森のかけら | 大五木材


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20160110 1大野ヶ原に向かう道中で見かけたのがこちらの『アテ(陽疾)』の木。今までブログで何度もアテについては取り上げてきましたが、なかなかいい具合にアテている立ち木を撮った画像がなかったので、森とかに入るたびに気にしていたのですが、丁度いい具合の木がありましたのでカメラに収めました。斜面から飛び出すように延びた幹が途中からグイっと反り戻している絶妙のアテ。恐らくシデかコナラじゃないかと思うのですが、広葉樹であることは間違いありません。

 

 

20160110 2アテ(陽疾)については、同音異語である『能登ひば』の別名の項档(アテ)でも触れたのですが、傾斜地に育った木に現れる異質の高繊維密度状態。自分が倒れないように、異常発達した強靭で筋張った筋肉を身につけたようなもので、木の根性自慢の証のようなものなのですが、悲しいかな建築用材としては問題児扱いされてしまいます。そのアテですが、針葉樹と広葉樹ではその出来方に違いがあって、針葉樹は圧縮側(谷側)、広葉樹は引っ張り側(山側)にアテが出来ます

 

 

この異常発達した筋肉質部分を製材すると、急激に反ったり暴れまわったりするので、厄介者扱いされます。昔はうちの倉庫にもアテの木は沢山ありました。その多くは梱包買いした柱のや敷居・鴨居などの造作材のセットの中に現れたもので、アテの木が出るとガッカリしたものです。今ではすっかり弊社の主要扱い品目からすべり落ちてしまい、仕事の中でアテの木を見かけることが少なくなってしまい、ブログで写真を撮ろうと思ってもなかなか見つけられないのが現状。

 

 

20160110 4材となってしまうと、こちらもお金を出して購入しているわけで、使えないとなるとさすがに怒りがこみ上げてくるものの、実際に立ち木の状態で崖にへばりつくように必死に耐えている姿を見ると、その健気なさに心打たれます。そんな苦難を耐え抜いたアテに文句を言うような鬼ではありません。しかし立ち木での状態を見なければ、挽き板に現れたアテの状態からこの姿を想像するのは難しいのではないかと思います。やはりスーパーの切り身だけではなく、泳ぐ魚の姿も見るべき




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