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昨日のブログで、材木屋でありながら端材を売りたいような、売りたくないようなアンビバレントな心境を綴りましたが、そういう中でもこちらが売りたいモノと、購入される方が買いたいモノが一致するという幸福な出会いが稀にあります。本当はそれが欲しかったというよりは、こちらの押しに歩み寄っていただいたという場合の方が多いのかもしれませんが・・・。そこは運命的な意思の合致を見た!と思っといた方がこちらも気分がいいので、そういう事にしております。さて、そんな僥倖の結果、生み出されたもののひとつの形がこちらの作品。北米産の針葉樹『ウエスタン・レッドシーダー』(以下WRC)の端材を大量に使って作られたアート作品。製作者は、愛媛大学の美術科教育の福井一真先生。日頃から作品作りのための木材をお買い求めいただいております。
こちらの作品は、今年の第79回新制作展にて今年の9月に国立新美術館、10月に京都市美術館で発表されました。その後、愛媛に戻って12月6日(日)〜19日(土)まで松山市朝生田町7丁目5番6号2Fのルーチェベルデ・オープンスペースで開催される愛媛大学美術教育講座の教員と学生の有志による展覧会「状況2015展」にて展示されます。タイトルは『cubework#04』。サイズは1650×2000×300㎜、16㎜×16㎜のWRCが128本使われています。
この作品に使っていただいたWRCは、今年の夏にご購入いただいたものですが、たまたま大きめの板を挽き割ったWRCの端材が大量にあって、何に使おうか思案していて、なかなか出口が定まらず倉庫の一角で眠っていたものです。通常であれば、主たる目的の材さえ取れれば、挽き落とし材は焼却なりチップなりに処分される運命にありますが、『世界でもっとも美しい木』とも称されるこの木を灰燼に帰させていいものか、という思いで長々と放置していたものです。
水によく耐えることからも屋根材や外壁にも使われることで知られるWRCですが、非常に軽軟な木でもあって、強度を求められる用途には不向きです。しかし樹そのものは大木なので、端材といえども素性が良くてほとんど曲がりや捻じれもありません。そういう特性の木の出口に悩んでいた時に、サイズ的にもボリューム的にもほぼドンピシャのお話をいただいて、アート作品に生まれ変わったという稀有な例。ひと(視点)が変わればここまで変わるかとただただ恐れ入るばかり。
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