森のかけら | 大五木材


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本日も『サカキ』の話。漢字で書くと『』あるいは『栄樹』と表わされますが、これは文字通り繁栄を祈って神に捧げる木という意味で榊は国字。字画も多くてちょっと難しい字ですが、私には子供の頃から馴染みがある字でした。というのも、私が小学生の頃の阪神タイガースの内野手榊原良行という選手がいたので、野球ゲームに夢中で自分でスコアまでつけていた私は、榊という漢字をそれで覚えました。愛媛県にも榊原さんはいらっしゃると思うのですが、私の住んでいる地方では聞いた事が無かったので、子ども心に格好いい名前だな~と思ったものでした。

 

榊原といえば、『森のしるし』で戦国武将の家紋シリーズを作っている時のこと。戦国大名シリーズも名のある戦国武将を10人ずつまとめて第二弾、第三弾と作ってくると、さすがに歴史や武将にある程度は興味が無いと分からないような武将も混じってきます。私は戦国武将大好きで子供の頃からそういう関係の本を愛読していましたが、あまり知名度が無い武将を含めると、「誰?」ってことになるので人選に悩んでいました。武将によっては同じ紋、あるいは似た紋を使っている事もあって、それは避けたいところ。

第三弾の際に10人の中に加えようかどうかで迷ったのが「榊原 康政」。徳川四天王・徳川十六神将・徳川三傑に数えられる武将なのですが、歴史好き・武将マニアとかでないとご存じないかも。その榊原康政が使っていた家紋が、『榊原源氏車』というもので、それは平安時代の貴族たちが乗る車(のタイヤの部分)」をデザインしたものをアレンジした榊原家特有の紋。かぶりが無い紋は魅力だったものの、メジャーではない榊原康政が果たして通じるかどうか?それと丸い紋というのがネックでした。

『森のしるし』の場合、コストを下げるためにスタンプで紋を押しているのですが、丸い台木に丸い紋を押すと少しのズレでもよく目立つので、なるべく丸い紋は避けたいという心理も働き、結局榊原 康政は外すことにしました。次に第四弾を作るとなった時にも恐らく悩みどころとなりそうです。サカキの木はすぐに製材して【森のかけら】や『森のりんご』が取れるサイズに転身しましたが、製材しながら榊原 康政の事を思い返していました。折角神様からいただいた木ですので、このサカキで何か名前に由来する商品考えてみようかしら。サカキの話、明日も続く・・・

 




★今日のかけら番外篇・E045サカキ/榊】 ツバキ科・サカキ属・広葉樹

先日、近くのお宮で境内の木をいくらか伐採することになったのですが、まず手始めに低所にある数本の木を伐採されました。普通のひとにしてみればただのゴミに見えるかもしれませんが、かけら屋にとってはお宝であり、そういう材の救出はビーバー隊の使命でもあります。という事で、まずは『サカキ』を救出。サカキと言えば神様への供え物として欠かせない木ですが、こんな大きさのサカキを手にしたのは初めて。【森のかけら】を取るには十分ですし、これだと『森のりんご』も余裕で作れそう。まさに神からの恵み!

前述した通り、サカキは神事でその枝葉が備えられる神聖な木ですが、実はこれ全国的な事ではないようです。サカキの分布域は、茨城県、石川県以西なので、サカキを神事に使っているのは福井県や静岡県以西。それより東北の寒いところではサカキは育たないので、サカキではなく同じツバキ科の『ヒサカキ』を使っているのだとか。いずれにしろ葉が艶々していて年中緑の葉をつけるサカキの仲間に、昔の人々が神秘性を感じ繁栄を願い神事に利用したのは共通で、古くは日本神話の中にもその名前が登場してきます

サカキという名前の由来もそのあたりにあって、枝葉が年中茂っていることから繁栄を意味する『栄木(サカエギ)』から転じたものだと言われています。このサカキという言葉ですが、古代においては特定の樹種を指すものではなかったらしく、神事に使われる木に対する総称だったようです。それぞれの地域で育つ常緑樹の中から,神への供物として相応しいと思われた木の事をサカキと呼んでいました。その中に現在のサカキやヒサカキ、オガタマノキ、シキミクスノキ、タブノキ、マサキ、ソヨゴなどがありました。

その中で、利用される事の多かったサカキがその名を受け継ぎ今に至っているということです。ちなみにヒサカキ』の由来は、『姫サカキ(サカキに比べて小型である)』が訛ったもの、あるいはサカキの古名の『マ(真)サカキ』に対する『ヒ(非)サカキ』や、果実が密につくことから『ミ(密)サカキ』が転じたなどの説があるようです。そんなサカキですが、いつもはスーパーで枝葉を買ってくるばかりで、こんな大きなサカキが手に入るとは思ってもみませんでした。やはりこれは【続・森のかけら】を早く作れとの神のお告げか!?




