森のかけら | 大五木材


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20110206 奇跡のリンゴと木村秋則さん・・・2①言える事とやれる事は天と地ほどの差があります。信念を貫き実践することが難しいからこそ、こうしてその話を聴くために多くの方が足を運ぶのでしょう。言葉が商売になるのではなく、実践した結果が拡がりを持ち、職種や業種を越え、例えば語る農業としても成立していくのだと思います。最初からそこを目指すのは論外。当初、木村さんも自らの行く末にこういう舞台が待っていようとは夢にも思われなかったことでしょう。実らないリンゴの前に感じた絶望が希望に変わるまで実に10年。

20110206 奇跡のリンゴと木村秋則さん・・・2②私自身この10年という時間にある思いを感じています。先日もある方が来社されて来社されて、弊社の『適材適所』を久しぶりにご覧になって(現在152号で、足掛け13年目ですが)、「何でも事を成すためには10年掛かるものですね」と感慨深く仰られた言葉が胸に残っています。10年を目指して続けてきたわけでもありませんが、10年以上が過ぎて今思うのは、多くの事が蓄積され、他人の言葉が身に沁みて少しは理解できるようになってきたのではないかと思います。私が木村さんの講演で特にお聴きしたかったのは、リンゴという木に対する思い。その中で特に心に残ったのが次の言葉。『桜の花は春の訪れを知ってもらい、人に喜んでもらおうと下に向かって咲くが、(リンゴは品種改良を重ねて現在1100もの種があるらしいのですが)リンゴは偉くなり過ぎてしまい下を向かなくなり、上に向かって咲くようになった。』なんと含みのある言葉でしょうか。

 

20110206 奇跡のリンゴと木村秋則さん・・・2③無農薬無肥料を実践するようになって、劇的に虫の被害も減ったという事です。右の画像の葉は、虫の被害ではありません。当初学者先生も信じてもらえなかったようですが、リンゴの木自らが葉の病気の部分を枯らして落とし、全体に広がるのを抑えた結果だというのです。植物の生命力の神秘は、我々の想像を遥かに凌駕するものがあります。もし人間が地上からいなくなれば、植物は驚異的な成長をして、驚くべきスピードで原始の森が復元されるであろうという学説を裏付けるエピソードです。

20110206 奇跡のリンゴと木村秋則さん・・・2④あの西岡常一棟梁も自著の中で「木作りは土作りだ」と書いておられましたが、木村さんも大切なのは土作りだと仰っていました。『いきなり無農薬無肥料農業を始めても無理である、まずは土を作ること。今の農業は土を殺して砂漠化している、まずは代掻(しろか)きをして、土の中にたくさん酸素を入れて根がどんどん伸びていけるような下地を作る事。土も木も人も同じ地球に生きる生き物なのだから、たくさん酸素を与えてあげなければならない。リンゴは私の部下ではない。』

 

20110206 奇跡のリンゴと木村秋則さん・・・2⑤それは、単なる収穫を得る商売道具などではなく、共に10年間を戦い抜いた戦友に対する友情や慈しみのようにも感じられ、植物を超越した信頼関係のような結びつきでもあります。講演予定時間を30分近くもオーバーするほど熱のこもった素晴らしい講演でした。その信念は農業だけでなく林業にも通じるものがあります。人と違った事を始めると、周囲は奇人変人扱いされるのは世の常。ひたすら信念を貫き、その結果が出ると評価は途端に一変します。【森のかけら】を作り始めた時、私も同じような思いを抱きました。誰が買うのか、と嘲笑もされました。それから5年。まだまだ結果が出たというレベルではありませんが、少しは『木のファン』を増やすお手伝いが出来たのではないかという自負もあります。『森のかけらの木』の種をもっともっとたくさん蒔いて、もっと大きな大きな実りを待てる覚悟を木村さんのお言葉からいただきました。どうかお元気でいつまでもリンゴ作りを楽しんで下さい。




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