森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE午前中に製品はすべてセリが終わり、昼食を挟んで午後からは原木のセリが始まるのです。今回は製品が目的でしたので、午後からは『今日のかけら』などに使うための画像撮影に専念。ここまで内外の広葉樹の原木が一堂に見ることの出来る機会は貴重なので、あれもこれもと撮っていて気が付いたら1日で800回もシャッターを押していました。整理するだけでも大変ですが、貴重な体験です。今後徐々に樹種紹介の折りに、原木の画像もご紹介させていただきます。

 

Exif_JPEG_PICTURE今回の岐阜の銘木巡礼は、10回を超える大長編となりましたが、この出張で得たものは仕入れた貴重な材だけでなくさまざまな種類の原木とのリアル対面。【森のかけら】で240種の木を扱っているとはいえ、そのほとんどが挽いて乾燥した材との出会いなので、製材所ではない弊社にとって源流たる原木を見る機会は極めて少ないのです。そういう意味で、内外のいろいろな樹種の「元の顔」が見れたこと、カメラに収めれたことは非常に嬉しいことでした。

 

Exif_JPEG_PICTUREまたフェイスブックなどを通して、ほぼ毎日「会話」しているといってもいい先輩・友人ですが、こうして実際に会って話すのはやっぱりいいものです。北信越のかけら大使・村本喜義さん㈱ムラモト代表取締役)㊧、角永善隆くん㈱角永商店代表取締役)㊨、今回のアテンド役で大変お世話になった橘明夫くん㈲橘商店代表取締役)、そして橘の親父さん、何か動き出す予兆のようなものを感じたのは私だけ?このネットワーク活かさない手はないと思います。

 

Exif_JPEG_PICTUREまた嬉しい出会いもありました。以前に【森のかけら】をご購入いただき、名前だけは存じ上げていた木又工務店二代木又誠次さん㊧も市に来られていて、明夫くんの友人だったという事もありご挨拶して急接近!更に、以前に【森のかけら】の中の『トガサワラ』にする材を仕入れさせていただいていた『栂屋』こと㈱塩野商店塩野和貴さんも明夫くんの友人という事で合流。明夫くん、持ってるね~!

 


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この御三人、歳も近いという事でよく集まって酒を飲んだり話もしているとか。これはまた大阪に行く楽しみがひとつ増えました!もういい歳になったので、お酒を馬鹿ほど飲むこともなくなりましたし、お姉ちゃんと飲むのもあまり肌が合わず、カラオケも苦手なのでパス。美味しい日本酒をちびちびやりながら、木の話を始めると次第に興奮してついつい大声で語り合う、そんな飲み方を欲するようになりました。気が付けばもうすぐ50歳。何も知らずこの業界に飛び込んで四半世紀が過ぎました。それでも木の事は分からないことだらけ、すべて知るには残り時間は足りませんが、死ぬまで楽しみはまだまだ沢山残っているとも言えます。ここで木の大好きな仲間と木の話が出来るという幸せを噛み締めながら、これから先も木と共にありたいと強く思うのでありました。銘木巡礼これにて完。

 




20140222 1いよいよ翌日は早朝7時からセリスタート!まだ周辺が薄暗い中、我々一行は市場へ。市場の近くにはホテルが1つしかないので、市の前日は宿泊客のほとんどが木材関係者らしく、我々以外にも多くの車が一斉にホテルを発ちます。さすがに7時前だと肌寒さはありましたが、前日その圧倒的なボリュームを下見していますので、それら全部を競るためにはこの時間からスタートせねば1日で終わらないというのは理解済み。全国各地から木材関係者と木工作家さんが今や遅しと待ち構えています。

 

Exif_JPEG_PICTUREさあ、セリの開始!まずは、土場に所狭しと並べられた小物や特価品コーナーからスタートするわけですが、この辺りは個人の木工作家さんたちにとって喉から手が出るほど魅力的な品揃えと値段。大物は後に控えているのですが、いろいろな樹種を揃えたい私にとってはこの辺りにも下見をした材がゴロゴロ。しばらくセリの雰囲気を観ていて、途中から本格参戦。生材ですのですぐには使えませんが、思惑よりも案外安かったので、目星をつけておいたものにはとりあえず手を挙げていきました。

 

Exif_JPEG_PICTUREまあこの辺りの材は単価が安いので少々買っても金額は分かったものですが、時間と共に大物に近づいていくと価格も1桁、2桁上がっていきます!特に長さが4mとか、幅が1m近いものになると1枚で数十万円になりますので、調子に乗って手を挙げてると百万円あっというなんて間!さすがにそこは下見という自制心が働いて、無謀な買い物はしません。でも折角だから相場も見ておきたいと、セリが倉庫の中の大物になっても、競り子の近くで見ていました。

