森のかけら | 大五木材


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20150410 1本日も『能登ヒバ』の特徴について。ひと口に能登ヒバと言っても、その中には幾つかの種類があると教えていただきました。能登では能登ヒバの事を『アテ(档)』と呼ぶという事は、数日前のブログで紹介しましたが、これはヒバの名前を隠すための隠語であるという説や、植えてみたらうまく根づいて成長したので「当たった(よい値段でよく売れた)」からなど諸説あり、能登独特の呼称です。それとは別の意味で木材業界では『アテ』という言葉が全国的に使われているので混同されやすいので注意が必要です。

 

20150410 2その『アテ』は樹種名ではなく材の特性の呼び名です。例えば傾斜地に生えた木の幹や枝などには、物理的な負担がかかる部位を強化するために圧縮された部分が形成され、それを『アテ(陽疾)』と呼びます。アテの部分は、癖が強く残っているため製材しても狂いやすく、用材としては適さない事から『欠点』とされ低い評価しかされません。しかし、森における樹木の立場からすればこのアテがなければ樹体が安定しないので大切な要素でもあるのです。その事を踏まえたうえで、能登ヒバの品種についてご説明します。

 

20150410 3 まず、生育範囲が穴水町周辺と限られていて小径木が多く、ヒバ特有のねじれが少ないものの材質が軟らかいという『クサアテ』㊨。主に内装材や造作材に使われます。輪島市など生育範囲は広く大径木も多いがねじれやすく材質的には堅く、主に土台などの構造材に使われている『マアテ』。そして、独特な斑点が見られる幻の高級品種『カナアテ』㊦。能登全域に分布し、玄関ポーチや床柱などに意匠的に用いられますが、関東などではその斑点が敬遠される事も。他にも『エソアテ』や『スズアテ』などの品種もあります。

 

20150410 4それぞれに性質が少しずつ違っていて、用途によって使い分けられています。私にそれぞれの特徴などを教えていただいたのは、能登ヒバを専門に扱われてきた表木材表譲さん、義明さん親子。能登ヒバが生えている山にも連れて行っていただきました。木童の販売ルートを通じて全国各地で能登ヒバが使われるようになった事もあり、表木材さんにも産地見学のため全国各地から木材関係者や設計士、施主が何度も訪れていて、山の案内も手馴れた様子でしたが、わが庭のように誇らしげに能登の山を紹介される親父さんの姿が忘れられません。続く・・・




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