森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

第10回目の堀江あおぞら市が開催されました。数を重ねてもう10年が経過。多くの地域で異業種交流会が開かれていると思いますが、10年以上の継続している例は決して多くはないと思います。このあおぞら市の開催が10年ということで、主催団体である堀江町とその周辺の2代目、3代目の経営者で作る異業種交流会『オレンジ会』自体は、もっと長く続いています。10年前に、会員である大濱タオルさんが開催していたイベントに相乗りする形で始まったのがきっかけです。

 

堀江港に開催地が移ったのは数年前のこと。それまで堀江町の顔であったフェリーの路線が廃止され、港が本来の機能を失ってそれまでの賑やかさが嘘のように人気もなくなってしまいました。堀江の港に人を呼び戻そうと、それまで前会長の中藤産業さんの本社(現 株式会社スリーキューブ)で開催していたあおぞら市の会場を堀江港に移しました。ちょうど松山市が、老朽化して地面にひび割れ等も目立った堀江港の整備を進めてもらったこともあり、理想的な会場となりました。

 

そういう経過があって今年で記念すべき10年目。当初はオレンジ会の会員のみで行っていました。その中でもメインは、大濱タオルさんのタオル詰め放題などタオルの激安販売と、中藤産業さんの日用品の大特価販売で、まだ開場前の早朝からお客さんが詰めかけるという大盛況ぶり。その後会員の入れ替わり等もありましたが、堀江活性化プロジェクトさんなど地元で熱心に活動されている地域の方々もどんどん加わっていただき、関わっていただく人の数も次第に増えてきました。

 

それで今ではすっかり地元の方にも浸透し、春先のイベントとして開催日が待ち遠しいなんて言っていただけるようになりました。そんなイベントの10年目、天気にも恵まれましたが(今回はおとなの事情で)、イベントの二本柱のひとつである大濱タオルさんが出店されない事もあって例年に比べるとややお客さんは少なかったように感じましたが、弊社の『木の玉プール』には今年も大勢の子どもたちが群がって大盛り上がり。一方、木のモノの販売の方はサッパリでしたが・・・。

 

20160522 5そもそも弊社の場合は、木の玉プールなど木の玩具などに触れてもらい、すっかりプラスティックやゲームに奪われた子どもの遊ぶの中に木のモノを取り戻すことの一助にでもなればとの思いもあって出店していますのでう売り上げは度外視ですが、それでも少しは反応があれば嬉しいもの。新作の『モザイクタイル』を展示していたところ、一般の方からDIYで使ってみたいという事で引き合いもあって多少なりとも今後の手応えを感じることができたのが収穫のひとつでした。




20160520 1主人公ヒュー・グラス並みの執拗さでもう1日だけ映画『レヴェナント:蘇えりし者』の話。この映画のテーマは、愛する息子を殺された男の復讐譚であって、映画の宣伝コピーにも「愛は死んだ。憎しみだけが生きている。」とあります。鑑賞後、決して晴れ晴れしい気持ちになる映画ではありません。徹底的に自然光にこだわった撮影監督エマニュエル・ルベツキの映像の美しさも、完全にタイタニックの呪縛を解き放った鬼気迫るディカプリオの演技も胸に迫る大傑作であることは間違いなし。

 

20160521 2にも関わらず何かひっかかる事がいくつかあったのは、先住民(ネイティブ・アメリカン)の描写。史実ではヒュー・グラスには先住民の妻やその間に生まれた息子はいなかったそうです(グラスはアメリカではかなり有名でいくつもの本が出版されています)。映画ではその妻はかつて白人たちに村を焼き討ちされ殺され、生き残ったのが混血の息子という設定になっています。にも関わらず、グラスたちを襲撃する先住民はまるで白人を襲って「獲物」を奪い取る略奪人のような描かれ方。

 

