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先日お知らせしていた愛媛木材青年協議会と建築士会松山支部青年女性委員会との第1回勉強会&交流会にて、短い時間ではありましたが木のお話をさせていただきました。それぞれの団体からおよそ25名程度と、行政からのご参加もあり総勢50数名もの方がお集まりいただき大変盛大な会となりました。会場はホテルの1室だったのですが、勉強会の後の交流会との兼ね合いもあり、円卓にそれぞれ7~8名という形でセッティングされ、最前列のテーブルとは1mもない距離感!
まあ会場が狭い方が、早口で定評のある私の声も通りますのでありがたいのです。今回与えられたのは30分という短い時間ですので、いつものように生い立ちやら「なぜ私が端材を愛するようになったか?!」を語る時間はありません。しかし、ある程度はそこを踏まえないと、なぜ進んで王道行きのバスから降りて、けもの道を選んだかが見えてこず、ただの物好き、変人奇人に思われてしまいそう(それでもいいのですが話に説得力がなくなるので)なので、少し立ち寄ってみました。
すると案の定、本題に入る前に大幅に寄り道してしまい、ただでさえ少ない時間が差し迫る!まあ今回はそうなるだろうと思っていたので、まじめな材木屋なら考え付かないだろうと思われる「木に誕生月を付けちゃおう!」発想から生まれた『誕生木(たんじょうもく)』の中から、いくつかピックアップしてお話しさせていただくことに。木材の精度や乾燥、品質などからはかけ離れた伝承や逸話などの物語観がどこまで受け入れられるか多少に不安はありましたがたぶんギリセーフ?!
最後まで静粛にご清聴いただきましたので、NOではなかったのではないかと思っておりますが、果たしてどうお感じになったかは・・・。何度機会を与えていただいてもひと様の前でお話しさせていただくレベルには到底達せず、常に話があちこち飛び火して支離滅裂のまま終わってしまうのですが、そんな私であっても回を重ねればそれなりにお伝えしたいことの骨格は固まってくるもので、何とか軸だけは外さずに済むようになってきたのではないかと、思い上がりも甚だしいですが・・・。
それでもモノは考えようで、「思い上がり」も自分を高めていく推進力のひとつだと思っています。身近にあるものなら何でも腹に入れて燃料に変えていくぐらいの逞しさがなくて、どうしてけもの道を進めようか!ところで建築士会といっても、建築士の資格をお持ちというだけでその職種は幅広く、新たな出会いも沢山あってとてもありがたかったです。肩に背負うものといえば木ぐらいしかない私にとって、肩書や資格は眩しい存在ですが、果たしてけもの道でも足元を照らすモノたりえるか?!
こうして松山俳句甲子園の俳句ストラップが生まれたのです。台木には愛媛県産のクスノキを使用。ちなみにクスノキの木言葉は『忍耐』。鼻孔をくすぐるその香りも楽しんでいただきたいので、今回はあえて無塗装にすることにしました。歴代の最優秀句18句とその作者名の学校名とレーザーで彫り込みました。木という素材の限られたスペースの中に緻密な文字が彫れるのもレーザーならでは。今回初めて過去の優秀句を見ましたが、さすがは全国から勝ち上がったつわものたちの言葉。 |
この商品の販売は大会当日を予定していますので当然今年に最優秀句はありません。そこで、今年の最優秀句や自分が好きだった句、あるいは自分の作った句なども大会後に申し込みを受けて作成させていただくことにしました。大会当日会場での販売は甲斐先生はじめ学生さんたちが受け持っていただくことになっています。企業と学生による「愛媛」という地域イベントを介在させたモノづくりの第一号商品、どのように受け止めていただけるか楽しみです。大会は20日、21日の両日です! |
私の母校でもある松山大学の「ごりょんさん」こと法学部 法学科の甲斐朋香准教授と初めてリングの上で戦ったのはいつのことだったろうか。【森のかけら240】の解説書の英訳をお願いしたのはもう3、4年も前のことだったろうか・・・。実際にお会いして言葉を交わすようになったのはつい1、2年前のことだというのに、その頻度と密度が濃すぎて随分と昔から知っている旧友(あるいは戦友)のような気がしてならないのですが、そんな甲斐先生と交わした約束というと・・・
甲斐先生は、平成26年に愛媛大学と松山大学連携事業を契機として、両大学の学生有志を中心に発足しました『SENSE(センス)』という団体を率いられていらっしゃいます。地域の方々とも連携しながらアートやデザインをテーマに「学びの場」をつくることを活動目的としているSENSEのメンバーと私が初めて出会ったのは、愛媛のものづくり集団による異業種交流会「えひめのあるくらし研究所」(通称「オトナの部活」)との初対決の場でのこと(だったと思う・・・)。
それは共に何かを生み出そうとかいう趣旨の対決ではなくて、愛媛にも面白い人間がいる(甲斐先生の本当の思惑は、こんなふざけた人間たちだった生きていけるんだから、あなたたちも全然大丈夫だからね、という意味で就職に不安を感じる学生に安心感を与えるためであったはず)ということで、いろいろ話をしたのですが、お酒も入って軽い気持ちで「何かコラボでもできたらいいのに」なんて言ったことがことのはじまり。酒が入るとつい口がすべってしまう悪い癖が出てしまった。
