森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
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20120121 1先日、用事があって日曜日に木材団地に行く事がありました。プレカットの部材を取りに来たのですが、ほぼ無人のプレカット工場というのは妙な雰囲気です。やはり工場は、動いていてなんぼのモノです。プレカットが松山の地でも本格的に稼動し始めたのは今から20年ほど前。それまでは手刻みが前提でしたから、当時は年配の大工さんを中心にかなりの抵抗があり、「あんなモノでまともな家が建つか」と散々な言われようでした。今プレカットが家作りの要と言って異を唱える人はいないでしょう。

 

20120121 2その功罪はいろいろあるのも事実ですが、ただ批判するばかりで現実とますます乖離するばかり。その状況の中で自分の立ち位置を定め、出来ることを実践せねばつまらない批評家になり下がってしまいます。時代に応じていろいろな職種が消え生まれてきますが、時には波に抗(あらが)う事もあれば背中を押す大波に乗れる事もあるでしょう。幸いにも木を扱う仕事は激変する時代の中でも、多少形を変えながらも何とか生き残ってきました。

 

20120121 3決してこの世から「住宅」という産業が無くなる訳ではないから、生き残っていけるというのは事実かもしれませんが、自社がその中に残ることが出来なければ意味がありません。プレカット工場のある木材団地も、20数年前は大きな原木の転がる「木の団地」でしたが、いまや異業種が軒を連ね、木材団地もすっかり姿を変えました。恐らく全国各地の木材団地でも似たような光景が繰り広げられている事と思います。思えば昔は、木からイメージするモノの姿がかなり共通していたのかもしれません。

 

20120121 4そこから連想される材木屋のイメージもほぼ似通ったものだったでしょう。「既存のイメージ」が塗り替えられる中、20数年前に大学生だった私が思い描いた材木屋の姿は、もうこの近くでは見かける事はなくなりました。残す事、変える事、どちらの道むにもそれぞれ「覚悟」がいります。今年の成人式で、成人たちの恩師から贈られた祝辞の中に『人間(じんかん)いたるところに青山あり』との言葉がありました。世の中自分が生かせる仕事は星の数ほどあれど、掴める星には限りがあります。その意は受け取る年代によってさまざま・・・。




20120120 1それでは本日は真面目にヤマドリ工房さんの新作『ブナの友達』シリーズの商品紹介です。そのコンセプトや特徴、ものづくりの思いについては、作者の西嶋孝仁さんがご自分のブログで語っていらっしゃいますので、是非こちらからご覧下さい。この作品は、玩具に適した材の調達に来られた西嶋さんとの出会いの中で、私自身がすっかりその作品に魅せられてしまい、材をお分けする代わりに、是非販売もさせていただけないでしょうかという私の勝手で厚かましいお願いに応えていただいたものなのです。

 

20120120 2そういう意味では私にとっても力の入る作品です。それだけに作者のものづくりの思いも伝えながら大切に販売させていただこうと思っています。ただの「子供の遊び道具」と考えれば決して安くはありません。しかし、昨日のブログでも書きましたが、小さな頃から「本物」に触れる事はお金以上の大きな贅沢でもあります。ひとが長い時間かけて書いた手紙は、長い時間かけて読まねばならないという言葉がありますが、同様にひとが長い時間作ったモノには長い時間かけて遊ぶ値打ちがあります

 

20120120 3それでは改めて『ブナの友達シリーズ』をご紹介。同シリーズには5タイプあるのですが、そのすべてに使われているのが、ヨーロッパビーチブラック・ウォールナットブラック・チェリーカリンの4樹種。胴体に使われているのがビーチ(ブナ)ですが、以前に紹介したグルジア産の肌目の赤いブナです。ブナといえば淡白で精白な肌目というイメージが定着していて、正直その「有効な出口」を探しあぐねていたのですが、出口発見!赤味の肌目が他の濃い色目の木とうまくバランスが取れていて存在感ありあり!

 

20120120 4高級家具材としても不動の人気を誇るブラック・ウォールナットブラック・チェリーそしてカリンを使うなど高価な部材を使ってるように思われるかもしれませんが、いずれも端材をうまく利用されていて、材を無駄にすることなく小さな小さな端材までしっかりと活用されているからこそ廉価で供給できるのです。「力」のある本物の木を使うからこそ出るこの質感!大人の鑑賞にも堪えうるデザイン、そして近未来の乗り物を思わせる天地がリバーシブルなフォルム、タイヤの数でスタイルが変わるシリーズもの・・・。

 

20120120 5童心をくすぐる仕掛けが詰め込まれた「ブナの友達」シリーズは、子供の玩具を越えて、カーマニアのコレクションとしてもおすすめです。かつて我々が子供の頃に夢描いた21世紀には、こういう未来の乗り物が透明なパイプの中を浮かびながら走行する世界でした。あれから時が流れ、明るい希望に溢れたはずの21世紀は、残念ながら「空想の産物」と化しています。しかし思えば、そこに描かれていた世界はどれもが無機質な素材ばかり、夢の世界に木々や森の姿を描いたものは無かったように思います。

