森のかけら | 大五木材


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本日も『日本で最も重たい木の1つ・イスノキ』の話しです。この重硬な木は、建築の現場ではあまり、いやほとんどお目にかかることはありません。余程上質なものがあれば、床柱床框など床の間の装飾に使われる事が稀にありますが、愛媛に限っていえば私は未だ住宅にイスノキが使われている現場を見た事はありません。中には「キツツキ館」に鎮座ましましていたような大きなイスノキもあるのでしょうがそんなものはレア!家具材としても量が揃わねば使いづらいものです。

ではなぜそんな材を仕入れているかといえば、これはもうきっぱりと『材木屋の好奇心』のみ!世界中の木を見てみたい、触ってみたいという好奇心です(どちらかと言うと、立木よりも材としての木。つまり製材された材の方への気持ちが強いのですが)。そのために仕入れるなんて道楽だ思われるかもしれませんが、決してコレクションとして仕入ているわけではありません。実際にこの目で見て、触れて、担いで、削って、塗装してみないとその特性を知ることは出来ません。

そこから、その木に適した出口を探していくのですが、すぐに出口が見つかるというわけではありません。木によっては数年、10数年かかる事も。いつ上の方から啓示が降りてくるのか?これも人とで出会い、モノとの出会いなのですが、未だ道に迷っているばかり・・・。倉庫にあるイスノキは長さが3mあり、体調のいい時に覚悟を決めて臨まないと簡単には動かす事も出来ません。今回も明るいところに移動させて写真を撮ろうと思ったのですが、肘の調子が悪いのであえなく断念・・・。

このイスノキ、生垣や庭木、公園木として植栽されますが、材は木刀だけでなく、櫛や楽器、器具、ステッキ、寄木細工にも使われます。またその灰は「柞灰(いすばい)」として陶磁器の釉薬にも使われるそうです。時々、イスノキ=椅子の木なんですか?と訊ねられる事があるのですが、そうではなくてこの名前の由来は琉球の方言に由来したものだそうですが、詳しい事が分かっていません。四国や九州の一部では『ユスノキ』とか『ユス』とも呼ばれることもあります。


それは古名のユシノキ(由之乃支)の通音と考えられているようですがはっきりしません。また『ヒョンノキ』なる変わった別名もあるのですが、それはこの木の葉っぱにアブラムシ類が寄生して作る『虫えい(虫こぶ』が出きるのですが、成虫が出た後小さな穴が空いて空洞になります。その穴に唇を当て笛のようにして吹くとヒョウヒョウと鳴る音に由来しているようです。 その虫えいはタンニンが含まれているので染料としても利用されます。硬く引き締まった木にはなにひとつ無駄がありません!




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