森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE昨日『WOOD JOB!』の話から『火まつり』に行ったまま返ってこれなかったので、原点に戻って『WOOD JOB!』の話。映画が描かれる緑の研修生制度は実際にもあって、全国の林産地では沢山の方が森で汗を流されていることだと思います。その方々も多かれ少なかれ映画の主人公と似たような経験をし、似たような感想をお持ちになっていることでしょう。人それぞれ応募の動機もまちまちでしょうが、そのまま実際に林業に従事される方がどれぐらいいるのかは分かりません。

 

20140513 2映画でも伐採された100年を超える高齢木が高値で競り落とされる場面があり、それを見た青年は「この山全部伐ったらどれだけ儲かるのか~」と驚きますが、やり方によっては林業は儲かる仕事でもあります。しかし、林業をするという事はつまりは山に住むこと。隣の家にでも土足で踏み込みあう田舎での暮らしを受け入れるということでもあります。映画の主人公と同じく都会の人にとって、「仕事としての林業」は受け入れられても、「暮らしとしての林業」受け入れがたい事かもしれません。

 

20140513 3田舎で暮らすうえで避けては通れない地元の人との軋轢、よそ者への差別、伝統儀式の不可解なしきたりなどの「通過儀礼」も嫌らしくなない程度に描かれていいるのですが、軟弱で意思の弱い主人公が幸いして陰湿な印象はありません。恐ろしかったワイルドな先輩・ヨキ(伊藤英明、サイコ~!!)との間にも少しずつコミュニケーションが生まれ、次第にその存在が頼もしくなってくるところはとても他人事とは思えず胸が熱くなりました。実際の森ではこういう人が本当に頼りになるのです。

 

20140513 4伊藤英明の杣人ぶりは素晴らしくて、こんな格好のいい林業家がいればもっと山に目が向く女子も多くなることでしょうが、それがただの二枚目でなくて、素行が悪くて女にだらしない、山の男であるところがまたいい~!森は、田舎は決して詩人君子の住むところではありません。排他的で保守的で、ねたみやそねみの蔓延する日本民族の原点でもあります。映画でもいろいろと癖のある人物が描かれます。それでも決して根っからの悪人は登場しません。もの静かながら熱く林業を語る中村林業の親方(光石研、名演!話が説教臭くなってないのもいいです〜!)も、何かを振り切った感のあるヨキの嫁(優香、快演!)、どんな格好をしようとも美しさとは内面から溢れ出るモノなんだと実感させられたパンフレットの美女(長澤まさみ、好演!)などなど。

 

 

20140513 5誰もが小さなドラマを背負いながらも、決して白黒とハッキリ決着をつけずに「なあなあ」で均衡を取っている、それがこの神去村のひとびと。大筋のストーリーは別のことながら、神去村のひとびととの口から発せられる言葉で、不覚にも何度か涙をこぼしてしまいました。それは、主人公のようにあまりにも無知で世間知らずで、主意もなく流れるままに身を委ねてこの業界に飛び込んできた自分に言われているようで胸の奥の方に懐かしく響いたから。その涙もサッと笑いに変えてくれる愛すべき村人たち。別れの場面で交わされる「さようなら」はこだまのように響き合い、森に消える列車と共に忘れがたき名場面です。是非、次は子供たちと一緒に観たいと思っています。木を愛し、森を愛する、木に携わる全国の杣人、木材人必見の作品です!自分たちの関わっている仕事がどれだけ尊く、楽しく、意義があって、素晴らしいものであるのかを見つめ直す機会となります。中年も大志を持って大木を抱こう~!!




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