森のかけら | 大五木材


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大学時代映画研究部に入っていた事もあって、80年代の映画はかなりの数観た自負があります。今の時代ほどミニシアターがあったわけではないので、マイナーな映画は広島や大阪まで観に行っていました。最大で年間400本近い映画を観ました(当時は3本立て興行もありました)が、その中でもっとも私の心を震わせてくれた映画、『ストリート・オブ・ファイヤー』!もしもっと早く10代の頃にこの映画に出会っていたら、映画の道(裏方)に本気で進もうと思ったかもしれないマイフェイバリィット・ムービー。★★★★★★

あのお堅いキネマ旬報の読者ランキングでもベストワンに選ばれたほど多くの世代に支持され、何度もテレビでも放送しているので今更ストーリーを説明するまでもないと思います。勿論DVDも持っていて、文字通り擦り切れるまで何度も何度も繰り返し観ました。独身時代の一時は朝、ダイアン・エレン扮するエレン・エイムがライブで『Nowhere Fast 』を熱唱する場面を観てから気合を入れて出社していたこともありました。もう何度観ても何度観ても飽きることがないぐらい大好き!

<ロックンロールの寓話>いう文字がワイプで吹き飛ぶオープニングから心奪われます。監督は、ドリー・スコットと並んで大好きなウォルター・ヒル。この作品の後、『クロスロード』や『ダブルボーダー』といった男くさいアクション映画を連発して我々を熱狂させてくれました。主演のマイケル・パレは久々に現れた正統派アクションスターと騒がれたものの、その後はパッとしませんでした(個人的には「フィラデルフィア計画」をモチーフに造られた『フィラデルフィア・エクスペリメント』が印象に残っているぐらい。横道に逸れますが、この映画のモチーフとなった「フィラデルフィア計画」にはとってもとても興味があって避けては通れないので、ムー世代としてはまた別の項でこの話については触れたいと思います)。敵役はウィレム・デフォーも独特の風貌でこれで一気に有名になって、その2年後の『プラトーン』でアカデミー助演男優賞 ノミネート されスターダムを突き進むことになりました。

もうひとりに主演、ダイアン・レインは子役上がりで名作『リトルロマンス』で人気が出て、80年代にかの巨人フランシス・コッポラ(また横道に逸れそうになる~!我慢)が世に送り出した『アウトサイダー』、『ランブルフィッシュ』などのヤングアダルトムービーで当時人気絶頂であったマット・ディロン、ラルフ・マッチオ、ロブ・ロウトム・クルーズも出ていましたが当時はまだ影が薄かった)らと共演して大人気でしたが、私はダイアン・レインは『ストリート・オブ・ファイヤー』に尽きると断言する!




木は山だけにあるのではない』そんな事を言った10数年前、同業者からは「何を戯言を!」と相手にもされませんでした。材木屋は、木材市場か製材所から木を買うモノという固定観念があって、その道から外れるものは負け犬、アウトサイダーと思われていました。当時はまだ街路樹などを入手するルートも分からず、またルートがあったとしてもそれからどうするかという事が自分の中で定まっていなかったので、街路樹の伐採現場に遭遇すると、「あれが全部廃棄されるのか・・・モッタイナイなあ」と唇を噛んでいました。

それから月日は流れ、【森のかけら】や『モザイクボード』、『森のたまご』、『森のしるし』などさまざまな樹種の多様な出口が定まり受け入れ態勢が確立。するとそれまでどうやって繋がればいいのか分からなかった造園屋さんとの関係が、向こうからやって来るという幸運にも恵まれ、造園屋から材木屋へのパイプラインが出来ました。その後はどうやって繋がったのかも分からないぐらい自然な流れで次々と複数の造園業者とも繋がり、受け入れの条件を厳しめにしないとダムが崩壊しそうな勢い。

街路樹や公園だけでなく個人の庭から出てくる庭木の話もあるのですが、愛媛の山から産出するのを待っていたらいつのことになるのかわからないような樹が、不意に持ち込まれてきたりと、庭木の多彩なバリエーションはとてもありがたい。とはいえ、木であればなんでもかんでもというわけではなく、ある程度の大きさ以上という事にしてもらっています。大きさだけの条件だと、それを軽々と乗り越えてドンドン集まってくるのが『クスノキ』。庭木や街路樹の中でも圧倒的なボリューム!

