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今回猛獣ショーの舞台は、中国・四国地区の行政担当者による中国四国デザイン会議という事で、中国と四国からデザインによる企業支援を仕事とされている方々のお集まり。そんな方々を前にして、私などがデザインについて語るなどとはあまりにもおこがましい話なのですが、材木屋にとって弁護士事務所並みに敷居の高いデザイン事務所の扉(!)を叩き、いかに恐れをなくして付き合えるようになったのか(!)という地方の零細材木屋の実体験ならば、お手のもの。
猛獣、いや発表者の一人である有高姐さんとは久しぶりの遭遇でしたが、しばらくご無沙汰している間に素敵な新商品が沢山生み出されていてビックリ!私が今更言うまでもないことですが、有高扇山堂さんは全国でも少なくなった伝統的な水引(贈答品や封筒などにつけられる飾り紐)を製造されているのですが、伝統に縛られることなく自由な発想で水引をアレンジ、進化されています。現在開発中のメッセージカード付きポチ袋なんて楽しくて美しい~!
特に千鳥の家紋柄などもあって、何だか共感を覚えます。いずれ有高姐さんとは何らかの形でコラボさせていただきたいと考えています。結局、各人の持ち時間15~20分という想定は完全無視!高瀬君が得意のガンダム引用で暴走したのを契機に、私も45分近く喋ってしまい暴走の連鎖!しかし、それでも真髄は収まり切らず、いつものごとく懇親会で声を張り上げながらの熱弁へと流れ込むのでした。伝わる伝わらないといよりもただ喋りたいだけとも・・・
中四国地区のいろいろな方とお話をさせていただいたのですが、その中で嬉しかったのは、既にうちの事務所には【森のかけら】がありますと言われた事!そんな企業泣かせの言葉をかけていただいたのは、鳥取県産業技術センターさん。たまたま今年の夏に家族で智頭杉、鳥取砂丘、わらべ館など鳥取への小旅行に行っていたこともあり、鳥取の話でも大いに盛り上がりました。こういう事も実は偶然ではなく、会うべくして会った、行くべきして行ったという運命のようなものを感じてしまうのです。
だってその方が楽しいじゃないですか。それを偶然と感じるか、ご縁と感じるかによってモチベーションは大きく変わってきます。特に私のような単純な人間にはそういう事が泥船に乗る大きなきっかけとなったりするのです。それが泥で作られた船で、どこに進むのかすらも分からない、それでも飛び乗ってしまうのは、人生一度きりだから。そんな企業をよりよく理解していただく基本の基本、それは企業の商品に惚れる事。そうなればもはや支援どころではない、既にファン。ファンは裏切らない!
本日は、松山市内中心部に位置する「坂の上の雲ミュージアム」にて、ある男の企みに参画。ある男とは、菜の花の咲く坂道を雲の上に向かって歩いていく、【森のかけら】のフィクサーこと藤田雅彦氏(愛媛県産業技術研究所技術開発部主任研究員)。そしてその企みとは、中国四国地区の行政担当者の方々の前で、自分たちが経験した『愛媛式ものづくり・泥船への乗り方』を話すこと。このお方に頼まれて断る理由を探す方が大変。私がそういう役に適任なのかどうか?
そんな事は私の考える事ではないのです。猛獣がどうのようなものなのか一番分かっているのは猛獣使いなのです。猛獣は選ばれた舞台で力いっぱいあばれるのみ。その暴れっぷりもすべて猛獣使いは想定済み。今回その猛獣使いが選んだステージは、『四国経済産業局主催による行政担当者中国四国デザイン会議』。選ばれ猛獣は、㈱地域法人無茶々園・yaetocoの高瀬英明君、㈱有高扇山堂の有高智桂代姐さん、私とそして、猛獣飼育の達人・エスデザインスタジオの佐野勝久さん。
さすがに猛獣だけではショーにならないので、分別あるメンバーも取り揃えているのが猛獣使いの猛獣使いたる所以ですが、高瀬君とは『えひめのあるくらし』で現在進行形の関わりがあり、有高さんとは以前に『えひめのいいものを世界へ~loopto』で関わらせていただいており、こういう形で各分野の猛獣たちと(畏敬の念を込めて)顔合わせが出来るのも『フジタ猛獣ショー』ならではの醍醐味。そういう人ですから当然、猛獣使いも猛獣以上に目立とうとします。
まずは自分が喋る、いや自分のショーなんだから自分が喋らずにどうする!という勢いそのままに、自らが露払いをして会場を温めるところが芸達者!まあ、それも猛獣たちにとっては見慣れた光景。しかし本日その猛獣ショーを観覧されているのは、中国四国地区のデザインを軸とする行政担当者の皆様。果たしてそんなまともな方々相手にこのショーは理解されるのか?共感を得られるのか?ところが猛獣たちは、そんなことはお構いなしで、暴れたいように暴れるだけ!