 

20120120 62003年には遂にアトムの誕生すらも見送りましたが、自然との調和を欠いた片輪走行の進歩に未来なかったという事でしょうか。我々世代がかつて脳髄深くに刻みつけた近未来の夢の車は、森の木の端材という有機質な素材を利用して「ブナの友達」という形で世に現れました。同い歳である西嶋さんもきっと同じTVも見、同じ漫画を読み、同じ未来をみたことでしょう。だからこそ私もこの近未来的な匂いのする乗り物に「懐かしさ」を感じてしまうのです。

 

20120120 7このフォルムでこの素材で本物の車が出来れて実際に乗れれば素晴らしいのに!人の心にイマジネーションがある限り未来は決して暗くはありません!普段の生活の中にさり気なく自然素材のモノがうまく取り込み触れられるような暮らしが続ければいいのでは。端材の新しい出口ににして、子供も大人も楽しめる木の玩具の進化形『ブナの友達』シリーズは、弊社での店頭販売、イベント等での出張販売の他にも、HP『商品紹介コーナー』にてネット販売も行います。近々アップいたしますので詳しくはそちらをご覧下さい。




20120119 1昨日ご紹介したように、全国各地の作家さんや木の愛好家の皆さんが、弊社の端材から数々の傑作を生み出していただき嬉しい限りなのですが、ここ松山でも傑作誕生!拙ブログにも何度か登場していただいた、同じ「丙午会」の同級生・ヤマドリ工房の西嶋孝仁さん。ブログを日々ご覧いただいている方には、シュールなコメンターとしてこのお名前に聞き覚えがあるかも!実は、出雲大社松山分祠神主さんと木工作家絵本玩具)の二束の草鞋を履かれるマルチなお方なのです。

 

20120119 2その西嶋さんは、絵本玩具製作活動の傍ら神事を執り行い・・・いや冗談!お忙しい神事の隙を見つけては、木工をされているのですが、それが冗談ではなく思えるほどハイレベルな作品を作られています。片手間で作っているようなレベルではないのです!凝り性は丙午年生まれの血なのか?そのこだわりたるや凄まじい!何年か前に初めてお会いした時、見せてもらった当時でも相当なモノでしたが、最近ますます凝り具合に磨きがかかり、作品の隅々にまで及んでいます。

 

20120119 3ただデザインが良いとか、高級材を使っている玩具ならこの世にいくらでもありますが、西嶋さんの作品の素晴らしいところは、飽きれるほどの時間と手間をかけて、子供たちに実際に激しく遊んでもらう鬼の耐久性実験を決行し、「頑丈である木の玩具」を追求し続けている点。木の玩具の本来の役割は、子供たちが手にして楽しく遊ぶ事。床の間に飾っておくオブジェではありません。子供の遊びに遠慮の二文字は無く、時に愛情が残酷な悪魔に変身することもしばしば!

 

_RIM2332「壊さないで~!乱暴に扱わないで~!」は、ヤマドリ印の作品に限っては禁句。だからといって粗雑に扱っても構わないと言っているのではなく、夢中で木の玩具と一体となって遊ぶ子供の心に待ったをかけたくないというのが西嶋さんの気持ちではないかと思うのです。子供が扱い方を躊躇しなければならないようで、どうして子供の遊び道具と言えるのか!西嶋さんから、そんな激しい言葉が返ってきそうです。そんな子供の頃の無我夢中な遊びにも壊れないタフな玩具+デザイン性、それがこの作品。

 

20120119 5決してタフさを売りにしているわけではないのですが、その頑丈であることこそは、子供の遊び道具の絶対条件。小さな頃から「本物」に触れる事で子供の五感は刺激されます。本物の無垢材だけを使い、大人が本気で作る木の玩具、手にとって見ればその真剣度が分かります。今までに膨大な数の試作を作られたきて、私が見ても十分にお代をいただけるレベル(つまり販売に値する)だと思っていたのですが、なかなか本人の納得いく域に達していなかったようで・・・昨年からようやく本格的に販売をされるようになりました。その中で、『ブナの友達シリーズ』と名づけられた作品については、弊社で販売をさせていただくようになりました。それらの作品には、弊社の『ちょこっと端材』のエッセンスも生かされていて、立派に成長して帰って来た我がこ子のような気持ち。作品紹介の前段がすっかり長くなったので、明日に続く!




20120118 1現在いろいろなモノが同時進行していて、しかもそれぞれが仕上げの佳境に入っていて慌ただしく、ホームページの商品などの更新が後手後手になってしまっていたのですが、ようやく『ちょこっと端材』コーナーを更新。公開待ちののスーパーサブはいくらでもあるのですが、こちらの管理が間に合わず端材ファンの皆様には大変ご迷惑をお掛けしております。かつて「木はネットでは売れない」そんな事散々言われましたが、それも遠い過去の笑い話。何もしない人は批判ばかり長けるもの。

 

20120118 2ブログも3年続けてきたお陰で、キーボードの操作はさすがに慣れてきましたが、そもそもメカ音痴なので理屈が分かっているわけではなく応用がまったく利きません。画像の微調整やらサイズの直し、データ管理も膨大な量になり、外付けハードディスクにもかなりの容量が・・・。それでも熱心な端材ファン、木工ファンの方が全国から声をかけていただけると励みになります。【森のかけら】も合わせると、まだお届けしていない都道府県もあとわずかになりました。目指せ全国制覇!

