森のかけら | 大五木材


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少し前のブログで、近所の神社で伐採されたサカキ(榊)の話をアップしましたが、サカキはあくまで「副産物」で、メインは大きなクスノキ(樟。先日すべての伐採も終わり、境内に置いておいた丸太の搬出も完了しましたので、改めてその神社の木の救出の全貌について書きたいと思います。規模だけでいえば、以前に4tユニック車で20数台分ぐらいの『自分史上最大の救出(木はユリノキとモミジバフウ』を経験しているので、そこまでではないものの、材の大きさだけでいえばそれに匹敵する『町の中の大木』の救出劇となりました。こちらが会社から数分の距離にある地元の阿沼美神社です。

愛媛に住んでいると、神社の木というとクスノキというイメージが強くあります。特に樹齢が2600年とも言われ、国の天然記念物にも指定されている今治市大三島町の「大山祇神社のクスノキ群」は、日本最古の原始林社叢の楠群としても有名です。幹周が11m、樹高が15. 6m。その姿を拝むだけでも神々しさを感じます。四国だとどの神社にいっても大概大きなクスノキが鎮座ましましておられて、神社にクスノキが在るのが当たり前のように思ったりしますが、全国的にみると決してそうではありません。むしろ神社にクスノキが在る方が少ないのでは

常用漢字ではクスノキを「」と書きますが、文字通り南方に多く生えている木という意味から木に南と現わされます。それで九州や四国~関西あたりまでは神社にクスノキが植えられている事が多いのですが、東に行けば神社の御神木と言えばスギ、ヒノキ、マツ、ケヤキなどに取って代わられます。古い樹木や巨木の中には精霊や神様が存在すると信じていた古代の人から連綿と受け継がれてきた樹木への強い信仰心は、その地域で大きく育つ木を「依り代」として崇めました。なので地域の環境に適して巨木となる木が神社に植えられていったのだと思います。

そんな大切な神社の木ですから、お話をいただいた時に躊躇もありましたが、これもクスノキ様のお導きとありがたくいただくことにしました。町の中の街路樹や公園木と同様に神社などで伐採された木も行き場(活用できる引き取り手)、が無ければ、一般廃棄物として処分葉に送られます。すべてが信仰の対象というわけではありませんが、神社の境内にあって地元の人々に親しまれてきた木が、伐採された瞬間に「廃棄物」扱いされてしまうのは違うのでないか。神に近い木を捨てるとは竜神様も畏れぬ暴挙!そういう時のために我らビーバー隊が生かされているのだと、勝手な思い込みで出動~!続く・・・




カントリーウッドガーデンさんのカフェの話、3日目。お店の中にはいろいろな種類の木がふんだんに使われていますが、すべて弊社の材というわけでありません。オーナーの菊野君がいろいろなところから集めて来た材を、しっかりと骨までしゃぶって使っています。まさに『モッタイナイをモッタイナクシナイ実践』があちらこちらに施されています。例えばカフェコーナーのカウンターの足元には長さが不揃いな角材がランダムに積み重ねられています。土台や柱などに使われる角材の端材で、加工の工程で大量に発生してしまうものですが、こうするだけで立派な凸凹ウォール!

お見せの外には小さめのドッグランスペースもあるのですが、そこの壁面にもこの身近な角材が使われています。向きを変えるだけでそれなりに違った感じに見えます。大量に在庫があるそうで、使えるところにはなるべく使えの精神!これよく見ると緑色のモノが混じっていますが、これは防虫防蟻の加圧処理を施した証です。住宅の土台に使う際に、表面だけ塗料を塗布するのではなく、大きな窯に入れて圧力をかけて材の中に薬材を注入させるのですが、そうすると材面がこのような緑色になるのです。そうして薬剤処理した材の端材を有効活用。

それらの材をよく見ると表面に沢山の小さな穴が規則的に並んでいるのが分かると思います。これは『インサイジング』といって、防虫防蟻処理をする前に薬剤の浸透性を高めるために、材の表面に傷をつけて、より薬剤を内部に浸透させるためのものです。刃物の形状によって、写真のようなホコ型になったり、小さな穴が開く針(釘)型になったりします。防腐処理する前に施すものなのですが、インサイジングしたが工程上処理前にカットしたものもあるみたいで、いろいろなモノが混じってモザイク柄になって面白い。こういうものは不揃いのほうが断然いい!

なお、これらの角材は個別に販売もされているそうで、正面入口の傍らのカウンターで販売されています。長さも短くて値段もお手ごろなので、庭造りには使えそうです。『モッタイナイをモッタイナクシナイ精神』は天何にも満載で、ドールハウスなどが展示されているケースをよく見ると、これ本物のリンゴ箱だそうです。結構頑丈に作られていて、脚をつけてベンチにもされていましたが、積み重ねれば雰囲気のある棚になります。最近、こういうエイジング材を求めて来られる方も増えています。『森のりんご』も透明ケースでなくてこのリンゴ箱に入れて販売しようかしら?




本日も㈲カントリーウッドガーデンさんが新しく出されたカフェの話ですが、名は体を現わすで、室内外にたっぷりと木が使われています。個人の住宅だとメンテナンス等を考えるとつい二の足を踏んでしまうような使い方が出来るのも、オーナー自らが腕を振るって施工しているからこそ。こういうタイプの商業店舗が沢山増えたら、うちの倉庫で出番を待ちあぐねている変わりモノたちにも出番が巡ってくるのに。そう考えると、菊野君には早いとこ、たっぷり木を使うカフェ2号店、3号店も出してもらわねばなりません!


カフェと言っても、それは店に入りやすいための入口であって、本業は木の家具やドールハウスのミニチュア家具がメイン。店内にもテーブルや椅子が沢山展示販売されています。ひと昔前だと、カントリー家具というと、俗に言うパイン(ロシア産のオウシュウアカマツや北欧産のレッドウッドなど)が主流でしたが、最近はパインからもっと硬質で木柄がクッキリしている『ホワイトアッシュ』などに変わってきているようです。弊社でも以前はよくロシア産のマツを仕入れていましたが、最近は挽き板としての輸入が激減していて、安定的に確保できなくなりました。

ちょうどお客さんの嗜好も変化していた時期なのでソフトランディングでホワイトアッシュやホワイトオークなどの北米産の中・硬質な広葉樹にシフトさせていきました。そのホワイトアッシュに、総被害量立木で1億本とも言われる大規模な甲虫の食害が北米で出て価格が高騰するのではという憶測が流れたという話を以前にブログで書きましたが、その話に急展開がありました。どこまで確実な内容なのか定かではありませんが、この冬北米を襲った10数年来の記録的な大寒波によって、その甲虫(エメラルドアッシュボーラ―)が死滅してしまうのではないかという話。

低温に加え強風が吹いて感温度が-50℃以下に達するとこもあるらしく、あまりの寒さでエメラルドアッシュボーラーの幼虫たちも乗り越えられず一掃されてしまうのでは(しまったのではないか)という推測がされています。これが本当だとしたらエメラルドアッシュボーラ―には可哀想な話ではありますが、木材業者にとっては大きな危機が回避できたようです。地上で無双だと思われていた存在が自然環境によって全滅しリセットさせられる。大きな痛みを伴いながらも自らの力で治癒させてバランスを取ろうとする見えざる力を感じずにいられません。自然は偉大で恐ろしい・・・




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