先日の話ですが、長女が通っている愛媛調理製菓専門学校の学祭が開催され、家内と家内の両親の4人で行きました。長女は製菓・製パン科の2年生で、今年卒業予定でどうにか神戸のホテルに就職も決まりました。長女はパテシエ志望だったので、授業で作ったケーキやら菓子をよく持って帰って食べさせてくれました。味覚音痴な私でも次第に料理の腕があがっているのが分かるくらいで、お陰でダイエットがしばし中断していましました。私としてはケーキそのものよりも、それを造り出す場所、つまりカフェやパン屋さんなどの商業店舗の方により興味があるのですが。

たまたま家内の弟の次男(甥っ子)も同校の調理師科の1年生としているので、ふたりの料理作品展も見ようという事で、軽い気持ちで出向いたのですがケーキ並みに甘かった・・・。科や学年ごとにテーマがあって、それに沿った作品を作った一堂に展示されていて、来場者の投票によって優秀賞などさまざまな賞が決まります。専門家による採点もあるため、一般来場者の他に生徒、生徒の友達や家族などで長蛇の列。少し前であれば間違いなくその列に並ぶのは断念したであろう行列でしたが、馬齢を重ねて少しは私にも忍耐というものが身についたようです。

それで長い行列に並んで順番に生徒さんが作った作品(製菓製パン科はケーキ、調理師科は和洋中の料理)を見て、よいと思うもの投票するのですが、これだけズラリと並ぶと、中年おやじには何がどうやら一切分からず・・・。木工でもこういう審査はありますが、その場合はしげしげと眺めながらああだこうだと意見を交わしながら評価するのですが、何の知識も無いケーキの審査など、見た目に美味しそう~と思えるかどうかの一点しかない。しかも事前に作品集などがあるわけでもないので初見の数秒で判断していかねばならないのです。

まあもともと身内の作品にしか投票するつもりがない「組織票」みたいなものなので、それでも別に構わないのですが。その中で胸にリボンを付けられた審査員の先生は1つ1つ立ち止まって細かなところまで見ておられました。以前に【森のかけら】や『モザイクボード』などで審査を受けたことを思い出しました。その時は自らプレゼンした後で質疑応答の時間もあって、審査員の先生からさまざまな質問や酷評もいただいて、若かった事もあってブチ切れそうにもなりましたが、今ではいい経験だったと思います。

専門学校や大学の授業などで少しだけ審査員も真似事みたいなこともさせていただきましたが、それはあくまで授業の一環。商品の良し悪しを決めるような審査員などにはなるものじゃないと思いました(まあ、やりたくても呼ばれるわけもないのですが)。審査員という立場上、厳しい事を言ったり酷評するのは理解できるものの、あまりいに居丈高な物言いをされると、「じゃあ、先生が仰る素晴らしい作品を自分で自分で作ってみて下さいよ!」と言いたくなってしまいます。料理の世界であれば圧倒的な差があるようですが、ものづくりにおいては果たしてどうか?

造り手がいて、広め手がいて、それを使う人評価する人がいてこそだというのは勿論承知していますし、青臭い事を言うつもりもありませんが、ものづくりにおいては評価されるひとの顔ぶれを見た時、その道の専門家とは思えない、ネームバリューだけで集められたご老人たちの姿を見ると残念な気持ちになります。果たしてこの年齢の方々が今の若い消費者の求めているものや感覚を理解されているのだろうかと。前時代の物差しでしかはかりきれないのではなかろうかと。料理の審査の長い行列に並んで、ふとそんな事を思い出しました。審査はケーキほど甘いものではない!

 




いろいろなモノづくりをしていると、はからずも生み落としてしまうB品。それをB品と呼ぶのにも抵抗はあるものの、話が面倒になるのでとりあえずB品として話を進めます。中でも【森のかけら】のB品は、『夢のかけら』として(30種セットで税別の¥4,000)、割れせんべい並みに本家を凌ぐような人気を得ているのですが、問題はそれ以外。それらもオンラインショップでは『アウトレット』として細々と販売はさせてもらっているものの、試行錯誤していた初期の頃のB品が大量に在庫として山積みされていて、ちょっとやそっとでは山が低くならない・・・

