森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20110228 400年を生きる出雲の黒松①さて、島根ワインの方もしっかり堪能させていただきました。さすがに無料で試飲だけして手ぶらで帰るなんて野暮な事はしませんので、少し甘めのこちらのワインをご購入させていただきました。今まではたがひたすら飲んで終わりだったワインですが、最近はラベルやパッケージなどが気になります。美味しければ黙っていても売れる、というのは本物を極めたごく一部のモノに言える事。如何に商品に魅力があろうとも、魅せる努力をしなければ身の回り周辺までしか繋がっていかない事を痛感しています。

 

20110228 400年を生きる出雲の黒松②ついつい調子に乗って試飲を重ねてしまい、集合時間に少し遅れて出雲大社へ。出雲大社は今回で3回目でしたが、今回は平成の大遷都による工事中ということでいつもより人が少ないような感じでした。愛媛、美作、出雲の3会団の総勢20名ほどで出雲大社参拝です。境内には立派な『クロマツ』がたくさん植えられています。海岸の防風林などに植えられることから海辺のイメージがあるクロマツですが、白砂青松と称えられる美しい日本の原風景も過去のものになりつつあります。

 

20110228 400年を生きる出雲の黒松③コンクリートで固められる前の昔の日本の海岸線には、こういうクロマツがずらりと居並んでいたのでしょう。DNAの中にその記憶が眠っているのかもしれませんが、松の木の堂々たる姿を見るとなぜか静粛な気持ちになります。このあたりは、大山の吹き下ろしで風が激しく舞うらしく、樹形がうねっています。長年の風雪に耐えたであろうその姿に自らの人生を重ね合わせて考える方も多いことでしょう。ところどころに痛みの激しい木があり、コンクリートなどで部分的に補強がされていたり、丸太で支えているものもあり、痛々しくもありましたが、それでも生き抜こうとする健気な姿がまた日本人の心を打つのかもしれません。正月の門松に使われたり、めでたき事の象徴とされるマツですが、ここ出雲大社で見るマツは、いろいろ苦労はあってもそれでも歯を食いしばって生きていこうという忍耐や人生訓を体現しているようにも感じられるのです。

 

20110228 400年を生きる出雲の黒松④その威風堂々とした姿はそこにあるだけで歴史の重みを感じさせます。ものの記録によると、この松並木は今から400年前に松江藩主であった堀尾忠氏の夫人・長松院が千本の松を寄進されたということです。そのうちの33本は今でも現存しているというから、樹齢400年の松もこの参道沿いに聳(そび)え立っているということです。その長命ぶりも、松がめでたき事の象徴とされる由縁でしょう。当地の隣は「松江市」です。さぞ立派な松が隆盛を極めたことでしょう。全国各地に松の名を冠した地名は多くありますが、それだけかつては松が多く自生していたことの証しでもあります。わが町・松山市もそこに由来していましが、残念ながら建築用材になりうる松は少なく、その供給先は瀬戸内海を挟んだこちらの中国地方に求めています。かつて在ったものが無くなり記憶の中で語られるようになるのは寂しい事ではありますが、だからこそしっかり語り継がねばならないのだと思います。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2011年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  
Scroll Up