森のかけら | 大五木材


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大五木材で作っている商品は、シンプルで多品種というのが特徴で、その代表が【森のかけら】です。販売開始から10年以上経過してようやく850セットを超えましたが、どの商品にも言えることは、とにかく「足が遅い」。日常生活に不可欠な汎用品でもなければ、斬新な機能が組み込まれているわけでもない、ただ木を削っただけの木工品ですから、飛ぶように売れる要素は皆無。ただ種類が馬鹿みたいに多いということだけが他との違いですから、マニアやコレクターの琴線にいつ触れるかどうか待ちというところがあります

そんな商品のひとつが『森のりんご』。私の独断と偏見のみで、希少性が高いと判断したことにより『プレミアリーグ』に分類された【森のかけら・プレミア36】に含まれる、ちょっと硬質な木を中心に作られた「りんご」です。木って丸く削ると、平面で見ていたのとはまったく違く表情が現れてとても面白いんです。それと手触りの滑らかさがたまらない!というだけの理由(プレミアという縛りを作ったがために自ら出口を狭めてしまったことに対する懺悔的意味もある)で作った「りんご」で特別な機能など備わっていません。

文字通り「森のりんご」なのです。面白い、可愛い、と思って作っているのですが、種類が増えるとこれがまた楽しくて、どんどん増殖させているところです。ただし、それだけのモノなので、好きな人が買ってくれればいいと思っていて、あまり強くPRもしていません。会社の中でも棚の隅にひっそり置いている程度なのですが、目ざとく見つけられた方から「これ何に使うのですか?」と問われることが苦痛。なんでおとなは世の中に存在するものに強く意味を求めてしまうのか?ただ楽しい、可愛い、美しいという事じゃダメなの?

一応、比重が大きいのでペーパーウェイトにも使えますよなんてひきつりながら答えたりもしますが、もうそれはただのりんごなんです!触ってみて下さい、ツルツルして心地いいでしょう。幾つか並べてみて下さい、綺麗でしょう。それです、それがこの『森のりんご』のレゾンデートル(存在価値)のすべてなんですそれを直感的に理解していただく方に買っていただければいいと思っていましたが、この最近急に販売数が伸びていて、少しだけ気になって改めて先日数えてみると思いのほか売れていて、今までに出荷された『森のりんご』の総数はのべ180!これはまだまだ種類を増やさねばと思う私の眼前に広がる、その数倍もある未出荷の在庫のりんごの山。少し減ったらまたりんごの種植えます!




これは昨年作られせていただいたものですが、愛媛県産の『カヤ(榧)』の木を幅剥ぎして丸く切り出した円形のカウンター。カヤといえば将棋盤碁盤などとして有名ですが、その他にも適度な弾力があって、光沢があり、水質にもよく耐えることから風呂桶まな板船舶用材などの水に関わる場面で利用されています。将棋盤には高齢木のよく目の詰まった良質な材が求められ、中でも盤面の上下がともに緻密な柾目のものは、『天地柾』と呼ばれ最高級とされます。値段を聞けば気軽に将棋など出来なくなるほど!

まあ弊社の場合はそんな高額な材には縁の無い材木屋ですので、そういう立派なカヤを求めては居ませんが、カヤ自体は四国にはよく自生しています。ただし天地柾が取れるような材となると樹齢が200~300年クラスの大木になるのですが、そういうカヤはほとんど無くなりました。もしあったとして、その木で将棋盤を作ったとしても、バブル当時ならいざ知らず現在では投機の対象のような数百万もする価格では売れるかどうか。高級将棋盤や碁盤という用途も材質を活かした出口ですが、それに該当するのは超エリートのカヤのみ。

それ以外の多くのカヤは、もっと小さくて枝も多くて節があり、選ばれし栄光の舞台には立つことは出来ません。しかし私はそんなカヤの方に強く惹かれるのです。この節のある木をどう活かそうか、どういう場面に使えばカヤを使う意義が生まれるだろうか、節まみれのカヤの木を眺めながらそんな事を考えるのが楽しみ。折角縁あってうちにやって来た木には、なるべくならば『意味のある出口』を用意してあげたい。すべての木にそれが出来るわけではないものの、日頃からそういう事を考えておく事は大事なので、出口を考えることを習慣化させています。

しかしこちらが、いいと思った出口も相手があっての事なので、受け入れていただかなければ出口に導けません。今回はある飲食店のカウンターにお使いいただいたのですが、これが4m近いストレートのイチョウのカウンターと繋がります。この円型のカウンター、直径1200㎜あって、結構な大きさですが、生憎イチョウでは適サイズのものがなかったので、イチョウと同様によく水に耐えて、適度な弾力を持ち、質感も色合いもよく似たカヤをご提案したところ、快く受け入れていただきここに至りました。カヤの材を削るとは甘いバニラのような匂いがします(あくまでも私の個人的な感覚)が、この丸いカウンターが倉庫にある間は、大五木材の倉庫の中も甘いバニラの匂いに包まれていました。この丸いカウンターが使われたお店の情報についてはまた後日改めてご紹介します。