まあその時は勢いでこんなモノでもできたらいいのにね、なんて軽口を叩いたのですが、ウルフ甲斐そんな大人の脇の甘さを見逃すこともなく、後日言質を取られて夢のコラボ商品が現実的な話へと転がり始めたのです。それは、学生さんたちの一部が運営に関わりを持っていた俳句甲子園大会の優秀句を木のストラップにしようというもの。話の勢いでその年の大会までに作ろう~!なんて盛り上がったものの、そこは事情だらけのオトナのこと、来年に間に合わせましょうということで決着。ちなみに「ごりょんさん」とは、どんたくや、山笠といった祭りがある福岡(甲斐先生の出身地)では、祭り期間中に店を留守にすることが多い主や夫に代わり女性が店を守る。店・家事の切り盛りを一手に引き受け、不平を洩らさず努める女性”という意味も込められている。本題明日に続く・・・
誰かが言いました、「松山の夏は俳句甲子園を以てして終わるのだと」。今年も松山の夏のイベントの最後を飾る『俳句甲子園』が開催されます。1998年から始まったこのイベントは今回は第19回を迎えます。わが松山市は、正岡子規や高浜虚子、河東碧梧桐などの俳人を輩出したことから俳句にゆかりが深く、『俳都』としても知られています。平成26年には野志克仁松山市長が、俳句に親しみ、俳句を楽しみ、俳句を愛するまちとしての誇りを持とうと『俳都宣言』も発表しましたた。
そんな松山市には中心商店街に俳句ポストが設置されるなど俳句の町として俳句の魅力を伝える活動にも余念がありません。その松山市で夏の終わりに開催される俳句甲子園は、社団法人松山青年会議所、NPO法人俳句甲子園実行委員会が主催し、多くの市民ボランティアなどの支えによって運営されています。当初は松山市近隣の高校のみのイベントだったものが、回を重ねるごとに県外からの参加も増えて、現在では全国各地で予選会が開催され、そこを勝ち抜いた36校が羽を争います。
俳句バトルってどうするの?と思われる方もいるかもしれないので、簡単なルール説明をしますと、2チームが赤白に分かれて先鋒戦、中堅戦、大将戦というふうに1句ずつ句を出し合って優劣を競いあいます。俳句を披露した後、相手チームの句に対して質疑が行われます。評価は、自身の句の評価と、質疑における鑑賞力の総合得点で雌雄を決するわけです。審査委員の中には、テレビのバラエティ番組の辛辣なコメントですっかり有名になられた夏井いつきさんもいらっしゃいます。
その言葉バトルが予選・決勝と2日間にわたって、松山市で繰り広げられるわけです。その様子は地元のテレビ等でも報じられるので、私も白熱した戦いの様子は目にしているものの、実際に大会会場(予選は町の中心の大街道商店街特設会場で行われます。決勝は松山市総合コミュニティセンター)でその様子を生で見たことはないのですが、今年はどうやら是が非でも会場に足を運ばせていただかねばならないようなご縁が生まれました。それは一年前からの悲願であったあるモノ。続く・・・
私も在籍していた愛媛木材青年協議会(愛媛木青協)で、地元の若手の設計士の方々と勉強会を開催するというので、アドバイスしてもらえませんかなどと後輩が可愛げな事を言ってきたのでいらぬ老婆心で助言(いらぬおせっかいとも言う)をしていたら、いつの間にかミイラ取りがミイラになってしまって、私がお話をすることになってしまいました。設計士の方々と交流を持つというのはいい事なのですが、そんな木う使うプロの皆さんに対して木の話をするというのは釈迦に説法。
というよりも無謀・・・な事ではあるのですが、昨今の材木屋の低迷は、材木屋が喋らなくなったことだと思っています。上手に話せようが噛もうがとにかく材木屋はもっと木の事について熱く語るべきという信念がありますので、機会があればいかに恥をかこうともお受けする覚悟だけはあります。とはいえ、まあ愛媛木青の後輩と設計士さん数人程度の規模のものだとなめていたら、どうやら全部で50人ぐらいの参加者があるとの事!
勉強会の後に交流会も控えていて、時間が限られていることもあって、木材のイロハから喋っていたのではとても時間が足りませんし、相手も木のプロですから、そんな場を温めるような前振りも必要ないという事で、ここは勝手にテーマを「誕生木」に絞り込みました。強度や価格などのマテリアルとしての視点ではなく、木に新たな価値を持たせる物語の対象として木を語る、なんて言えば恰好いいのかもしれませんが、要は王道を進めぬ者が見つけた森のけもの道をご披露しようというもの。
まあ私が普通に「愛媛の林業の現状とは・・・」とか「カーボンオフセットとは・・・」なんて話しても仕方ありませんし、また出来もしません。餅は餅屋らしく、誰も歩かないようなけもの道から木の事を眺めてみるというのが私の身の丈に合ったレベル。零細弱小材木屋としては、いかにお金をかけずに、低い投資で高い利益を生み出すかを考えねばなりませんので、こういう機会をいただいたならば、どれだけ強い印象を残して、その後商売につなげられるかが大事。え~、そこまで商売っ気出しますか~という後輩たちの非難など聞く耳持たず!こっちだって遊びでやってるんじゃない!ふざけたような話ではあっても、気持ちは真剣。深刻そうに真剣な話が出来るぐらいだったら王道を選択しとるわい~!異業界からの刺客も跋扈する森のけもの道、あなどるなかれ。さて、どうなりますやら・・・
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