全国の巨樹ランキングの上位を独占するクスノキですから、その一族も大きく、受け入れのひとつの基準である尺上(約300㎜オーバー)もクスノキに限っては低いハードル。以前は特定の樹種ばかり集まっても仕方がないと考えて制限していましたが、今では新たな出口も出来て、それはそれでどうにか使える目途も立ちました。しかしあまり入口を緩めすぎると『楠専門店』みたいな事になってしまいます。キャパオーバーにならないように入口と出口のバランスを操ることが庭木・街路樹材を扱う者にとっての命題




随分前の話になるので恐縮なのですが、「平成30年度福祉・介護関係事業所 合同入職式」がひめぎんホールで開催され、愛媛社会福祉協議会さんから新たにその仕事に従事される方に配られる記念のコースターを作らせていただきました。関係者の方が弊社で作っている木のものづくりに興味を持っていただき、愛媛県産の木を使いたいというご要望でしたので、いろいろな福祉・介護の職場で働かれる皆さんがこれから連携して協力出来たらという思い込めて、「友情」の木言葉を持つ『ホオ(朴)の木を選んでいただきました。

ホオのコースターの中央に描かれた「」の文字は、愛媛県今治市出身で、歌いながら書道をする日本唯一のシンガーソングライター友近890(ともちか やっくん)さんが描いたもらったものをレーザーで彫字しています。入職式でも「被災地ライブを経て笑顔を届ける」と題して講演ライブが開催されました。恥ずかしながらそれまで存じ上げていなかったのですが、歌いながら書道をするというスタイルで全国各地の福祉施設などを回られ、その距離は既に地球6周目に入っているとか!

家を建てられるのは仕事も年齢も千差万別なので、昔ながらの材木屋の仕事だけをしていても、施主さんとしていろいろな方とつながってはいるのでしょうが、木材の納材業者としてはどうしても間接的な立場となるためなかなかその先の施主さん、お客さんと接することがありませんでした。それが【森のかけら】を作り始めて直接に最終購買者につながるようになってからは、一気に世界が広がりました。それまで無縁だった業界ともこうして結びつくようになったのはありがたい事です。

直接話ができるという事で、いろいろな提案も出来るようになりました。誰かが間に入ってしまうと、私が煎れたかなり癖はあるけどそれなりに深みのあるブラックコーヒーのような提案にも、間の方がボトボトとクリームを入れられて甘ったるくして癖も深みも無くした口当たりだけがいいコーヒーにしてお客さんに出してしまうので、折角の深みも毒もなくなってしまい、弊社の介在する意味そのものが薄れてしまっていました。なのでこういう距離感で思いが届けられるチャンスはありがたい!

ホオノキは、日本の広葉樹の中でも軽軟な木に分類されます。木の中でもひときわ目立つ緑色。触るとツルンとした滑らかな触感というよりは、カツラみたいに木綿のような温かみのある触感です。そのほどよい軟らかさが刃物との相性がよいということで、昔からまな板の材料として使われてきました。また刃物を傷めないという事で、刀の鞘としても重宝されました。下駄の歯としても有名です。大きな葉っぱは朴葉味噌などにも利用されるなど、目立たないところで活躍する縁の下の力持ちなのです




ある時に突然ある樹種の端材がまとめて入ってきたり、同時期に各地から同じ材に注文が入ったりと、「端材世界」にも「モッタイナイ神の見えざる力(あるいは気まぐれ)」が働いているとしか思えない事がありますと言ったら大袈裟かもしれませんが、そう感じることがよくあります。「捨てる神あらば拾う神ある」と言われますが、誰かがいらない、売れないといったものが、ご縁があってうちに流れてきて、待ってましたと喜んで買っていただく方に巡り合ったりと世の中不思議なご縁でつながっています

出だしが多少大仰でしたが、先日弊社にやって来たのがこちらの『シラカシ(白樫)の端材』の梱包。まだ【森のかけら】にするぐらいのシラカシの端材は多少残っているものの、いずれ仕入れておかねばと考えていた私にとってはまさに僥倖!とりあえず市場でシラカシは仕入れているものの、生材なので使えるレベルに乾燥させるまでに数年かかり(乾燥機に入れると割れやねじれ出やすいので極力自然に乾かしたい)、在庫が無くなった時に谷間が出来そうで心配していたのです

