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今年の3月に松山市二番町にオープンした素敵なカフェ&バー『SOL ET LUNA(ソール・エト・ルーナ)』さん。ご縁があってその店内に総数289個に及ぶフレーム入りの『森のかけら』の飾っていただきました。縦17列×横17段のかなり大きなものです。フレームはこれだけのかけらを収めるためのオリジナルの特別仕様で、ブラック・ウォールナットで製作しました。壁面に垂直に固定して飾るため、落下しないように1個1個接着剤でフレームに固定してあります。
フレームを作ってくれたのは勿論、私の懐刀・ZEN FURNITUREの善家雅智君。現場でそのフレームにかけらを貼り付ける作業は私がしたのですが、正確に並べられるようにと善家君が薄いスペーサーを作ってくれました。接着させる際に1個1個その数ミリのスペーサーを差し込んで微妙にフレームから浮いた状態で固定化させます。左の画像でかけらからつき出しているのが、そのスペーサーがまだ残った状態の施行中のもの。乾燥後にスペーサーは抜き取ります。
総数289個のかけらをどういうバランスで配置するかは私に一任されましたので、現場で数個仮り置きしては少し離れたところから眺めて、色彩のバランスを見ながら調整していきまいた。普通に【森のかけら】を240個並べると圧倒的に淡い茶褐色のモノと黄白色系のモノが多いのですが(特に日本の場合は更にその傾向が強くなります)、店舗であるという事を考えて樹種のかぶりはあっても濃い黒系~濃茶褐色系のモノを多用してシックな雰囲気に仕上げてみました!
今回はコレクションというよりも店の装飾灯的な意味合いが強かったので、日本と世界のかけら混ぜこぜで樹種も重複して今う。それを店内の中の一番いい場所に飾らせていただきありがたい限りです!店名の『SOL ET LUNA』というのは「太陽と月」という意味で、昼間はカフェ、夜はバーと別々の灯りの下で様々なおとなの物語が紡がれていくことでしょう。このかけら達がそんな会話を弾ませるマストアイテムになって少しでもお店に貢献できる事がご恩返しだと思っています。カフェ&バーのお店に初登場した【かけら】たちのこれからの活躍とお店のご商売繁盛を祈念しております。フレームそのものについては明日補足致します。
SOL ET LUNA・・・愛媛県松山市二番町4-2-14 永井ビル1階 http://www.e-komachi.com/web/gourmet/detail.asp?tnid=43029
またまた本日も『陶工房もちの木』さんで使っていただいた木の話です。重硬なホワイトークの作業台があるアトリエの奥には、畳敷きの和室があってそちらには亀井紀子さんの造られた数々の作品が展示されていました。の踏み台に藻の変化のある耳付きの『ニレ(楡)』の一枚板を使っていただきましたが、その踏み台のから立ち上がった白い小壁に沿って大胆に曲がった皮付きの丸太があります。これが『コブシ(辛夷)』の丸太。そう、あの千昌男の「白樺 青空 南風 こぶし咲く あの丘 北国の ああ 北国の春 ・・・」の『北国の春』で有名なあの『コブシ』です。そのコブシについては後日改めて『今日のかけら』コーナーにてご紹介します。
本日はその踏み台の『ニレ(楡) 』の方について。昨日もニレの特徴に触れましたが、左の写真は削る前の状態のニレ。表面に汚れや埃が付着しているのでまったくの別人(木)のように見えるかもしれませんが、耳の凸型に飛び出した部分に名残りがあっるのが分かると思います。このニレはとりわけ甘えん坊でなかなか家(倉庫)を巣立たなかったため、加工前と後の差が極端に見えるでしょうが、ひと削りすれば美しい面が現れます。