20160520 3根深い樹種問題を抱えるアメリカでは私などのうかがい知れぬ複雑は歴史的背景や複雑な事情があるものと思われますが、先住民たちは「言葉も通じぬ未開の野蛮人」のごとく銃の標的となって倒れていきます。先住民の襲撃を受けたという形ですが、本来はグラスたちこそが先住民のテリトリーを荒らす侵入者で無法者。自分たちのルールを強引に持ち込んでアメリカ大陸の中で領土拡大を図った時代。先住民の妻の遺した言葉は、白人たちの暴力的支配に対抗する心の教えでもあります。

 

20160520 4グリズリーとのとてもCGとは思えない迫力の死闘(一方的ですが)や、生魚を捕らえてそのまま食ったり、死んだ馬の腹を裂いてその中で寒さを凌いだりとディカプリオの迫真の演技には目を奪われながらもそんな事が気になっていました。元々ここは誰の土地で誰のものだったのか?映画に深みを与える壮大なあの森だって、極寒の川だって。開拓時代にはもっと壮絶な略奪や殺人が繰り返され森や川に持ち主の名が刻まれたのだと思うと、簡単に面白いとは言えない映画なのでした。★★★★1/2




20160519 1本日も映画『レヴェナント:蘇えりし者』についての話。本作は不屈の男ヒュー・グラスの凄まじ復讐の物語という事だけではなくいろいろと考えさせられる事の多い映画でした。亡き先住民の妻が遺した言葉、「強い風が吹くときに木の前に立つと、枝は折れそうになる。けれど地面にしっかり根を張った木は、風でも決して倒れることはない。」は、文字通り先住民たちが自然との暮らしの中で学んで知恵ではあるものの、人生の中で多くの事を示唆する意味深な言葉でもあります。

 

あるゆる事象置き換えられ、受け取る人によってその対象が変わるでしょうが、強い向かい風を受け進むこともままならない時に忍耐強く辛抱し、エネルギーを貯めて逆境を乗り越えていく。言葉の受け取り方はさまざまながら、実際に大木は大雨や台風に見舞われようとその場を動くことなどできません。激しい風にもっていかれそうになる根や枝を踏ん張り、重い雪で折れそうになる枝を支え、それでも悠然と耐え続けます。その格闘の記憶は、伐採後に枝の周辺に如実に現れます

 

20160519 3その痕跡から激しく枝が揺さぶられた様子を思い浮かべるとき、樹という巨大で無口な生き物が内に秘めた生への強い執着と尊厳を感じずにはいられなくなるのです。そういうこともあって、映画の冒頭でグラスたちのハンターチームが林の中で、全住民の襲撃を受けて木々が荒らされ火が放たれる場面では、撮影終わったら早く消火してやれよとか、簡単に傷つけてるけど結構大きな木だそモッタイナイとか、雪の影響でロケ地がカナダからアルゼンチンに変わったそうだけどこれは何の木?

 

20160519 4等々、職業的な視点が飛び出してなかなか集中出来ず。どこまでがカナダロケでどこまでがアルゼンチンか分かりませんが、いずれにしても雪をかぶった大森林地帯を見ていると、日本とは比較にはならない森のスケール感に圧倒されっぱなし。大きな木の元では、大きな物語やドラマ、大きな夢が膨らむなんて言ってしまえばそれまでですが、これを林業とか森林資源なんて同じ物差しで語るのはあまりに空しいということは間違いない。映画のスケールは風景が作る要素が大きい。




20160518 1観ているのが辛く切なくなる悲しくも厳しい復讐のためだけの物語、それが映画『レヴェナント:蘇えりし者』。物語は、西部開拓時代に実在した主人公ヒュー・グラスの不屈の生涯を描いたもので、大まかなストーリーは以下の通り・・・先住民族の土地に入ってバッファローなどの毛皮を採取していたハンターチームは、ある日先住民の激しい襲撃を受けて激しい争いとなり、命からがら脱出するものの、逃げ込んだ森の中でグラスはグリズリーに襲われ瀕死の重傷を負ってしまう。

