ったり、たまたま開いたホームページが京都の会社だったり、所属している日本木材青壮年団体連合会京都会団の方が愛媛と合同で例会でもという話を持ちかけてこられたり、本屋の店頭でやたらと『一人歩きの京都』とか『秋の京都』などの雑誌が積み上げられていたりと・・・。まあ、実際にはすべてものがたまたま重なっただけで、すべては説明がつくのですが、それでも急に京都や奈良が少し近づいたようで嬉しくなりました。これからの紅葉狩りなど行楽のシーズンに京都・奈良は欠かせません。平城遷都の話題も随分前から取り上げられていました。他にもたくさん大臣はいて、いっぱいテレビにも出ています。京都の取り引きの比率は、実際にはほんのわずかです。木青連では京都だけではなく、美作鳥取大川の会団さんも来られています。それが現実です。

しかしそういってしまえば身も蓋もありません。それがいくら論理的説明できようとも、日々の出会いがあたかも小さな偶然が積み重なって奇跡的に出会えたような感動を感じながら生きていかねば、味気ない人生です。以前にアップした『盲亀の浮木』の話ではありませんが、この世は僥倖に満ち溢れています。一方で、世の中で起こる全ての事に偶然はない、と断言される方もいます。すべてがあらかじめ誰かによって仕組まれたものだと・・・。映画のような話です。そうかもしれません、強く願う事は叶うというのは実際にあると思います。〇〇さんと出会いたいと強く念じていれば、こちらからアクションを起こさなくとも出会えたりするものです。でも実際には、そう念じた事によって微妙にその出会いに向かってアクションが始まっているのだと思います。〇〇さんの関係しているイベントに行こうとか、〇〇さんが薦めた本を読もうとか、結局すべての事は自分の意思第という事です。

20090929 オバマ大統領こういう言葉があります。『アメリカ合衆国の大統領になろうとすら思わない人間は、絶対になれない』人間望みもしないものには決してなれない、転じて描かない夢は現実にならないという風な事です。オバマさんは強く願った事でしょう。望めば何でも叶うという身勝手なシュプレヒコールではなく、望みもしないものが天から降ってくる事はないという意味の金言で、私は好きです。たまには願ってもない嬉しい幸運も起こりますが、それも何かの因果だと思います。誰かが願っていてくれた夢かもしれません。

今日も、奇跡のような出会いを起こすために小さな一歩を踏み出してみます。ん?・・・今日も、京(都)も・・・いや、いや・・・ただの偶然です。




20090928 カフェ・クレマお得意先のワンズ㈱さんで、明日イベントが開催されます。右の『出張コーヒー教室』です。数年前のオープン時には、弊社もフローリングやカウンターなどを納品させていただいた、『カフェ・クレマさんによるコーヒー教室です。『カフェ・クレマ』さんは、松山市内の中の川通りの銀天街の入口付近にお見せを構えられています。ビルの2階ですが、大きめの木製の看板を出されているので(こちらも使っていただきました!)、すぐ分かると思います。コーヒーもおいしいし、とてもお洒落で落ち着いた雰囲気のお店です。お勧めします!

床には、『ラスティック・メープル』といって、色ムラや節、条、筋などの出たワイルドな質感のグレードの物を採用していただきましたが、すっかり落ち着いてお店に溶け込んだようです。いずれ【森のかけら】グッズも置いていただけないかなあと・・・。

20090928 ワンズ+クレマ以前にも何度かご紹介させていただきましたが、ワンズさんの1階は広々としたショールーム兼打ち合わせスペースになっていて、このようなイベントがよく開催されています。今回はコーヒー教室という事ですが、ワンズさんの家づくりのコンセプトに共感される方なら、職種にはこだわらないという事で、広くスペースの利用を呼びかけられているので、弊社もそのうち【森のかけら】イベントの使わせていただくつもりです。ただ秋はイベントの季節なので、そこまで手が廻りませんのでもう少し先になると思いますが・・・そう言い続けて結構経つのではありますが・・・その節には、川原社長よろしくお願い致します!

 

 

CA343236今回のコーヒー教室で使われるコースターに、【円い森】を採用していただきました。1日2回の開催で各20名の計40名様分のコースターをご用意しました。といっても、普通の【円い森】では芸がないので、ワンズの石村専務のデザインで、片面には『ワンズ+クレマ』のコラボ・デザインをレーザーで入れさせていただきました。珈琲の湯気と煙突の煙があったかくつながる、いいデザインですね~!この裏面には、きっちり【森のかけら】のロゴも入っています。3社のコラボ・コースターです。少し多めに作って、手元にも置いとこうと思っていたのにすっかり忘れてしまい、丁度しか作りませんでした、残念!

