森のかけら | 大五木材


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20141114 1さて、本日も『コウヤマキ』の話。コウヤマキの樹皮は繊維質が多く、槇肌(『まきはだ』、あるいは『まいはだ』)と呼ばれ、井戸の壁や船板、桶などの漏水防止のパッキン材、または屋根葺きとして編んで火縄などにも使われます。しかし残念ながら全国的に見てもその分布域は狭く、四国においては八十八か所巡礼の締めくくりとして馴染みの高野山に比べると、『コウヤマキ』の名を耳にする機会は余程少ないと思われます。それでも通の方がこの名を知るのは、水回りの高級品からではないでしょうか。

 

 

20141114 2水湿に強い事は先にも触れましたが、その性質から風呂桶をはじめ手桶、味噌桶、漬物桶、飯櫃(おひつ)、流し板、まな板などの水回り用品や食料品を入れる器具として使われています。しかし最近では安価な非木質商品に押されて、それらすらもなかなか目にする事は少なくなりましたが・・・。むしろ高級浴槽として、ホテルや旅館で見かける事があるかもしれません。数年に一度くらいの割合ですが、ごく稀に木製の浴槽にこだわれる方が、コウヤマキでは出来ないのかと相談を持ちかけられることがあります。
20141114 3もう6,7年前の事ですが、どうしてもコウヤマキで作って欲しいという事で、お問い合わせをいただき、関西方面からコウヤマキを取り寄せて浴槽を作らせていただいたことがありました。小さな浴槽でしたが、コウヤマキの香りが満ち溢れました。この薬草のようなハーブのような鼻孔をくすぐる独特の清々しい香りがコウヤマキの特徴で、仲間の『イヌマキ』と区別できます。清々しい香りといっても、ヒノキなどとは違って控えめで、その点も直接食料に触れる飯櫃や味噌桶、漬物桶などに使われる理由でしょう。
20141114 4さて、建築材としてのコウヤマキの用途はいかがなものか。昨今は供給量の問題で、建築分野ではほとんど利用されることはありませんが、古代には宮殿建築材としても重宝されていたようです。平城京跡から発掘された柱根のうち4割程度がコウヤマキだったとされていますし(残りはヒノキ)、藤原京寺院跡大宰府史跡からも柱として用いられていたことが分かっています。当時は柱に使えるような相応の大きさの巨大なコウヤマキ群があり、その香りとともに神に捧げられる木として霊験あらたかな木だったのでしょう。



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