森のかけら | 大五木材


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さて、『イスノキ』に話しを戻します。その解説のプレートには、『ゆすのき 標準和名:イスノキ』とありました。木材業界では、「イスノキ」の名前の方が一般的だと思うのですが、俗称や別名の多さこそが、暮らしに根ざしさまざまな用途で使われてきた木の多様性を物語るものでもあります。解説文には梼原町では自生も見られ、町名にちなみ九州から製材品を取寄せ木材加工の研究をしたり、町有林の複層林の下木として植栽もしているとありました。

以前に旅行した際、鹿児島で植生された立派なイスノキを見ましたが、県内では見た事がありません。在庫として倉庫に眠るイスノキは、上の看板にもあるように私も九州は宮崎県から仕入ています。宮崎県の都城市は木工が盛んな地域で、以前お邪魔した都城木材さんでは、広葉樹の堅木(樫など)を使ったスコップや鍬など器具の柄の加工もされていました。このイスノキの出口として有名なのが木刀ですが、都城市では全国のおよそ8割ほどのシェアを持っているそうで木刀王国

ただその素材の多くは樫(シラカシ、アカガシなど)だそうで、生育量の多くないイスノキは木刀の世界でも貴重なもののようです。特に高齢木のイスノキの芯を使ったものは地元で『スヌケ』と呼ばれ、木刀の中でも最高級材として珍重されています。こんな重硬な木刀で叩かれる事を考えただけで寒気が・・・。今までに幾つものイスノキを仕入れてきましたが、立て掛けるために倉庫に運ぶのにどれほど苦労した事か!もうその見た目だけで、この木がどれほど重たいのかを自己主張しています。

濃いこげ茶色の木肌を磨いてやれば惚れ惚れするほどの滑らかさなのですが、硬さも半端ではありません!こちらはそのイスノキで作った『森のりんご』。釘すらも曲がってしまうほどに強靭なイスノキをよくぞここまで見事に加工してくれたものです!荒材の時にはその鋭いそげらに何度も泣かされたものですが(刺さるともの凄く痛い!)、こうして曲線になるとその滑らかさ、そしてズシリと掌に伝わる重さは尋常ではありません!美しいものには棘あり!




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