森のかけら | 大五木材


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能登半島の至宝『能登ヒバ』は、その昔に青森から出すこといざならずとされた禁木『青森ヒバ』の苗木を、密かに隠密が北前船で能登に持ち込んだのが出生の秘密だとされています。それ以前にも能登には自生していたという研究もあるようですが、浪漫も何もないので私的にはガン無視!そんな能登ヒバを一手に扱っているのが登ヒバ王こと鳳至木材(ふげし)さんです。主な用途としては、金沢城をはじめとする大型公共物件の構造用化粧材やフローリングやパネリングなどの内装材。弊社でもわずかながら内装に使わせていただいております。

鳳至木材のの四住一也(しずみかずや)さんは、村本さん(ムラモト社長)とは盟友関係にあるので、情報もそれなりに入って来るのですが、お会いするたびに『能登ヒバの非建築の出口』をご紹介していただいています。以前には衛生的で香りも楽しめる『能登ヒバのお箸』をいただきましたが今回の出口は包丁!「孫六(せきまごろく)」で知られる岐阜県関市は、鎌倉時代から続く刀鍛冶で繁栄してきた刃物の町ですが、その関の包丁と能登ヒバが手を組みました。油分が多くて耐湿性の高い能登ヒバは包丁に柄にはうってつけな素材

水回りで使っても腐りにくい能登ヒバ錆びなくて切れ味抜群の関の刃による堅牢な包丁。互いの特性を活かした素晴らしい商品です。しかも石川伝統の輪島塗りによって着色されたものもあり、まさに地域資源の出口のお手本のような商品ともなっています。その中でも四住さんお薦めの逸品が、刃の部分に雅趣溢れる柄が出ている『ダマスカス包丁』!まるで霧島ツガのような芸術的とも思える紋様はどこまでも美しく、じっと眺めていると吸い込まれてしまいそうになります。ダマスカス包丁という呼び名を初めて聞きました。

そもそもダマスカスという名称は中東のシリアという国のダマスカス市に端を発していて、そこで生産されるダマスカス鋼は鍛造時に独特の縞模様が浮かび出て錆びにくくしなやかで鉄をも切るほどの切れ味を持っていたことから世界中に広がりました。その技法そのもの200年ほど前に途絶えたらしいのですが、現代では刀芯にモリブデン鋼を用い、その芯にダマスカス鋼を何十層にも重ね合わせ鍛造時にダマスカス刀のような縞模様が生まれた高品質のものをダマスカス包丁と呼んでいるとの事。まさに銘刀!その銘刀と能登ヒバとのコラボ商品がこれなのです。

包丁の柄に木を使うなんて当たり前だと思われるかもしれませんが、『木の出口』ってなにも今までにないような斬新奇抜なモノでなければならないという事ではないのです。先人たちが長い時間かけて試行錯誤のうえに編み出したそれぞれの木の用途も時代が変わり、少し使い勝手が悪くなっていたり、ライフスタイルに合わせた変化が必要なモノをブラッシュアップして現代風に蘇生させたり今風の味付け(物語)をするというのも立派な出口開発。ダマスカス包丁はそういう意味でまさに『古くて新しい出口』にふさわしい素晴らしい組み合わせだと思います。




モクコレには全国ほとんどの地域から出展されているので、各県に1社ぐらいは知った顔がいます。それも全国組織の日本木材青壮年団体連合会(木青連に在籍させてもらっていたお蔭。その恩恵を今頃になってしっかりと享受させてもらっています。事前にしっかりと出展リストを読み込んでどのブースに行こうかチェックは出来ております。ということで、自分たちのブースの準備が出来たら早速関係各社にご挨拶。まずは絶対外してはいけない金沢の御大のところへ。石川県はワンチームで相当大掛かりな規模の設営となっています、圧倒!

大型トラック数台で大量の木材を持ち込まれていて、数人の職人さんがログハウスも組み上げられていて本気度が半端ではありません。少し前にここで開催されたジャパンホームショーでも同様のものを設営されたらしく、その手つきも慣れたもの。巨大な横断幕も、揃いの法被も加賀百万石らしく派手で目立ちます。村本御大は既に先日より東京に乗り込まれていて、このイベントの後にはそのまま岐阜の市場に向かうとかで相変わらずアグレッシブ!石川県木材産業振興協会のマスコットキャラクター、里山ウッディ君も切り株の上に鎮座ましましてお出迎え。

床にはチップを敷き詰めたコーナーもあって質・量ともに他を圧倒していますが、これも予算を分散させずに集中させて取り組んだ成果。それも参加されている企業が同じ方向に向いているからこそ出来ることで、それをひとつにまとめているのは地元の『加賀杉・能登ひば』というマストアイテム。横断幕に大きく描かれたこの2つの樹種を全国に打ち出していこうという結束力が強み。地元でも実態は知りませんが、これを出しておけば誰もが納得するという錦の御旗があるというのは、地方としては最大の強みだと思います。

