森のかけら | 大五木材


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20160516 1さて本日は『リョウブ(令法)』の木としての特徴について。前日も書いたように、【森のかけら】を作り始めてから手にしたぐらいで、私自身馴染みも薄く活用事例もほとんどありません。森のかけらとして35㎜のキューブに加工して初めてその仕上がりの色合いや触感を知ったぐらいなのです。もしかしたら昔に樹皮が剥げて鹿の子模様になった『サルスベリ』の名前で使っていた床柱や変木丸太などの中には、このリョウブが混ざっていたのかもしれないなんて思ったりもするのです

 

樹皮の個性的な表情に比べると、その影響は内部には反映されておらず、加工した表情は白に近いクリーム色できわっだった特徴は見受けられません。木目もはっきりしていません。個人的な印象としては、『ミズキ(水木)』の木をもう少し白っぽくしたような感じで、どうしてもこの木でなければという用途が定まらなかったのも頷けます。それよりも個性的な樹皮を少し残した感じで、『皮付き』で仕上げる方が面白いかもしれません。そう考えれば枝だって使い方次第で活かせそう。

 

用材として身近でもないリョウブなのですが、私にとっては別に意味で馴染みがあります。それは、この木が【森のかけら】の日本の木・120種の120番目の木だから。この順番はアイウエオ順で3桁の番号が割り振られているのですが、ラ行の木は『リュウキュウマメガキ』とこのリョウブだけです。【森のかけら】をお買い上げいただいた際には、必ず120種のリストと照合していくのですが、その時一番最後に読み上げるのが『リョウブ』なので、その名前だけはいつも耳にします。

 

名前はよく知っていても、実物はよく知らないなんて木は『リョウブ』だけにとどまらず、恥ずかしながら沢山あるのです(逆に外国の木・世界の120種の方が実体験が伴っていたりします)。あるきっかけで、今まで近くにあっても気が付いていなかったモノが急に見え始めるようになって、そのものが突然身近に感じられるようになることってよくあるのですが、石鎚山で立ち木に出会ったことでリョウブももしかしたら、「120番目の木」から「もっと身近な木」になるかもしれません?!


〔補足解説〕

リョウブは、関西の里山ではどこにでもありますが、亜高木で、太いのは見ません。薪として使えるので、昔は薪炭林で残して使ったと聞きました。ニホンジカがこの樹皮を好んで食べるので、不思議に思って学生と一緒に内樹皮をかじったところ、苦味渋味がないのです。さらに不思議なことに、この木は樹皮を剥がれても枯れません。目立たないのに個性豊かな樹種です。(神戸大学大学院農学研究科 黒田慶子教授)※黒田先生から補足解説をいただきました。




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