 

20120118 3それで、先日ようやく「新春お買い得セール」(今更ですが・・・)を始めさせていただきました。すぐにお問い合わせが入り、また端材たちは全国各地へ旅立って行きました。通常よりも30~40%ぐらい下げておりますので、ぜひこの機会にお買い求め下さい。端材といえどもご縁があって手に入ったもの、最後の最後まできっちりと「木材」としても使命を全うさせることこそが、それを扱う者の最低限のたしなみです。少しでも高く売りたいのは人情ですが、HP内で塩漬けになるのは本意ではありません。

 

20120118 4 KOKORO-ときめく不定期ですが季節ごとにセールを行って、誰かに喜んで使ってもらえるものに生まれ変わってこそ、木も「材」になった意味があろうというもの。コーナー常連の東京の木のおもちゃ作家・久保進さんから、購入した端材が生まれ変わった作品の画像が届きました。今回初めてブラック・ウォールナットをお使いになったということで、かなりシックで高級感のある雰囲気の作品になっているようです。作品名は『KOKORO-ときめく』①。

 

20120118 5 KOKORO-上の空そしてこちらが『KOKORO-上の空』②。これらの作品は、小田原のすどう美術館の”新春を開く 心ーKOKORO―展”に出品されているそうです。①はビー玉が揺れながら転がり、②は目の錯覚でビー玉が坂を上っていくように見えるとか。是非現物も見たいものです!久保さんから合わせて「いろいろな木に囲まれて幸せです」とのお言葉もいただきましたが、こちらこそ感謝です。端材も収まるべき所に収まって幸せだろうと思います。

 

20120118 6ちょこっと端材』を通じて全国の木工作家さんや木の愛好家の皆さんと会話が出来るようになったのはとても嬉しい事です。今まで知らなかった端材の使い方にも触れ、驚くことも多いです。最近は、樹種・サイズ指定でご相談を受ける事も増えましたが、ご希望の端材は、私も【森のかけら】関連商品などで使う用途があったりと、必ずしもご要望に応じられない事が多く申し訳ない気持ちでいっぱい。それでも『木』という共通言語で瞬時に旧知の友のように話が出来るのは楽しい~止められません!端材の神のお導き!




20120117 1森の粘土」の話は1日で終えるつもりでしたが、アップするのに木粉の瓶を撮影していたら、なんだかこれだけで終わらせるのはもったいなくなったのでもう1日お付き合いください。これら瓶に入っているのは、サンダーで木を削った時に出てくる目の細かな木粉です。中には粗めのサンダーで削った時の粒子の大きな木粉もあります。樹種ごとに名前を付けて瓶詰めしています。「森の粘土」は未だ完成していませんが、実はこれには別の用途もあって、そのためにも大切に保管しているのです。

 

20120117 2それは、木を「あらわし」で使う(木そのものを見せて使う事)場合、抜け節や欠け節、浅めのクラック(割れ)、入り皮などの補修に使います。木粉と接着剤を混ぜて、その部分を埋めていくのですが、どの木にどれぐらいの粗さの木粉をどれぐらい使うかが重要なポイントとなります。弊社のように(無謀にも)多種多様な材を扱う店では、いろいろな樹種に対応させるために、いろいろな色の木粉が必要になるのです。単純にヒノキであればヒノキの木粉が合うという訳でもないのが面白い所です。

 

20120117 3長年にわたる実験(趣味?)の結果、どの木のどういう部位であれば、どの木粉がベストな組み合わせなのかという事を会得。例えば、ヒノキの濃い赤味の節の欠損補修の場合は、「ブビンガ」と「パドック」を配合したものとかいう風に(配合率が肝)、接着剤によって水分を吸収して色合いが濃くなる事まで計算に入れると、その木の木粉そのものよりもベストな組み合わせがあったりするものなのです。節の場合は、節から木粉を取り出すことが難しいので、ブレンド作戦も有効!まあ、業界の人にとっては「常識」なのでしょうが。

20120117 4いつどういうニーズが発生するか分かりませんので、いろいろなブレンド木粉を持っておく必要があります。あまりに物持ちが良いと木粉の中には固まってしまうものも!こちらは、「オーストリア・ハードサイプレス」の木粉です。蓋を開けるとシロアリも逃げ出す強烈な匂いが鼻を衝きます。これは平成20年に採取した4年モノ!まだ刺激的な匂いは残っています。これなどは補修用というより、木の魅力のひとつである「匂い」を味わっていただくためのサンプルです。う~ん、見れば見るほど「木粉の出口」が何かありそうな気がするのですが・・・




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