そんな石川県を代表する樹種『能登ヒバ』は、勿論【森のかけら】にも加えさせていただいておりますが、その在庫が怪しくなってきたので能登ヒバの端材を分けていただけませんかとお願いしていたら、なんとわざわざこの会場に材料を持ち込んでいただきました。しかもたっぷり段ボール2箱分も!封を開けると能登ヒバの清々しい香りがぶわっと広がり鼻孔をくすぐります。お持ちいただいたのは能登ヒバ王こと鳳至木材(ふげし)四住一也(しずみかずや)さん。業界では『石川のレッドキング』の名前の方が有名!明日はその四住さんと能登ヒバの話。




チーム『森いづる愛媛』の今回の出展ブースのディレクションは盟友・井部健太郎久万造林)。井部君が数年前に各種イベント用に製作した組み立て用のスギのトラス。4コマの間仕切りを外して1つにまとめて開放的なスペースとして、中央にトラスを組み上げました。周囲には構造用のスギやヒノキの柱を使った立体構造物が沢山ありましたが、トラスを使っていたのはうちのチームだけだったと思います。トラスの利点はなにしろ軽いということで、少人数でも簡単に組み立てが出来るという事。設営も30分程度で完成!

といっても最低4人は必要で、大五木材単独チームではその4人すら東京の地には連れて来れません。こういう作業の1つ1つにもチームで出展することのありがたさを痛感します。展示会の最中に、木青連でもお世話になっている東大の有馬先生もお越しになられて,褒めてくださいましたが、もっと接合部の工夫があって簡略化できればなおいいねとさすがのご指摘。組んでみて確かにそこにまだまだ改良の余地はありますが、実際に使ってみてこそ分る問題点。貼り合わせて重量化させない方向での出口として木製トラスにも可能性を肌で感じました。

実際にイベント等で使ったいるので、かなり日焼けしていい感じの風合いになっていますが、『このイベントのためだけに作ったのではなく』て、『今後もずっと使い続けられる』という点も感じていただきたい。イベント終了後にブースの撤収をしている時、大きなパネルが解体され廃棄されようとしている光景を見て、日々この場所で大きなイベントが開催されては終われば大量のベニヤやら木材などが解体・破棄されていく事を考えると複雑な思いにもなりました。そんな感傷をあっという間に押し流すほどに東京の業者は手際がよくてあっという間に撤去されていく・・・。

ところで今回は、CLTが各県のブースでよく見られました。CLTとはCross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略で、板の層を各層で互いに直交するように積層接着した厚型パネルの事。欧州で開発された工法で、大型の公共物件などでの木質化を支える出口として期待されています。愛媛ブースでは、CLTの遊具を展示していましたが、建築分野でのCLTについては私はほとんど興味も関心もありません。量で語られる木の世界観は私にはあまりにも遠すぎて、良い悪いは別にして生き物としての木の匂いが感じられなくて苦手・・・。続く




久しぶりの東京出張。10~11日にビッグサイトで開催される『WOODコレクション(モクコレ)』に出展するための上京です。モクコレは、全国各地の木製品や技術の展示などをするイベントで今回で5回目になります。昨年の展示会の様子や出展された同業者から話を聞いてみると、建築や家具中心ではない木材の全国的な展示会という事で面白そうだと関心を寄せていました。しかし出展リストを見てみると各地の木材組合連合会、森林組合連合会などがキーになっているようで、けもの道行くはぐれ者にはご縁がないだろうと諦めていました。

しかし世の中、捨てる神あれば拾う神ありとはよくいったもので、そんな弊社にもお声をかけていただき、企業間取引のいわゆるBtoB(Business to Business)ではなく企業対個人の取引BtoC(Business to Consumer)を模索している地元の仲間たちと一緒に組んだチーム『森いづる愛媛』での出展となりました。チーム結成のいきさつについては以前にもブログで書いた通りですが、なにしろこのイベントに出展するのが初めてのメンバーばかりなので、どういう客層が来るのか、他社がどういう展示をするのか分らない漠然とした状態での出展。

イベントそのものは2日間なのですが、結構大掛かりな什器を持ち込むので、大型トラックで事前に運び込んで会場に搬入、設営し、閉会後搬出等の作業があるため延べ4日間の出張となります。最近は木材に買い付けでも、長くて2日でしたので4日も会社を空けるのは久しぶりの事。イベントの準備よりも不在期間の段取りをしておく方が大変で、それに追われてついイベントで使うための商品の説明や価格表を作り忘れてしまう始末。気づいたのが出発直前で結局間に合わず。しかもホテルで作ったそれを当日ホテルに置き忘れるという大チョンボ💦

普通ならばとんでもない失態なのですが、ところが皮肉なもので今回はそのことがいい方に作用することになるのです。それについては後日書きますが、とにかくなにかと準備不足はあったものの、そこは心強い仲間がおりますので不安はありません。いつもこういうイベントは独りか、家内とふたりだけなので、大掛かりなしつらえなどは出来ませんがこれだけ人がいれば大仕掛けもあっという間に完成。こういうイベントにかかる費用って実は輸送賃がかなりかさむので、個人や零細商店にとってはそこが大きなハードルにもなったりしているのです。しばらくこの話つづきます。




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