CA343237本当は、コーヒー教室なので、『コーヒーツリー』を提案すれば小粋だったのでしょうが、都合がつかず断念しました・・・。でも、こうしてたくさん同じデザインが揃うと何だか嬉しくなります。これから納品するのが寂しくなってしまいます・・・いかん、いかん、仕事、仕事!それにしてもレーザーでロゴやマークが入ると、とたんに商品としての『風格』が出てきますね~!木材の場合、素材が良ければ下手に手を加えない方がいいという慣習がありましたが、今考えればそれは何もしないための言い訳の側面があった事も否めません。木材の価値を高めるという命題を掛け声だけにしないためには、異業種や異素材とのコラボが欠かせないと思います。まだまだ木材に価値を見出し、魅力を感じていただける業界はあります。どうすればもっと木を知ってもらい、その魅力を引き出し楽しんでもらえるか、です。まずは小さな一歩ですが、明日のイベントに【円い森】が少しでも花を添えられればと思います。




20090921 奈良・薬師寺6京都・奈良の神社めぐりの旅もいよいよ最期の『薬師寺』へ。『薬師寺』といえば、私にとっては歴史に残る「昭和の大改修」で腕を振るわれた西岡常一棟梁と『千年の釘』の白鷹幸伯さんです。私が最初に西岡棟梁の本を読んだ時には西岡棟梁もご存命で、『生ける伝説』の活躍された舞台に行ってみたいと熱望していました。その後、奈良に行く機会は何度もありながら、なかなか縁がなくやっと参拝の機会を得られました。今更『薬師寺』についてどうこう言うのも恐れ多いですが、さすがに格が違います!

 

20090921 奈良・薬師寺2白鷹さんの『千年の釘』もしっかり展示されていました。以前に白鷹さんに、昭和の大改修の使われた釘を分けていただきましたが、現場では用途に応じて様々なサイズの釘を作っておられました。日本人にとって偉大な木造建築物である薬師寺に関われた鍛冶職人さんが、愛媛県人であるという事は県人の誇りです!更にその方が、ごく近所に住んでおられて、盃を交えさせていただける関係だという事は、大いなる僥倖です。そこには、『千年の釘』の話が載っている小学校の教科書も展示していましたが、家族連れも多く、「学校で習った」という子供の声も聞こえました。なのに、不思議な事に私の子供たちが通う松山市内の小学校では、『千年の釘』の話が掲載されていません。小学校の教科書という物は、内容云々よりもバックにいろいろなしがらみがあるようですが・・・それにしてもこんな馬鹿な話があるのでしょうか。地元の子供たちは、郷土の素晴らしい功績を知ることなく成長するわけです。何故なんでしょうか?ものづくりの素晴らしさや感動をもっと伝えるべきだと強く思います。

20090921 奈良・薬師寺3『薬師寺』改修工事の時の苦労話は、白鷹さんから教えていただきました。西岡棟梁とのエピソードもいろいろお聞かせいただきましたが、当時西岡棟梁と白鷹さんは結構な年齢差があり、職人同士というよりは、親が子に物の道理を語るように優しく教えていただいたという話はとても印象に残っています。物の本では「鬼」とか形容されてもいたが、実際には温厚な好々爺のようであったという事ですが、『本物』は誰にも彼にも怒ったりしないものだと思います。自分は、西岡棟梁に見出され、随分可愛がっていただいたと懐かしそうに語られていましてが、そういう話自体が私にとっては「雲の上」の話です。お話を聞きながら、鳥肌が立つのが分かりました。

20090921 奈良・薬師寺18

20090921 奈良・薬師寺12

『凍れる音楽』とは素晴らしい形容ですが、カメラのアングルによってかなり印象が違って見えます。個人的には左側の見上げたアングルが好きです。若い人も多かったですが、歴史や技法を知らなくとも、単純に美しく格好いいです!一種のアートを観る感覚で来られるのではないでしょうか。しかし、よくもこれだけの木造建築が1000年以上も残ったものです、当時の匠人たちはどこまで想定したものでしょう。そしてこの偉大な奇跡のような建物は、この後いつまでここにそびえ続けられるのでしょうか。

20090921 奈良・薬師寺8

そしてこちらが、『千年の釘』が使われた西塔です。息を飲むような美しさです。今にも踊りだしそうなほど躍動的で優雅です!当然、どこかの材木屋が納材されたのでしょうが、1000年残る建築物に納材する気持ちはいかばかりでしょうか。こういう歴史的な物は、元請会社や棟梁だけが作れる物ではなく、携わった多くに関連業者の高い技術力と、物を成そうという強い気持ちがなければ成就しません。使われた何千本もの木を見ながら、この部材を取るためにどれだけのハネ材が出たのか、一体何年寝かせて乾かしたのか気になって仕方ありません。見えないところにもたくさんの素晴らしい材が使われている事でしょう。白鷹さんの釘も確認は出来ませんが、間違いなくこの建物に使われています。『物をみる目』の素晴らしさと怖さに足が震えそうになります。 

20090921 奈良・薬師寺15

 

 今は西塔の方がわずかに高いけれど、1000年後に自分の重みで西塔は1メートルほど下がって、東塔と同じになるという西岡棟梁の言葉は、技術力に裏打ちされた職人の揺るぎない自信と棟梁として職人を従える覚悟だと感じます。こんな事を正面きって言い切れる職人さんが、今どれだけいるのでしょうか。数字に表れる価値判断を超越した、人の言葉の重みに心も震えます。

