森のかけら | 大五木材


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家を建てる材料の中に、天井と壁の取り合いに用いられる部材に『廻縁(まわりぶち)』と呼ばれる造作材があります。言葉で説明するよりも実物の写真を見れば、「ああ、あれか」と理解されると思います。私がこの業界に入った頃は、松山においては廻縁といえば圧倒的にヒノキが主流で、借家などだとスギ、あるいは米栂(ウエスタン・ヘムロック)でした。そしてそれは1軒の家には必ず使われるモノであって、私たち材木屋にとっても廻縁は重要なマストアイテムの1つでした

 

全国的にどうなのかは分かりませんが、私などは材木製品市場においてもセリの始まり、つまりセリの露払いは廻縁という認識でいたほど、なければならない部材で、当然弊社でも毎回市場では仕入れて在庫を買い足さなければならず、それなりに在庫も抱えておりました。サイズでいうと、松山周辺で多かったのは45✕45㎜、あるいは40✕50㎜、大きくて立派な家だと45✕55㎜か60✕60㎜なども使ったもので、それぞれに3m、4mがあるわけなので結構な数になります。

 

20160523 3更にその品質においては、丸身が無い「特一(等)」あるいは「テッキリ」、少し丸身の付いている「上一(等)」あるいは「ちょい丸(身)」、大きな丸身のある「二等」あるいは「オオマルミ(大丸身)」など、マストアイテムゆえにその仕様も多岐にわたり、わずかな形状の差によって価格差がつけられていました。セリを見ていても、A材木屋は高くてもいつもテッキリ狙い、B材木店は安い二等狙いなどと、仕入れる廻縁によってそれぞれの材木屋の個性が見えてくるほどでした。

 

仕入れてきても常に動いていた廻縁ですが、徐々にその立ち位置にも変化が見られるようになりました。弊社においては、まず最初の変化は、無垢材から集成材への移行でした。狂わない、反らない、そして加工の必要がないという特徴(実際には仕様によっては反りなども出るのですが、ここでは割愛)を備えた集成材が、タフな外来種がデリケートな在来種を駆逐するがごとき勢いで勢力を拡大し、あっという間に市民権を獲得。無垢から集成材になれど廻縁のマストアイテムの座は揺るがず。しかし・・・続く。




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