森のかけら | 大五木材


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Exif_JPEG_PICTURE田鉃産業さんでは、東北一帯から出材される広葉樹を仕入れ、フローリングやパネリングなどの内装材をはじめ、家具や玩具、梱包材、農耕具、台所用材、漆器や彫刻用材、デッキをはじめとした外構用材など実に幅広い用途に利用されています。その用途の広さこそが広葉樹の特徴であり魅力でもあります。ほどよい強度や耐久性、木目の美しさや質感、肌触り、それらの広葉樹を構成する特徴は小さなかけらにも受け継がれていて、断片からすらも広葉樹の魅力を感じる事が出来ます

 

Exif_JPEG_PICTUREそれを実践されていらしゃるのが田鉃産業さん。大きな耳付きの一枚板から果ては数センチ角の器具の柄材まで、これでもかというぐらい細かく丁寧に材を活用されている姿に感動!その工程は多岐にわたり、しかも曲がったり変形したり節のある広葉樹相手なので、機械だけでは対応できないため、ひとが目で見てひとつひとつ手をかけるしかありません。そのため針葉樹の製材工場と比べて驚くぐらいの人が工場内にいらして、多くの手を経てそれぞれの『出口』に流れています。

 

Exif_JPEG_PICTURE愛媛にいると想像できないほどのさまざまな種類の圧倒的なボリュームの広葉樹が次々と製材され、ドンドン細かくなって製品になっていく光景は不思議にすら思えるほど。本当に小さな小さなものまでしっかりと活用されていて、広葉樹にとっては地上の楽園?!やはり森からの恵みを無駄なく骨までしゃぶり尽くすことこそが、最高の礼節でしょう。いつもなら、あの端材捨てるなら森のかけらにするので下さい、なんて言うのですがここにはそんな無駄は一切ありません。

 

Exif_JPEG_PICTURE広葉樹を扱う者にとってはまさにお手本のような会社です。以前から噂には聞いていたものの、ここまで徹底されているとは驚きでしたし、一方で広葉樹は端材の端材まで無駄にはならない『使える素材』だということも再確認できました。合わせて、現在森のかけらで供給が心配されていた国産広葉樹の数種類についても、何の問題もなく揃えることが出来るという心強い言葉をいただきました。まあこれだけの在庫量を見ればそれも納得。豊饒なる東北の森にひたすら感動!

 




Exif_JPEG_PICTUREいろいろありながらようやく今回の東北・広葉樹巡礼の最後の目的地・秋田に到着。今まで来よう来ようと思いながらもご縁がありませんでしたがようやく念願が叶いました。目的地は、武家屋敷で有名な角館町にある『田鉃産業㈲』さん。「たてつ」さんの「てつ」は「鉄」ではなく金を失わいほうの「」。昭和23年に創業されて以来、広葉樹ひと筋でやってこられて伝統と歴史のある会社。その存在は昔から知っていて【森のかけら】を作る頃からずっと気になっていました。

 

20140624 2その取り扱われている国産広葉樹のバリエーションの豊かさについては国内有数だと思われます。更にそれを問屋や商社のように完成した製品として扱われているのではなく、原木から扱われているというところに強く強く惹かれるのです!弊社は製材所ではありませんが、地元の広葉樹の原木を購入し、それから材を挽いてもらうようになって、遊び代(しろ)のある原木に惹かれっぱなし。端材を使って商品開発をする私にとって、思いがけないおまけ(端材)のある原木はもの凄く魅力!

 

Exif_JPEG_PICTUREまた広葉樹は小さな端材になっても利用価値が高いので、ほとんど捨てるところなく使えます。ときどき弊社のそんな(普通の人からみればゴミにしか見えないような)端材を見て、「これをどう使うのか?」と問われる同業者がいますが、それは愚問。例えば目の前に珍しい一匹の魚が置かれたとして、瞬時にその調理法を幾つも想像できないような料理人は包丁を握る資格はないと思います。発想と想像力こそが広葉樹を扱うものの武器。それなくして広葉樹は扱えません

 

