森のかけら | 大五木材


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20140518 1先日、弊社の創業40周年の事をアップしましたが、私の周辺には4代目、5代目とか創業100年を超える企業の友人も多く、弊社の40年などまだまだよちよち歩きなのです。その中でも愛媛の木材業界の老舗中の老舗である、盟友・井部健太郎君の久万造林㈱創業100周年記念 の祝賀会があり私も参加させていただきました。祝賀会は、愛媛木材青年協議会主催で、久万造林さんとお付き合いのある方々がおよそ60人も集まるという大盛況で、連綿と100年続く歴史の断面が伺えます。

 

20140518 2久万林業の起源は古く、健太郎君のご先祖様であり初代の久万造林社長である井部栄範さんが明治6年(1873)に久万の地にスギ・ヒノキの苗木を植林したのが始めだとされています。その後、大正3年(1914)に「久万造林株式会社」が設立され、現在は390町歩もの所有林を持つ、愛媛でも指折りの林業会社となっています。栄範さんは和歌山市生まれですが、年少の頃に仏門に入られ、明治の初年に師事した師が久万の住職となられる際に、師と共にこの地に移って来られました。

 

20140518 3当時の村に150の世帯があったらしいのですが、1ヶ月に一軒の家で200本の苗を植えれば、1年間で3万本、10年すれば30万本の木が植林でき、それによってそれぞれの家庭で財産形成が出来るとの思いで、植林を奨励しました。栄範さんに先見の明があったのは、貧困に苦しむ地方を支える根幹に大規模林業を置いた事。そこには、それこそ50年先、100年先の地方産業の姿を見ていたことでしょう現在の久万の立派なスギ・ヒノキは、当時の村を挙げての植樹活動が礎となっているのです。

 

20140518 4ただ木を植えただけでなく、その売り先までもしっかりと視野に入れていました。植林に成功したスギ・ヒノキの販路を拡大するために、久万から松山までの道路開拓が急務との考えから、自ら県会議員に立候補し当選後、道路建設に東奔西走。その結果、現在の国道33号線が開通し、久万林業は飛躍的な発展を遂げることになるのです。そういった背景を知っているからこそ、これだけ多くの木材関連企業が集まったわけで、いわば久万の林業は愛媛の林業が戦後から歩んできた縮図なのです。

 

 

20140518 5多くの井部家の人間が携わってきた歴史の100年目に当主を務めることになった健太郎君は、ご先祖たちの意思を受け継ぎながらも、自社の広大な山林のデータベース化や林業の観光化など林業に対する新しいアプローチに取り組んでいます。閉鎖した自社工場を改造して近いうちにカフェもオープンさせる予定で、従来の『山持ち林家』のイメージを大きく変えようとしています。栄範さんのDNAを受け継ぐ健太郎君だからこそ、これから先の100年の林業の事を誰よりも強く考えていることでしょう。




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