果たしてその結果はどうだったのか?会議が終わった後のこの笑顔がすべてを語っています。 あなた方は何がそんなに楽しいのか?それは、大手のビジネスモデルにあてはまらない地方の零細企業の猛獣型ビジネスを、堂々と胸を張って喋らせてもえらえる場面を与えてもらったから。そういう生き方もあるんだと、認めてくれる人が身近にいるから。それが自分に無理がなくてとっても心地よいから。乗っているのは泥船でもその船が沈むなどとは微塵も考えたことがないから。パーティーは終わらないと信じているから!
★今日のかけら・#001【青森ヒバ】 ヒノキ科アスナロ属・針葉樹・青森産
青森ヒバについては特別な思い入れがあります。まだごく普通の材木屋であった頃(!)、国産材に関してはそれまでほとんど愛媛あるいは四国の木しか扱っていませんでした。その後『覚醒』してからは、全国の木を扱いたいと思うようになるのですが、真っ先に頭に浮かんだのが日本三大美林の一角『青森ヒバ』でした。ほとんどミーハー気分で飛びついただけだったのですが、当時の私からすれば青森ヒバは雑誌や図鑑でしか見ることしかない木のひとつであったのです。
それぐらい名前の知れ渡った一大ブランドなのですが、この木について私なりに昔から特別の秘めたる思いがありました。それは昔ある雑誌で読んだ言葉なのですが、「腐りにくくて強いから土台に使う。昔からずっと青森ヒバに対するフィロソフィア(哲学)はそこで留まったままだ。」確かこういう内容だったと思うのですが、要はもっと他にも青森ヒバを活かす努力をしてみたらどうかという提言であり、その潜在的な可能性を示唆するものでありました。
当時の私にはひばを実際に使った経験も浅く、そのほとんどが腰壁や天井材でしたので、自分の耳にも痛い言葉であったのと、ヒバに限らずいろいろな樹種の新たな用途を考えてみようと思わせるきっかけになったので強く印象に残っているのです。それでもたまに使う青森ヒバの壁板が届いて箱を開封すると、鼻の奥をくすぐるような爽やかなライムのような香りに包まれ、商品に青森県の香りがついてきたようで妙に嬉しくなって、その瞬間がとっても楽しみでした。
その当時は、地元に無い珍しい材を扱ってみたいという好奇心がほとんどで青森ヒバにも手を出したのですが、これが後にもっと沢山の世界中の木を見てみたい、触ってみたいという【森のかけら】へと暴走していくきっかけだったのかもしれません。最初の頃は、とりあえず本で読んだ解説などに従い、耐湿性に優れた青森ヒバの特徴を活かして水回りや脱衣室、トイレなどの腰壁に提案をさせていただいておりました。現場で養生を剥がすと、また香りが漂ってきて、その頃『香り』という材の特質にも関心が向くようになったのも懐かしい思い出です。その後、主に住宅の内装材として青森ヒバを使ってきましたが、私の場合は土台というよりも、水や湿気に強いから水回りというフィロソフィアから抜け出せずにいます。それが反動となって、後に青森ヒバの挽材に手を出すことになるのですが・・・
それまでヒバといえばこの辺りでは『イエローシーダー(米ヒバ)』しか流通していませんでしたので、かなり強烈で鼻をつく刺激のあるその匂い(あえて香りではなく匂い)からは、木の香りが商品特性として訴求性のあるものだとは考えてもみませんでした。それが青森ヒバとの出会いでおおきな変化が”!そういう思いもあって、『今日のかけら』で取り上げる際にはぜひ1つでも多くの青森ヒバの施工写真も添えたいと考えていたので、今頃になってしまいました。明日へ続く・・・
※この項のタイトルは、生前に布施明の『シクラメンのかほり』が大好きであった母に捧げて。
店舗のカウンターやテーブルなどの仕事をいただいた場合、松山市内周辺であれば完成後になるべく客としてお邪魔させていただいています。店舗工事の場合、短時間で多くの業者が出入りして、日々の工事の進捗も速いので完成後の姿が想像できないなんてことは当たり前。そんなお店が完成して、お祝いの花束でも並んで初々しい空気の中、客として伺い、工事中の苦労話などを酒の肴として語り合う時の充実感は店舗の仕事に携わらせている者の特権です。
そんな中、もう3年も前にカウンターや造作材から内装までほぼ全般的に木材を納入させていただき、カウンターを選ぶ際には弊社にまで足を運んでいただいた若いオーナーにも「オープンしたら必ず行きますから」などと言っておき、いまだに伺えていなかったお店があって、ずっと気になっていたのです。そんな私に気を遣った友人たちが、そのお店での飲み会をセッティング。それも前々から私が言い出していたのですがなかなか実現せず、友人達がしびれを切らして実現。