Exif_JPEG_PICTURE田鉃産業さんの広い土場にはこれでもかと様々な形状、サイズに挽かれた広葉樹の材が整然と積み上げられていました。サクラ、ブナ、ホオ、クルミ、ケヤキ、カエデ、アサダ、ニレ、ハン、セン、クリ、キハダなどなど・・・私にとってはよだれが出そうになる樹種が居並ぶ幸せな光景。その姿はもはやそれだけで美しい!そんなめくるめく広葉樹の世界をご案内いただいたのが田口宗弘専務。㊧今年の秋田の木青連の会長を務められているそうで、木青つながりで一気に急速接近!ありがたい事です。




20140623 1このまま角館に行くつもりでしたが、熊の話題になってので途中下車して、昨日とは打って変わってガラリと変わって別の側面から熊にまつわる話をひとつ。私と同世代の男ならば「」と聞いて思い浮かべるのは、『熊殺し』のウイリー・ウイリアムスではないでしょうか。空手バカ一代に影響され、強さこそが男の証と壁に拳を叩きつけた経験は誰にもあるはず!我々世代は『梶原一騎の洗礼』を受けていて、根性と鍛錬さえあればどんな強敵にも勝てるという精神絶対主義世代。

 

20140623 2そんな空手ブームの少年たちに『力こそが正義』なのだと単純明快な論理を実践で教えてくれたのが、素手で獰猛な熊を殺したという極真会館が送り込んできた刺客ウイリー・ウイリアムスそのひと!活字になった言葉に嘘はないと信じていた純粋な心には、紙面に踊る「熊殺し」やら「史上最強」、「空前絶後」、「人類最強」などの大仰なフレーズがたまらなく心地よい響きで伝わってきたのです。凶暴なハイイログマを素手で倒す男にアントニオ猪木が勝てるはずないではないか!

 

20140623 3その当時、アントニオ猪木もまた少年たちにとって『生ける神話』。決して負けることなどありえない、あってはならない特別な存在だったのです。プロレスと極真、純粋にどちらが強いのかを見てみたい!という全国の格闘技ファンの熱い思いは、ふたりを取りまく拝金主義の「悪いおとな」たちの手によって無残にも打ち砕かれるのです。「熊殺し」の画質の粗いドキュメントフィルムからも、熊がウイリーと戯れているようにしか見えないほのぼのした空気しか伝わらなかったのです。

 

20140623 4やれ熊の牙は抜いたあっただの、鎮静剤を打っていただの、散々な言われようでしたが、ウイリーには嘘はなかったと思います、思いたい。強さが儲かる、金になると分かってしまった事が彼らにとっての悲劇だったのです。それでも熊は熊!2mを超す野生動物(野生ですらなかったとも言われていますが)に鎖なし、檻なしで対峙できる生身の人間がどれだけいるでしょうか?それだけでもウイリーの凄さは揺るがないのですが、私の同世代なら熊の強さ、怖さを知っているはず。

 

20140623 5そう、映画「グリズリー」です!『ジョーズ」の大ヒットを受けてその後大量に製作されたアニマル・パニックものの1つですが、私はテレビ放送で観ました。アメリカの国立公園に巨大なハイイログマが出現するというモノですが、実は観たのはその時一度きり。その後、人気の無い真っ暗な道を通る時に、暗闇から何者かが飛び出すのではないかという不安を増幅させるトラウマとなりました。ただし、子供の頃観て感動した映画は決しておとなになって改めて観直してはいけないという格言があるように(私が作った)、このグリズリーもあえて観ないようにしています。昔、暗闇は本当に漆黒の闇で吸い込まれそうな怖さがありました。神話や伝説が生きにくい時代は殺伐として寂しい・・・では明日はようやく「角館」!




20140622 1後から聞いた話だと、このあたりで『ナラ枯れ』が起きているようで、熊の食料となるどんぐりが少なく、腹を空かせた熊が山から下りてくる事も結構あるのだとか。人家のごみ収集所のゴミをあさる姿も見られるそうで、熊にとっては死活問題です。日本国内には、北海道に生育するヒグマと、本州以南に生育するツキノワグマの2種類の熊がいます。体長が2mを越え、体重も200キロも越すという「日本最大の陸上動物ヒグマ」に比べると、ツキノワグマは小型です。

 

Exif_JPEG_PICTURE体長も1~1,3m、体重も80キロ未満ということなので大型の犬のようなもの。雑食ですが、冬眠から目覚めると前の年に落ちたブナやナラなどのどんぐりを主食とするらしいのですが、ナラ枯れの影響でどんぐりが少なく、食糧を探して親子で徘徊していたのかしれません。改めて木は人間のためだけにあるのではなく、虫や鳥や獣など多くのものがその恩恵を受けていてその影響は計り知れないのだということを実感しました。衝突した熊が無事であってと願うばかりです。