シラカシという樹種特定の注文なんて、年に数件ぐらいではあるものの、弊社に声を掛けてこられるのは大概ホームページで検索されていろいろ探して辿り着かれた場合が多いのです。折角期待して声をかけていただいた時に「ありません」とは極力言いたくない。そもそもシラカシの場合は、建築材のような大きな用途ではなく、柄とか棒、器具などの小さな用途がほとんどなので、特に小さな注文に対しては「うちが何とかせねば!」と勝手に燃えてしまうのです。

という事で思いがけず手に入ったシラカシは、丁寧に1本ずつ加工して店頭とオンラインショップで販売していこうと思っています。端材ですので大きなものはなく、すべて長さも1m以内。幅もせいぜい ㎜、厚みも25~30㎜程度で、本当に『小さな出口』対応用です。太鼓の撥(バチ)や柄として時々まとまった見積もりが来るのですが、こちらに余裕があって注文が入って欲しい時には波静か。在庫が少なった頃に、それでは足りないぐらいの量の問い合わせ。これも材木屋を傲慢にさせないためにモッタイナイ神の見えざる力(あるいは気まぐれ)が働いているのか?




相変わらずの告知忘れですが、まだ8月中に何回か再放送があるということで今更ですが告知というかテレビでの同級生トーク。愛媛県西予市のケーブルテレビでの話ですが、『そら豆のきもち』という番組で、その番組のパーソナリティを務めているのが、同郷で中学・高校と同級生だった清家ユカリさん。清家ユカリさんは学生時代からギターを弾き語る才媛でした。音痴でまったく楽器など演奏できない私にとっては羨ましい限りでしたが、まさか学校を卒業して数十年後にこういう形でつながる事になろうとは。

ユカリさんとは以前にも、愛媛県伊予市双海町の喫茶『Ledru  Rollin378(ルドリュロラン)』さんにて、『森のかけら 音のかけら』と題したコラボ・イベントを開催させていただきましたし、今回撮影場所となった宇和町のギャラリー喫茶・池田屋さんでも2013年にデザイナーの上田球乃さんと一緒に展示会を開催させていただきました。ユカリさんは、『FMがいや』でも『yukariのon time cafe』という番組のパーソナリティを務めていて、歌った喋れるスーパー主婦!何かに打ち込んでいる人はいつまでも若い!

30分番組という事だったので、ガッツリ商品PRしようと思っていたら、番組の趣旨は「ひととなり」なので、商売っ気の強いPRはダメと釘を刺されました。しかも専門的な木の話も趣旨にそぐわないという事で、自社商品もダメ、木や森の話もダメとなると、戦う前から必殺の武器を封じられてしまいました。今までいろいろなメディアの取材を受けてきましたが、それらはすべて『ちょっと変わった無謀な材木屋』という部分にスポットライトを当ててもらった企画だったので戦い方も心得たものでしたが今回は勝手が違う!

しかしそこは相手が同級生という事で、リラックスしてお話させていただきました。どういう話からでも最終的に木か山の話に導いていくという『材木屋の悲しい性(さが)の話術がどっぷりと身についていて、もう少し話していたら木に繋がりそうでしてが、ユカリちゃんにうまく誘導され、信じられないくらいの脱ビジネストークになってしまい、果たしてそれが面白いのかどうかは甚だ疑問ですが・・・。リクエスト曲に選んだのは谷村新司の『青年の樹』とサイモン & ガーファンクルの『スカボロー・フェア』。

トークと音楽番組という事でしたので、自分の趣味と結びついた曲がいいかなと思い選んだ2曲。『スカボロー・フェア』は初めて買った洋楽のレコード。映画『卒業』でこの曲を知って本格的に映画が好きになりました。『青年の樹』は社会人になって右も左も分からない若い頃に何度も何度も聴いてサビの言葉を心に刻んで魂を震わせていました。「今をのがせば夢などに若さをかける時は二度とない若かったあの頃よりも今の方がこの言葉が心に沁みてきます。今でも「今をのがせば夢などにすべてをかける時は二度とない」心境。お陰で久しぶりに懐かしい日々の事を思い出しました。夢は未だ醒めず。

 

 

 

 




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