こういう踏み台の他にも手洗いや洗面カウンターなどに耳付きの板を使いたいという要望は結構多くて、図面に自由に描かれたR型の耳付き板を探すこととなるのですが、相手も自然のものですから、うまい具合にイメージとピッタリ合うものを見つけるのは至難の技!いい感じのコブがあると思ったら左右の向きが逆とか、テーパーの角度が強いとか弱いとか、サイズがピッタリ合ったと思ったら今度はねじれがあったり厚みが薄すぎたりと・・・。
そうやって次から次から材を引っ張り出してようやくピッタリの形のモノを探し出した時の喜びと言ったらそれはもう!次は加工ですが、どうか虫穴や桟跡が出てきませんようにと祈るばかり。節や割れについては、裏面を見れば大体予想がつきますが、耳付き板の場合怖いのは耳を削った時に出て来る虫の穿孔跡。こればっかりは削ってみないとどれぐらい深くまで入り込んでいるか分からなく、信仰心薄い私でさえ神の祈らざるをえません。
今回はほとんど虫害もなく綺麗な耳が取れたのでホッとしましたが、こういうリスクも耳付き板の宿命です。まあそれも含めて『生き物』だと、思うぐらいの寛容さがあれば木のものってかなり楽しめる幅が広がります~。家具などを納品させていただく楽しみの1つに、納品後の施主さんとの雑談があります。他愛もない話をするばかりですが、それだけでも随分と『木を愛でるチーム』としての連帯感は深まっていくものです。亀井さん、ありがとうございました!
昨日に引き続いて『陶工房もちの木』さんで使っていただいた木の話。陶芸の作業をするための作業台として収めさせていただいたのがこちらのガッチリした骨太なテーブル。この上で強く土をこねるので耐摩耗性に優れたタフな木を、という事で採用いただいたのがウィスキー樽にも使われる事で耐久性が証明されているホワイトオーク。作業性を重視したシンプルな造りですが、厚みが40mmの板を1m幅に剥ぎ合せていますので相当な重さ!
しかも脚がアイアンなので、完成すると大人の男3人でもどうにかこうにか持てようかというレベル。納品させていただく時にも、3トントラックから降ろすだけでもヒイヒイ。地面にさえ降ろしてしまえば後は台車に乗せて運べます。陶芸の作業台という事でしたので土間に設置させていただきましたが、これが二階とかなら天板と脚をばらしてもいけたかどうか・・・。ホワイトオークの重硬ぶりは、皆さんがイメージされるそれ以上です。
ホワイトオークの項でも書かせていただきましたが、この木の導管はチロースという成分で塞がれていて非透水性が高い、つまり栓がしてあって水分を通しにくくなっています。その特性を利用してウィスキー樽に使われているというのは有名な話。それがこの重さとも関係があるのかもしれませんが、まあこれだけ頑丈であればどれほど強く土をこねていただいても大丈夫ではないかと思います。ここでこれから数々の逸品が生み出されていく事でしょう。
『もちの木』さんでは他にも随所に木を使っていただきました。その1つがこちらの北海道産の『ニレ(楡)』の耳付き板。ニレはニレ科の広葉樹で、少し緑を帯びた灰褐色の中に凛殻の強い杢目が現れ、ウッディな雰囲気がよく味わえる木なのです。こうして実例を見ていただけると、その妙味を理解していただけると思うのですが、私の押しが弱いのか相性が悪いのか、今までなかなかニレの木に光を当ててやることが出来ませんでした。ニレ、いい木なんです!