 

20140222 4倉庫の中にも多数の材が立てかけてあって、その間の狭い通路を買い方が押し合いへし合いせめぎ合うのです。たまたま相場伺いの私もその集団の最後尾にいると、その輪から少し離れた様子見の業界通っぽい方の話し声が聞こえてきました。「狭いから本気で買うやつしか近寄れん。この顔ぶれ見てみろ、そうそうたる連中ばっかりや。」後から聞けば、木材関係者ならば誰でも知っているであろうビッグネームの仕入れ担当の猛者たちがズラリと揃っておりました。

 

Exif_JPEG_PICTUREそんな名だたる大企業とも平等に戦えるのがセリの醍醐味!しかしその醍醐味を味わえる時間は少ない・・・なにせこちらの軍資金は限られていますので、大資本企業様のように端から端まで大物の材で競り合うことなどできようはずもありません。せめて狙いの材数枚で、一矢報いるのが関の山。それでも値段を出せば落とせるのがセリの魅力であり、麻薬。『競り勝った快感』に徐々にテンションが上がり・・・いかんいかん、自制心のブレーキをベタ踏みだ〜!!

 




Exif_JPEG_PICTURE数多ある材の中から狙いの材を見つけ出して、値踏みをしていきます。思わぬ拾いものもあったりして、これも欲しいあれも欲しいと手元のメモもすぐに一杯に・・・まあ、こういう『妄想買い』している時が一番楽しい時間でしょう。話に聞いていた通り、内外の様々な広葉樹が無造作に積み上げてありますが、この辺りは個人作家の方でも買いやすい優しいボリューム。パープルハートウェンジ、サぺリ、マンソニアなどがさり気なく並んでいるところがこの市場の凄さ。

 

Exif_JPEG_PICTURE橘明夫君も親父さんと一緒にめぼしい材をチェック。その光景を見て、そういえば昔よく私も父親と一緒に市場に買い付けに行った事を思い出しました。今から20年以上も前の事で、主に高知などの市場に行っていましたが、その頃は関東や大阪、名古屋あたりからも名うてのベテラン材木問屋が多数参加していて、若手がセリの人混みに近寄ることなど出来ないような雰囲気がありました。敵同士が腹の探り合いをする会話にも何となく「大人の凄味」を感じていたものです。

 

Exif_JPEG_PICTUREセリの場においては「若い」という事が決してプラスには作用しないと、その頃肌で感じ取っていました。しかしそれが四国という保守的で、血が入れ替わることを極端に嫌う排他的な地域性に拠るものだと分かったのは、その後中国や九州、中部、関東などの市場に出向くようになってから。市場への人の出入りが激しい活況ある市場では、若くてもベテランでも買える基準は「価格」のみ。ベテラン価格というのは多少あっても基本的には「顔で買う」という慣習はありません。

 

20140221 4まあ、今自分がそう感じるのもある年齢になったからで、やはり若手の材木屋の中にはベテラン特権を感じている人はいるのかもしれませんが・・・。今回、木に対して、今の時代に生きる木材屋がどう進むべきかという点において、同じ方向性を持っている先輩・友人と一緒に市に参加できたことでいろいろな事を考える契機にもなりました。ただ木を買うという事以上に出来る連携が何かありそう。取扱い樹種がリンクしていると、おのずと連帯感も強くなってくるもの。




Exif_JPEG_PICTUREそもそも材木屋が木を見て、「この木が俺を呼んでいる」なんて言い出したらもうアウト!それは仕事を離れた趣味の境地。私なんて、ついついその境地に陥ってしまいそうになる自分にいつも活を入れて正気に戻しています。それで気が付いたら、もう手元(倉庫)にその木があって・・・なんて白日夢のようなことが、本当に起こってしまう事が怖い・・・。胸に手を当てれば恐らくそんな経験が2度や3度ではないだろうというのが、今回の銘木ツアーの個性派揃いの面々。

 

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市場に行って買う時はほとんど独りなので、今回みたいに他県から(愛媛・大阪・石川)現地集合で集まって市場に行って買付するのは初めての経験。それぞれの狙いは別々で、共同で仕入れるとかいうわけではないのですが、こうして仲間と一緒にセリに参加して、あれが買えたこれが買えなかったとワイワイ話が出来るのは楽しいもの。セリを通じて知り合いになる人もいて、これこれこういった木がどこにあるとかないとか、熱気のある市は格好の情報交換の場でもあります。

 

Exif_JPEG_PICTURE例えばこちらのような巨大な材があった場合、4人も材木屋が揃うとこの1枚の板だけでおかわり3杯はいけるほどに盛り上ります。これより大きい板を見た、うちにはこれに負けないぐらいの板がある云々。そういう話を熱く話すいい歳をしたオッサンたちが私は大好きです!ちなみにこちらの木は、長さが6m超で、幅は大の大人(角永君)が両手広げたぐらいの巨大なもの!材の雰囲気からウエスタンレッドシーダーだと4人で結論。勿論私たちは買っていませんよ!