毎年決算月である3月が近づいてくると、その在庫の山を見て憂鬱になったしまうのです。作ったこと(出来てしまったこと)への悔いはないのです。それよりも、表舞台へ出してあげられなかったこと、誰かに喜んでもらえるモノにしてあげられなかった事に対する懺悔の念が強い。端材を活かしたモノづくりを、なんて謳ってみたって、それが最終的に誰かの手元に行って役に立つとか、喜んでもらえてこその話で、それが出来ていないならば絵に描いた餅。そういう事もありましてどうにかして彼らにもうちの倉庫以外の風景を見せてやりたいと思いまして新商品を企画。

そうです、こういう時こそ詰め合わせセット!『夢のかけら』☓1セット(写真はサンプルです。中身は異なります)、森のりんご』☓1個・クロガネモチ(樹種限定、座面の番号はありません)、森のこだま』☓4個・・・山桜、ブラック・ウォールナット、桧、赤松(樹種限定)、木言葉書』☓2枚・桂、サクラ(旧仕様)※写真は桂2枚ですが実物は桂とビーチ、円き箱』☓1枚・タモ(樹種限定、旧仕様)、森のしるし』☓5個・戦国家紋からランダムに5個、円い森』☓4・・・ビーチ、メープル、ミズナラ、カツラ(樹種限定)

すべて加工中に少し傷がついたり、磨きムラができたり、旧仕様品などで仕様が変更されたものなど、なにかしらの訳あり品です。A品の上代ならば総額で¥19,000相当の商品ですが、すべて訳ありのB品という事で、『森のかけら』シリーズを知っていただく入口として¥9,500の特別価格で販売します(消費税と送料は別途)。まだうち倉庫の中しか知らぬ彼らに外の世界を見せてやろうと思われる奇特な方いらっしゃいましたら是非お願いします。ご注文の場合はオンラインショップの『アウトレット・OUTLET』からお願いします。

 




森のかけら】には、240種の木のそれぞれ樹木名・別名・解説などを書いたオールカラーの30ページの解説書が付いています。厳密には、いろいろな事情で240のリストに含める事が出来なかった数点の木も掲載されています。最初【森のかけら】は100種で販売を開始しました。当時はそれでも自分なりに頑張って集めたな~というつもりでしたが、その後どんどんと触ったことの無い木や図鑑でしか見た事のないような木とご縁が出来て、これは大幅に種類を増やすしかあるまいという事になって、日本120、世界120の合計240種としました。それに伴って解説書も改定(左:改定前、右:改定後)。

それぞれに木には100文字程度の解説文を書いていますが、この解説書を作った当時はまだパソコンがそれほど普及してなくて、必死で木材図鑑や専門書を読み漁って、何度も何度も文章を推敲してああでもこうでもない、あの事も書きたいと頭を悩ませていたことが懐かしく思い出されます。今ならこの木についてはもっと違った解説が出来たとか、似たような言い回しばかり使っていると反省する点も多いのですが、その当時の私の中では精一杯でした。修正したい気持ちもあるのですが、その時の気持ちも大切にしたいのであえて中身は変えていません。

解説書の裏面に書いているのですが、「この商品は学術書や図鑑のようなものではありません。木は地域の文化と深く関わっており、方言があるように地域によっては別の名前で呼ばれていたり、同じ名前のものがまったく違う木の事を指していることもあります。ここでは数ある名前の中から、(個人的な好みで)ごく一般的に流通している商業名で取り上げています。」ということで、あくまでも一材木屋が自分のものさしではかった好奇心のかたまり本みたいなものですので、そのあたりはご容赦下さい。

内容は本当に拙いのですが【森のかけら】は木の事に興味を持ってもらうための入口商品だと考えています。そのため【森のかけら】には必須アイテムで、36入りでも100入りでも解説書は必ず1冊付きますが、解説書単独では販売していません。その後【森のかけら】も240種になって、解説書も改定しましたが、改定前の版が少し残っていました。それでもいろいろな事情もあって、解説書単独での販売は見送っていましたが、そのまま埋もれさせてしまうのは、モッタイナイ精神に反するので、改定前版に限り在庫分を単独で販売させていただくことにしました

改定前版は、100種しか掲載していないのでページ数も14ページで、【森のかけら】のロゴも古いままです。果たしてこんなモノが売れるのかどうか分かりませんが、写真撮影にも印刷にもそれなりのお金をかけておりますので、少しでも回収すべく、人気芸能人が書いた本並みの超強気単価で販売させていただきます。まあこんなモノでも読んでやろうかという奇特な方の目に触れればと思っております。嗚呼、いつの日か商品の解説書ではなくて、ちゃんとした木の本として上梓するのが夢なのですが、この解説書が試金石となりそうです・・・

森のかけら解説書100(旧版)・・・オンラインショップで販売中¥1,000(税別)




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