 

20160518 2砦のある居留地を目指すものの、重傷を負ったグラスを運ぶための担架は雪深い山中では足手まといとなり、このままでは他にも犠牲が出ると判断した隊長は、瀕死のグラスの命も長くはなかろうと、3人の見取り役を選んで出発。残ったのは多額の報酬に目がくらんだフィッツジェラルド(トム・ハーディ)と、グラスと先住民の妻との間に生まれた混血の息子ホークと青年。しかしなかなか息を引き取らないグラスにしびれを切らせたフィッツジェラルドは、グラスを殺そうとします。

 

20160518 3それに気づいた息子ホークと争いになり、ホークは刺されて絶命。身動きの取れないグラスを生きたまま土に埋めてフィッツジェラルドはその場を去ります。愛する息子を殺されたグラスは、息子の仇をとるという一心で死の淵を彷徨いながらも奇跡の復活を遂げ、300キロに及ぶ復讐の旅に出るのです・・・。グラスの意識が朦朧とする中、彼の脳裏には冒頭の妻が遺した言葉が浮かぶのです。「強い風が吹くときに木の前に立つと、枝は折れそうになる。けれど幹はびくともしない。

 

20160518 4地面にしっかり根を張った木は、風でも決して倒れることはない。」私は3時間近い上映時間のあいだ、字幕を負い続ける自信がなかったので吹替え版を選択するという弱き心の人間だったのですが、字幕では「力強く根を張った木を風は倒すことができない。風が強い時は大木の前に立ちなさい。」と訳されていたそうです。どちらが原作に忠実でどちらが意訳なのかは分かりませんが、いずれにしても先住民たる妻が自然の中で学んだ生きる知恵であることに間違いはありません。 




20160517 1強い風が吹くときに木の前に立つと、枝は折れそうになる。けれど幹はびくともしない。地面にしっかり根を張った木は、風でも決して倒れることはない。』哲学的な含みのある詩のようなこの言葉は、映画『レヴェナント:蘇えりし者』の中で出てくる台詞です。 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に続いて、アレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥ監督が2年連続でアカデミー作品賞を受賞したという本作(ちなみに2年連続の監督賞受賞は65年ぶり)。

 

20160517 2実は『バードマンあるいは~』は未見ながら、撮影が『ツリー・オブ・ライフ』や『ゼログラビティ』のエマニュエル・ルベツキということと、主演のレオナルド・ディカプリオが撮影中に鼻を骨折しながらもそのまま続行したとか、生きた生魚を手掴みで捕らえて食った等のいまどき聞かないような昭和の匂い漂うふれこみと、映画館で観た予告編の異常なまでの迫力に魅せられて公開が待ち遠しかったものの、上映時間が156分という長丁場だけに貸切り状態を覚悟して映画館へ。

 

20160517 3そしたら意外にも、10数人(それでも・・・)の客は入っていましたが、公開直後にしてこの有様ですから、東京や大阪などの大都会はいざ知らず日本の地方都市の映画館では封切映画で利益を出すのは、アニメぐらいしかないのではなかろうかと心配になります。まあ、私が選んで観る映画がそういう映画ばかりというだけのことなのかもしれませんが。アメリカでは大ヒットしていますし、日本においてもこの後DVDやテレビ局への二次配給なんかでそこそこ利益を稼ぐのでしょうが。

 

20160517 4こういう映画が映画館でヒットして欲しいと思うのですが、まあ内容からして小さな子供にはかなり衝撃的な描写もありましたので、将来的には『カルトムービー』として語り継がれる要素は十分です。ところで本作は、マイケル・バンクの原作「蘇った亡霊:ある復讐の物語」を映画化したもので、ディカプリオ演じる主人公のヒュー・グラスという人物は、アメリカ開拓時代に実在していた人という事で、映画であるから脚色されているのは当然ながら大筋は史実に近いというから驚き。明日に続く・・・。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2016年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  
Scroll Up