森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE昨日、【森のかけら】は香りよりも色彩に重心をかけているというような話をアップしましたが、それにはモノづくりの裏事情もありまして・・・。何のヒントも無い240種の無塗装の『かけら』を見分けるのは至難の技、いやほぼ不可能とまだ言いましたが、オイルを塗ったものであればもしかしたら世の中には見分けられる『かけら達人』がいるかもしれません。恥ずかしながら生みの親でありながら私にはそのような特殊能力が備わっておりません。ではどうやって240種もの木を見分けているのかという事ですが・・・

 

20150402 2そもそも一度に240種の木を加工するわけではありません。長い時間の積み重ねで、それぞれの樹種を少しずつ加工してストックしています。在庫の少なくなった樹種を幾つかずつ加工していくのですが、荒加工する際は5~600㎜程度の板を割って40~45㎜角の棒状のものにするので、さすがに樹種は判別できます。材の判別は、全体の雰囲気、木目、質感、重さ、匂い等々少しでも「情報」が多ければ多いほど正確性が増します。問題は、その時いくつか樹種をまとめて加工に出すのですが似かよった材は一緒にしないという事。

 

20150402 3荒材の段階では雰囲気が随分違って見えても、削ってしまうと判別できないようなケースも多々あるので、なるべく特徴や色合いの違う木をまとめるようにしているのですが、240種もあると欠品等の具合でどうしても似たような木が混じってしまう事があります。そんな時は判別も困難を極めます。まずは木目や質感、重さ、匂いなどを手掛かりにザックリ分けて、次にルーペで小口の細胞を観察。細胞から240種を識別するというわけではなく、裸眼で見分けのつきにくい2,3種の似かよった材の見極めをするため。

 

Exif_JPEG_PICTURE 材木屋でもルーペや顕微鏡で小口を覗いた経験のある人って案外少ないのではないでしょうか。私は「かけら」の識別でしょっちゅうルーペを覗いていますが、専門の勉強をしているわけではないので、見分けるための記号的な意味合いで観察していますが、実際に観てみると思っている異常に個体差がハッキリと現れます。私は15倍のルーペを使っていますが、それでも充分細胞を堪能できます。カメラを通しても写せるか試してみたら、接写に強いGR(リコー)がその実力をまざまざと発揮してくれました!こちらは『カシワ』。

 

20150402 4今まで自分の目を通して確認してきただけでしたが、写真で撮ってみると画としてもそれなり木の個性が現われていて結構面白そうなので、『今日のかけら』あたりでそれぞれの小口の写真も貼り付けてみようかなどと考えています。これをアカデミックに解説するだけの知識もありませんが、ちょっと深みにはまってしまいそうになるほど魅力があります。『かけら』を識別するための1つの手法からまた商品が生み出され・・ミイラ取りがミイラになるとはこの事。まあ、そういう事をしながら今日もコツコツ『かけら』を仕分けしているのです。




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