森のかけら | 大五木材


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建築用材としては、愛媛ではあまり馴染みの薄い『カツラ(桂)』の木ですが、弊社では日頃から大変お世話になっている木のひとつです。「カツラは木綿の肌触り」という言葉がありますが、カツラは仕上げ加工しても触るとちょっとザラザラゴワゴワした木綿のような独特の触感があります。木綿の対義語として使われる「絹糸」の触感を持つ代表格の木にトチ(栃)がありますが、そちらはまさにサラサラツルツル。その2つの木を並べて触り比べてみると、その差は歴然としています。

こちらがカツラとトチを並べてアップで撮った写真。画像だと質感までは伝わらないかもしれませんが、雰囲気の違いぐらいは分かっていただけると思います。トチには縮み杢など木目の変化が出やすく表情も豊かで、いつまでもいつまでも触っていたくなるようなそのツルツルした触感に心が持って行かれそうになりますが、カツラの少しザラットしながらも心が落ち着くような感触も捨てがたいのです。なにせ『人間の体温にもっとも近い』とも表現される手触りに安心感が漂います。

木綿の肌触り・・・「木綿」という言葉を聞くと、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」という曲を思い浮かべるのは昭和世代(ちなみに1975年の曲です)。作曲:筒美京平、作詞:松本隆という黄金コンビが作った大ヒット曲で、東京に旅立つ男性と地方に残る女性との遠距離恋愛を、視点が入れ替わりながら進行するという斬新にして抒情溢れる名曲です。4番まである長い歌なのですが、その4番の最後に女性が未練を断ち切るように男性にねだるのが木綿のハンカチーフです。

当時は「ぼく」、「あなた」と視点がクルクル変わる構成の意味も、木綿のハンカチーフがどういうものなのかも分からなかったのですが、ハンカチーフなんて独特の言い回しがオシャレっぽく感じて口ずさんでいたものです。この歳になると、木綿という素材にまで言及した歌詞の奥深さが心に響きます。シルクでもリネン(麻)でも無い木綿という素材を選んだのは彼女の心の純真さ、素朴さなのか、普段使いで浸透性のよい木綿を「私という過去」と見立ててたのか、何とも切ない曲です。続く・・・




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