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甲子園といえば今年で100周年を迎える高校野球。大正4年に旧制中学校の野球の全国大会が始まって今年で100年という事で「高校野球発祥100周年」のさまざまなイベントが企画されています。その一環として、制服女子が甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」を今風にアレンジして、制服女子たちがキャップをかぶって爽やかに踊る動画がネットに公開されていました。野球の動作も研究して振り付けも彼女たちが考えたというダンスと大会歌が相まったもうひとつの甲子園になんだか不意に目頭が熱くなってしまうのですがその一方で・・
私も自分が高校生になるまでは熱心に甲子園大会の熱戦に夢中になる高校野球ファンでしたが、野球以外の体育会系の部活に所属した一高校生の立場から、高校野球を見たときに、地域を巻き込んだ学校ぐるみの特別視に不条理極まりない違和感を覚えたものです。それは決して野球部部員に向けられたものではなく、高校生の一部活動というくくりを越えて特別に神聖化された「高校野球」という目に見えざる幻想に対して。まるで高校野球こそが健全にして嘘偽りの無い高校生の鑑のようであるかのごとき別格な扱い。
最近ではすっかりサッカーに押され、テレビの中継もほとんどなくなってしまったのも、野球に対する反対勢力の長期的な戦略のようにすら感じてしまうひねくれ者。私たちが子供の時代、多かれ少なかれキャッチボールをしない子供や、野球のルールを知らない男子なんてほとんどいませんでした。何しろ当時テレビで放送していたスポーツと言えば、野球かプロレス、大相撲(後の2つは純粋にスポーツとは言えないかもしれませんが)ぐらいしかありませんでしたので、知らず知らずのうちに野球好きに洗脳されるのも必定の理。
そんな風に子供のころから知らず知らずのうちに野球好きにさせられた日本人にとって、メディアによって商業的に過剰に演出された高校野球は「おらが地域の代表として誇り高く戦う郷土の代表」的なニュアンスも相まって、高校生の一部活動を遥かに超えた特別な存在に祭り上げられてしまったように感じます。白球を全力で追う高校球児の姿には感動を覚えるものの、もはや高校時代に違和感を覚えて以来、純粋な目で高校野球を観ることは出来なくなりました。『朝日新聞』が主催する夏の大会はなおさらの事、感動の押し付けには辟易してしまうのです。
※ https://www.youtube.com/watch?v=ysdGyW0zezY
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