これまたご紹介がすっかり遅くなってしまったのですが、昨年末に仕上げの内装などで関わらせていただいたのがこちらのお店『陶工房もちの木』さん。店主の亀井紀子さんは、大阪のお生まれで、九州は佐賀の有田焼を学ばれその後愛媛に移られて昨年末に市内のほぼ中心部にある末広町に工房を開かれました。弊社とのご縁は、その工房を施工されたもみじ建築さんを通してもの。設計はイシマルデザインの石丸絹子さんが手掛けられました。
中庭には大きくて立派な1本のモチノキが生えていて、工房はそれをぐるりと取り囲むように建てられています。以前には亀井さんのお身内の方が住んでいらしていた場所という事で、その方々が大切に手入れなさってこられたものだと思います。そのゴツゴツした樹皮からは、ここで大地に根を下ろしてからの長い歳月が思い浮かぶようです。よくぞこのモチノキを伐らずに工房づくりを計画されたものだと敬意を表したいと思います。
現在の『おとなの部活動』をはじめ県内の異業種の方と組んで事業をする場合、欠かせないのが砥部焼作家さんで、今までにも大西陶芸さんやすこし屋さん、スギウラ工房さん達と関わらせていただきました。木と同じ自然素材である土を原料にされるという事で、いずれの方々も木に対する造詣や関心も深く、土同様に木に対しても強い愛情をお持ちでありましたが、こちらの亀井さんも負けず劣らず木に対しては深い愛着と理解をお持ちです。
内装などにもいろいろ木をお使いいただいたのですが、工房とアトリエが併設されていてその天井にはスギのパネリング。全体的には白身が強いのですが、ところどころに赤身が入る事でメリハリが出ています。昔は和室の天井などにもよく使っていたのですが、和室の減少に伴い天井に使うケースが激減して、最近では外部の軒天などに使われる事が多いのですが、視線に近くで使っていただく事でスギの木目や風合いがより楽しめると思います。きっちりと人工乾燥させて品質管理された工場で作られた商品ですが、それゆえに外部に貼ると雨の多い時には膨張してして突っ張ってしまう事もあるぐらいデリケート。それも生きている事の証拠。明日に続く・・・。
本日も『IL Banco(イルバンコ)』さんの話です。山田&川上コンビが仕掛けたネタがたっぷりありますので木材以外にもオモシロイものがあちこちに散りばめられています。専門外の分野なので詳しい説明が出来ませんが、素人の視点で見てもそのクオリティの高さが一目瞭然。まずは正面の鉄の看板。福山在住のアーティストの方が手掛けられたものだという事ですが、まるで中世の歴史大作映画「ベン・ハー」のタイトルバックのような重厚で荘厳な雰囲気が素晴らしい~!狙って出した錆にも品格すら漂っているではありませんか。
ヒッコリーの斧の柄を掴んで扉を開けると、店の正面奥には木彫りの牛の胸像が迎えてくれます。威風堂々とこちらを睨みつける勇猛な牛の木彫りを作られたのは、和歌山の竜神村在住のチェーンソーアートの世界チャンピオン・城所ケイジさん(チェンソーアート・ジャパン)。ダイナミックにして繊細、チェーンソーを手の一部のように操り、巨大な恐竜から仔犬まであらゆるものを生み出す神の手はメディアでもよく取り上げられているのでご存じの方も多いはず。ライトが当たった時の牛の眼の輝きまで計算に入れたフォルムが完璧。
数年前に城所さんがご夫婦で愛媛に来られた時に一緒にお食事をさせていただいた事があってその時にいろいろとお話を聞かせていただきました。神仏に捧げるようなモノを作られる時は数日前から精進潔斎をして身を清められて作品作りに臨むとか、ものづくりの謙虚かつ真摯な姿勢に襟を正した覚えがあります。分野は違えど食についてもお客様に提供するものづくりという点では同等。オーナーをはじめとするIL Bancoのスタッフの方々の「ものづくり」の思いはその料理からも伝わってきました。
たまたまスタッフの中に同郷の人もいたりと、端材の神さまのご縁はまだまだつながっているようです。山田さんから60年もののコニャックまで御馳走になり実に楽しいプレオープンの宴となりました。納品させていただいた木材を通じてこうして飲食店とつながりが出来るのはとても嬉しい事で、客として改めてお店にお邪魔させていただくことが至福の喜びであります。馬齢を重ねた分だけその数も増えてきましたが、それを励みに今日もまた木を担ぐのです。IL Bancoさんのますますのご商売繁盛を祈念しております。
★ IL Banco(イル バンコ) 松山市千舟町4丁目6-11 
☎ 089(932)3421
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