森のかけら | 大五木材


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今ではほとんど見かけなくなりましたが、ひと昔前なら和風の家の玄関には欠かせなかった磨き丸太。愛媛の久万高原町はこの磨き丸太の製造が盛んで、冬場になると搬出された丸太の樹皮を剥いて、表面が割れないように背割りを入れて乾かせるのですが、生木なので気持ちいいぐらいにツルンと樹皮が剥けます。荒々しい樹皮の下から清々しい滑らかな丸太が現れる瞬間を見るのが好きでした。玄関ポーチの磨き丸太と和室の床の絞り丸太といえば和風住宅のお約束でしたが、今ではほとんど見かけなくなりました。

それも時代の変化で、それに対して嘆いてみても仕方ないのですが問題は残ってしまった丸太たち。鴨居や敷居のようなものであれば再割り加工して削り直して磨くなり塗装すればいかようにも転用できるのですが、背割りがガッツリ入った丸太となると、加工し直して使うというのも簡単ではなく、丸い形にこだわればこだわるほど用途が限定されてしまいます。なるべくならばこの形を活かしたままで別の出口をみつけたいところなのですが、今のところこれといった出口が見当たらず思案投げ首・・・。

直径がある程度小さければまだ用途も広がるのですが、残っているものが末口で直径5~6寸あってそこそこ大きくて逆に使いづらい・・・。だから結局売れ残ってしまったということなのですが、それにしてもこのままで置いておいても仕方ないので、何かしらの出口をひねり出さねばなりません。なんて考えている時が実は一番楽しかったりするのですが!そうこう言っていたら珍しく磨き丸太の注文が入ってきて1本売れてしまったのですが、こういう事があると「非情の決断」にも迷いが生じてしまうのです。

そういう予定外の注文とかに対する何の根拠もない甘えが結局この結果を招いているので、ここは迷ってはいけない。だからといって和建築の伝統である磨き丸太、絞り丸太に希望を持っていないわけではありません。数は減ったといえどもそれを使った現場もあるし、やっぱり家には丸太の1本も欲しいという方もいらっしゃいます。ただしこういう嗜好品は実際に見てみないとその良さが伝わりにくく、手に取って木肌に触れて体感してもらう場所が必要なのですが、松山だとそういう環境はほとんどありません。

高いものになれば数十万もする世界ですから、モノを近くで見る場所がなければ、写真だけとか電話のやりとりだけでは売るのが難しく、見れない→良さが分からない→だから使わないの悪循環に陥ってしまっています。そうなって初めて「今すぐに見せることが出来るモノがそこにある」という在庫のありがたさを実感しました。時すでに遅しですが、考え方を変えれば、これからここで作るものであれば、実際に見たり触ったりしていただく事も可能ということ。アイデアの調味料さえ見つかれば素材はそこにある




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