 

20140622 3もし蜂が地球上からいなくなれば、人間は4年以上生きられない。蜂がいなくなれば受粉ができなくなり、植物は育たず、そして人間は滅びる」とはアインシュタインの有名な言葉ですが、現実に数年前からヨーロッパやアメリカでは蜂が一瞬にして大量に姿を消すという事件があちことで起きています。その原因とされているのが、ネオ二コチノイド系農薬ではないかと言われているようです。ミツバチの神経を破壊して方向感覚を狂わせ、帰巣できなくなる可能性のある劇薬!

 

20140622 4この農薬は害虫を駆除する力が極めて強い事から、生産効率を追求する大規模農園で使われているらしいのですが、それが結果的に蜂の大量消失につながっているのではと問題になっていて、既にその使用が禁止されている国もあります。効率や経済優先の考え方で本来自然界にないものを作り出し、それが本来あるべきものを殺していく・・・他人事ではなく、木を扱う人間として木に対して「マテリアル」以外の謙虚で本質的な視点も持っておかねばならないと思うばかりです。

 

CA341154★『どんぐりの5かけら』・・・¥2500(税別)

国産のドングリのなる木の5種をセレクトしました。

アカガシ』『クヌギ』『シイ』『シラカシ』『ミズナラ』

配送につきましては、『エクスパック500』を使いますので全国一律¥500です。詳しくは、こちら




Exif_JPEG_PICTURE岩手でたっぷりとクリブナを堪能した後は、夜は盛岡三大麺』のひとつ盛岡冷麺を食してそのまま岩手で一泊。翌日は秋田に向かう事になったのですが、北海道に行くにしても太平洋ルートばかりでしたので、秋田はいまだ訪れたことのない東北六県最後の地でした。盛岡から秋田新幹線で角館に向かったのですが、鉄道に詳しくない私は秋田新幹線で一部区間を在来線と共用している事を知りませんでした。それが今回その路線でとんでもない経験をすることになるのです。

 

20140621 2在来線に乗り入れるとスピードもかなり減速して走行しますので、車窓の風景も流れることなくゆっくりと眺められるようになります。隣にっ座った木童の中野君と、彼の故郷の佐渡の話や東北の広葉樹の話などをしていたのですが、田沢湖駅の少し前あたりで突然新幹線が停車しました。在来線を共有しているので、新幹線でも待ち合わせするのかしらと思ったら、中野君が車窓の外間近に迫っていた防護壁の木々の中にゴソゴソと動く黒い物体を発見!「あ、あれ熊ですよ!」

 

20140621 3見ると壁面の木々の中を駆けあがっていく黒い姿がありました!慌ててカメラを向けたものの、カメラには収まりきれませんでした。私が窓側に座っていたのですが、壁面までわずか1m前後ぐらいの距離だったので肉眼でははっきりと確認できましたが、大きさは仔犬程度だったので恐らくこどものツキノワグマだと思います。するとその直後、留まったままの車内に車掌のアナウンスが、「当新幹線はただいま熊と衝突したため一時停止しております」、なんと新幹線が熊と衝突!!

 

20140621 4中野君と、恐らくさっきの熊がその子供であったのではなかろうかと推論。その後数十分そのまま停車していましたが、とりあえず田沢湖駅までソロソロ走って再びそこで停車。どういう状況で衝突したのかまでは説明がありませんでしたが、関係者の方が新幹線の先端の車輪の方を覗き込んでいたので、線路を横断中の熊が巻き込まれたのか、接触したのだと思いますが、その後熊の姿は見当たらなかったという事で、軽い接触で逃げたのが車窓の仔熊だったらいいのですが・・・  

 

20140621 5さすがに新幹線が熊と衝突するという事故はそう滅多にあるものではないようですが、在来線を共用しているため線路内に野生動物が入り込んでくる事は少なくないそうです。後で知ったのですが、同じ日の同じ頃に山形新幹線がカモシカと接触したそうです!さすがにその当事者となった事件直後は、新幹線が熊と衝突するという考えられないようなシチュエーションに興奮していましたが、そのあたりを縄張りとする野生動物にとっては死活問題です。明日、別の側面から考えます。




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