森のかけら | 大五木材


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扱う量が増えてくると一枚ずつ写真を撮って(当然その頃はアナログなのでフィルム!)それで保管していましたが、遠方には写真もFAXだと真っ黒になってしまうので、時間があるときは写真を郵送!急ぐときはイラストで、と今考えればおおらかでのんびりしていた時代だったと感じます。それが常識だったので、頼めば数日かかるのが当たり前で、今日頼んで明日来るなんて事は考えも及びませんでした。大手でも小手でも当時は遠くの人に木を売ろうと思ったら、描くか喋るかで伝えるしか方法はなかったのです

そのために随分と授業料は払ってきましたがとても勉強になりました。近場で商売していたら、「見れば分かるんだからゴチャゴチャ言ってないでまずは見に来い!」なんて怒られて、木は語るものではなくて見るモノでした。特に四国は橋が出来て本州とつながるまでは、物流が閉鎖的だったので、外部からのモノの出入りが限定的で、なおかつモノだけが入って来て、その背景にあるものまで伝わってきませんでした。仕入れルートが分かるのがよろしくないということで、敢えて意図的に伏せていたのかもしれません。

そういう土壌もあってか、地元ではあまり木の言い回しの語彙も少なく(そこには圧倒的にヒノキとスギがメインで、外的特徴が顕著に表れる広葉樹が少なかったという事情もあるのではないかと思います)、面白いと感じた言い回しや比喩表現はほとんどが県外で教わりました。そういう体験が知らず知らずのうちに木材の多様性に繋がり、【森のかけら】を作る土壌を育んできたのかもしれません。手間も暇もかかりましたが、昔は何とかこの木を商いしようという熱い気持ちだけはビンビン伝わっていました。

 

 

当時、広い市場で商売をしていた木材の営業マンにとって「言葉で木を伝える力」は必要不可欠なものだったはずです。今は簡単にメールで木の容姿が伝わるようになった反面、言葉で伝える必要もなくなってきて、言葉で木を語ることを放棄している材木屋も沢山見かけます。時代は移り変わりましたが、これからは木の姿かたちを伝えるための言葉の力ではなく、目には見えない背景や物語を語る言葉の力こそが材木屋には求められているのではないかと思うのです。若い材木屋諸君、聞いて木を買おう!語って木を売ろう!




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