離れた所からみた薬師寺は、やはり少しだけ東塔の方が高く見えました。1000年後、西塔が本当に下がるかどうか、それを検証できる人は誰もいません。いないからこそ、その言葉には覚悟が必要です。西岡棟梁や白鷹さんらが挑んだ職人達の技や心意気を信じようと思う参拝者の信念が、結合して必ずや西塔は下がると思うのです。作り手に自信のないものが、決して人を感動させる事はないというのは、理屈ではないです。

自分への大いなる戒めと感動を残して、京都・奈良の旅はこれにて終了。長くて暑くて、中身の濃い2日間でした。




20090921 奈良・東大寺 スケッチ小さな子どもたちを連れて寺廻り、大丈夫でしたか?とよく訊かれましたが、実はわが子たちはグルリと東大寺を観て回ると、南大門から東大寺全景のスケッチ作業に入りました!親が命じているわけではありません。駐車場から、自分でスケッチブックとペンを抱えて東大寺を歩きました。観光客がぞろぞろ行き交う中で、何故だけ妙に落ち着いてペンを走らせます。もともと息子(8歳)が始めたのですが、つられて双子の娘も描くようになりました。私自身、子供の頃から画を描くのが大好きでしたが、血は水より濃い

20090921 奈良・東大寺 釣鐘6 更に石段を上がると「日本三名鐘」のひとつとして名高い巨大な『鐘楼』が出迎えてくれます。音響を分散さす為に壁が無く、音を籠らす為に屋根を大きく構成しているという事ですが、屋根の両端が競りあがったデザインは、機能性と造形美が渾然一体となって美しすぎます。「勢いは奈良の東大寺、形は宇治の平等院、声は近江の園城寺(三井寺」と云われる「梵鐘」が吊ってありますが、でかい!

 

 

20090921 奈良・東大寺 釣鐘5 20090921 奈良・東大寺 釣鐘2

 撞木は勝手に撞けないように固定してありましたが、長さ4,5m、直径300㎜もある立派な物で、これも『欅(けやき』でした。大晦日には一般の人も着けるという事ですが、かなり力が要りそうです。何もかもがスケールがでかいです。昔、三日三晩鳴り響いたという伝説もあるようですが、それぐらいの貫禄はあります。梵鐘は直径2700㎜で、重量は26tとすべてが規格外の寸法です!

20090921 奈良・東大寺 二月堂4

さらに『二月堂』へ。階段の登り口の所に『執着の心を起こす時、迷いの生活が始まる』の言葉が・・・もっともです、戒めねば!『二月堂』からは東大寺の全景が一望できます、壮観!手摺の木も何十、何百万人の人にさすられたのでしょう、天然の浮造りが掌に心地良いです。正面を見ると賽銭箱に『玉杢』が!何百年経過したのでしょうか、材は確か『欅(けやき)』でしたが、普通に銘木業界でいう『玉杢』とは別の物になっていました。素材そのものの性質というよりは、『時の職人』の匠の技でしょう。

 

20090921 奈良・東大寺 二月堂2

 『二月堂』の湯屋で小休憩・・・セルフサービスで冷たいお茶が飲めるようになっていますが、これがありがたい。広縁に腰掛けて一服していると、子供たちは畳に上がり、先程のスケッチの仕上げに励みます!こんな所でスケッチしている子供は他にいません!引っ込み思案な性格の人でも、カメラを手にすればどんな場面でも大胆になれるという話はよく聞きますが、子供たちもスケッチブックさえあれば怖い物なしです!私は父親としては、人様に胸を張れるような確固たる教育信念があるわけではありませんが、子供の頃から画を描くのが好きでしたので、気持ちよく楽しく画を描かせるコツはよく知っています。昔の大人達(美術の先生を含め)が私に接してくれたように、欠点を指摘して修正させることなく、良いところを褒めて気持ちよく描かせてやる事です。小さな頃からそのように接していたためか、いつの間にか遠くに行くときにはスケッチブックを小脇に抱えるようになりました。何でもいいですが、ひとつでも自信のあるものがあるのは素晴らしい事だと思います。将来、何が身を助けるか分かりません。 

20090921 奈良・東大寺 二月堂6

 『二月堂』には歴史的な彫刻画などが所狭しと飾ってありますが、その中に歴史の埃をかぶっていないやや新しい物があります。「昭和六十三年」とありますから20年少し前です。何故?よく見てみると『炭酸ガスレーザー制作』の文字が・・・。奉納された会社との関係は分かりませんが、レーザー画のようです。歴史と伝統の東大寺が、こういう新しい技術を受け入れていたことに驚きを覚えましたが、これだけの時間を受け継いでいくためには、むしろ新しき技術をその時々で受け入れ改良を重ねるという度量の大きさがなければ無理なのかも。辻社長、レーザーには日本の伝統文化を立派に継承していく可能性がありますぞ!

京都・奈良の旅もいよいよ佳境です。最期に目指すところは、『薬師寺』です。こちらは、今までなかなか機会に恵まれず初体験です。どうしても観ておかなければならない因縁の場所です。




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