いや〜友とは何ともありがたいものです。そういう経緯で先週ようやく念願だったそのお店に行く事が出来ました。お店というのは、愛媛県松山市平井町にある『海鮮もりかわ寿司』さん。もともとその場所にあった古い民家を改造して作られたお店で、小屋組は以前の姿を活かしているのでなので、外観からは一見すると店舗らしい雰囲気には無いのですが、中に入ると、あれから3年も経ったとは思えないほど手入れの行き届いた清潔感に溢れた空間が広がります。
こちらが店主の森川龍明さん。ご無沙汰していたことをお詫びして撮影をさせていただきました。かなり繁盛しているという噂は聞いておりましたが、噂にたがわぬ盛況ぶりでした。酔っぱらってしまう前に何とか撮影だけはさせていただきました。こちらのお店では、カウンターに青森ヒバ、造作材に100年生の木曽桧の生節など筆頭にいろいろと木材をお使いいただきました。お料理もとっても美味しく閉店までお邪魔してしまいました。次回はぜひ青森ヒバのカウンターに座らせていただきます。
※海鮮もりかわ寿司 TEL 089-970-5490 営業時間は11:30〜14:00 17:00〜22:00 定休日/水曜日
先日、このブログで2013年度の映画のベストテンの話を書いたのですが、本当はその続きを書く予定でした。ですがその後、ギフトョーや岐阜の銘木市場などのイベントが続いていて、しかもそれぞれ思わぬ長篇となってしまったため、今更になってしまったのですが、どうしても触れておきたかったのであえて今さらですが、2013年もしも『パシフィック・リム』が無ければ間違いなく私にとって2013年ベスト1だった映画『ゼロ・グラビティ』について。
先に見た友人から面白かったが気持ち悪くなるとか聞いていた程度で、なるべく情報を入れずに観たのもよかったと思うのですが、実にスリリングで素晴らしく面白い~!もう今更ネタバレは大丈夫と思いますが、2人の宇宙飛行士が事故で無線も通じなくなった宇宙空間に放り出されるという絶望的状況で地球への帰還を目指すというもの。何が素晴らしいといって、物語はほぼこれで言い尽くしたといいっていい超シンプル!それを91分で一気に見せるスピード感!
やたら小難しい小エピソードを盛り付けてダラダラ尺をかせぐ映画が多い中で、ストーリーが簡潔で余計なカットが1つもない切れ味のある映画です。似たような設定はいくらでもあり、宇宙からの帰還モノとして決して珍しいものではないものの、登場人物を2人に絞り、お涙頂戴のサイドストーリーやお約束の宇宙の恋まで排除した結果、ただただ帰還を目指すというサバイバル要素が際立ち、傑出したSFアクション映画となっていました。これぞSF映画の原点。
宇宙に行ったことがないのでそれが「リアル」なのかどうかは分かりませんが、いつも気になる撮影裏の現場の事や撮影方法などに思考が向かう暇もないほどに画面に引きずり込まれました。私は泳ぎが苦手なので、足の着かない深い海に入ると強い不安感に襲われるのですが、宇宙で浮かぶことがとても心地よい浮遊感などとは感じられません。サンドラ・ブロックが宇宙に放り出されいつまでも安定せずにクルクルと回りつ続ける場面はまさに恐怖以外の何物でもない!
不死身のエイリアンもスーパーロケットも宇宙征服を狙う悪人もレーザービームも登場しないSF映画ですが、初めて「ジョーズ」を観た時と同じような感動を覚えました。過去の数多あるSF映画との比較すら許されないようなストイックさと、ピンポイント・ゴール狙いの潔さに強く共感を覚えるのです。それはあまりに躊躇なき怒涛の展開ゆえに、ジョージ・クルーニーの涙の決断すらも暗黒の彼方に置き去りにさせてしまうほどなのですが、彼女が無事に地球に帰還した際、私は安堵感よりもここまで極めたものづくりの執念に嫉妬しました!私にとって宇宙モノのバイブルは、高校時代に読んだ立花隆の『宇宙からの帰還』ですが、それとは対極的な宇宙からの帰還の闇。映画館で観ることにこそ意義があり、映画館で最初に出会わなければ作者に対して失礼にあたる稀有な作品!★★★★★
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