 

Exif_JPEG_PICTUREよく誤解されますが、木も大きければいくらでも大きい方がいいというわけではありません。もの(材)が売れるには売れるだけの需要があるわけで、1枚板のテーブルであればほぼ畳1枚分が一般的な適性サイズ。それを超えると、材としての価値はあったとしても需要が極端に下がるのです。しかし、適性サイズを王道とするならば、その王道から脇に逸れた「あぜ道」を行く私にとって、へんちくりんなサイズこそが私の「規格」!ならば私が買うしかないのか~!こんなの買っても置くところがない、と顔では笑っていたものの、実は誰かが手を挙げなければ、置ける置けない、売れる売れないなどは別次元で、思わず手を挙げてしまいそうになっていたのです!寸前のところで私の中の『リトル高橋』が正気に戻り、あやうく事無きを得たという壮絶な格闘が私の中であったという事を同行したメンバーは知るよしもない・・・。

 




20120219 1銘木巡礼の旅は終わったわけではありません。むしろここからが本番です。岐阜銘木協同組合の次に向かった市場の方が私の本命なのです。それがこちらの『平野木材㈱』さん。岐阜名協さんが、をはじめとした国産材の銘木中心の市場(外材もそれなりにあるのですが圧倒的に国産材優位)とするならば、平野銘木さんは内外のいろいろな広葉樹を中心とした材が集まる市場なので、私としては大変ありがたいのですが、そういう市場は今ではとっても貴重。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE相当寒いと聞いてがっつり着込んできたのですが、天気にも恵まれむしろ愛媛よりも暖かいぐらいでした。翌日の市日を控え既に準備万端。広い土場をいろいろな樹種のいろいろなサイズの木が埋め尽くす光景は圧巻です!絶対に前日から下見しとかないと、当日いきなり来て買おうと思っても思ったものが買えませんよと、聞いていたので市日の前日入りしたのですが、確かにこれだけのボリュームがあれば下見は必要。こんなに広葉樹が並ぶ市場の光景は久しぶり!

 

Exif_JPEG_PICTUREそれだけでもうかなり興奮!今どきのことですから、わざわざ現地まで来なくとも、欲しいサイズや樹種、グレードを伝えておけばそれはそれで仕入れることも出来るのですが(また、そうしないと私のような人間は見たら見ただけ欲しくなって、必ず余計なものまで買ってしまうのです)やはり自分の目で見て買いたい!先のような症状のある人間なので、この数年間は自分自身で市場に出向くことを断っていました。まずは在庫にあるものから売っていこうと

 

 

Exif_JPEG_PICTUREしかしどうにもその欲望が抑えられ無くなり、その禁を破ってまで来たわけですから、そこはそれなりのものを持って帰らねば遊びじゃないんだから!という気持ちと、いやいや今どうして必要に迫られている材があるわけではないのだから、あくまでも勉強のため、木の画像撮影のためなんだ、差し迫って必要の無いものは絶対買っちゃダメだ!と言い聞かせようとする『ふたりの自分』が頭の中で葛藤!ここに来るまでの間に相当激しいバトルがありました。

 

 

Exif_JPEG_PICTUREなぜ、そこまで仕入を控えようとしているかというと、在庫が過剰にあるということも勿論なのですが、基本的はこちらの市場にあるものは『生材』だからです。つまり今買ったからといって、持ち帰ってすぐに使えるわけではないのです。人工乾燥機に入れて強制的に乾かすとい手もありますが、天然乾燥させるのであれば、ものにもよりますが2〜3年ぐらいは寝かさなければならないものが多く、それがまた在庫となってしまうため資金との相談となりのです。

 

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当然弊社のような零細企業は資金力にも限りがありますので、いつ売れるかも分からないような材にいくらでも資金をつぎ込めるわけではありません。当面の運転資金のやりくりなどを考えると、すぐに必要のないものには無理に手を出さないというのは「鉄則」なのですが、その鉄則が守れないからこそ自分が自分に科した「市場に行かない」という掟。しかし、来てしまって、こんな大きな木を見てしまうと、その掟が緩んでいくのが自分でもわかるのです。嗚呼・・・




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