ネームプレートなどにするために小枝を輪切りにしていると、いびつな形のものが出来ます。お店で売ったりする分には、だいたい整った形の方がいいのかもしれませんが、こちらは「モッタイナイ」がベースの材木屋ですから、あるものをあるように使う。むしろ変わった形のものの方が個性と愛嬌があって面白いと感じます。偏屈者の私はどれか1個選べと言われば迷わず変わっている形のものをセレクトします。他人と同じものは嫌だという子どもって結構多くて、近所のこどもに見せたらやっぱり変わった形のものを選んでしたり顔をしていました。

持っているスライド丸鋸がそれほど大きくないので、せいぜい切断できるのは直径60㎜ぐらいまでの枝になるのですが、ただ輪切りにしただけで、ただそこに転がっていただけの丸太が一気に商品になったような錯覚に陥ります。輪切りにした直後はまだ水分がたっぷりと含まれていて材面も瑞々しく、大鋸屑も付着したりしていますが、水気を帯びたこの状態の木の色が好きです。この季節空気も乾燥しているので、表に出しておけば日陰でもすぐに水気が抜けていきます。それに伴いあれだけ瑞々しかった色合いが・・・

欲を出して枚数をかせごうとして厚みを薄くスライスすると乾燥によってねじれたり凸凹になってしまいます。まあそれも一興。ろくろ状に加工でもしていれば、定規を使って厚みも一定でスライスできますが、曲がりくねった自然の枝をそのまま使っているので厚みも適当。怪我をしなうようなほどほどバラバラサイズ。作っていたら、いつもの「モッタイナイ病」が発症して、直径30~40㎜ぐらいの小さな枝までスライスしてしまいました。庭木などをいただく際に小枝も一緒にもらうので、土場には結構小枝が溜まっています。

小枝もそのまま放置しておくと割れてしまったり、樹皮がよごれたり劣化してしまうので、もらってきた新鮮なうちにスライスしてしまえばいいのでしょうが、それやってると小枝の輪切りが溢れてしまいます。まあそれでもあればあるなりにイベントなどでもはけていくので作っておいてもいいのですが、あまりのめり込むと今度は『多樹種異常溺愛症候群』が顔を出してしまいそうになるのでほどほどにしておきます。と言いつつも、もしこれが商品化まで行きつけば、小枝まで使い尽くせる、『森の小枝240』恐ろしい・・・




大五木材の朝は早い。早朝から仕事を始めていた大工さんに合わせるために、朝は7時前に社員が出社するので、私はそれより先に事務所の鍵を開けなければならないので、6時30分には会社に行かなければなりませんでした。若い頃はそれが苦痛で、独身の頃に深酒でもした日には朝起きれなくて、既に社員が出社していて倉庫で待ってくれていたこともしばしば。当時は大工さんたちが「棟梁」としてバリバリに活躍されていた頃で、会社を開けるとすぐに電話が鳴ったり、大工さんの軽トラがやって来たりと、早起きは必須の状況でもありました。

それから年月が経ち、大工さん自体が木材を持たない(工務店が木材を手配するように移行)ようになると、早朝から材木屋にやって来る大工さんも減ったのですが、今度は早朝から木材を積んで遠方にリフォーム作業に行く業者の方が増えて、時には玄関のカーテンを開けると、門の外に軽トラが停まっていたこともありました。なのでやっぱり朝早く店を開ける必要がありました。それからまた月日が流れ、早朝より営業するプロ対応の大型のホームセンターが登場すると、そういう人たちはそちらに流れていきました。

その後、すっかり木材の潮流はプレカットになり、個人の大工さんが木材を仕入れることが激減すると、早朝から訪れる人はいなくなったのですが、その頃からの長い商習慣と、歳をとったら朝が早くなる、朝の混雑を避けたいので早く通勤したいなどの理由で、やっぱり今も朝早くから店を開けています。昔に比べると少しだけ遅くなって、今はだいたい6時45分ぐらいに開店していますが、さすがにこの時期で天気も悪いと朝はまだ真っ暗。月明かりに照らされながら門を開けるという事もあります。

門が古いので開閉時にもの凄い音をするため、近づいてくる足音に気づかず、暗闇からすっと人影が現れたりしてドキッとすることがあります。それもこの季節ならではのことで、というのも2月の上旬にこの辺りがコースとなる『愛媛マラソン』が開催されるため、出場される選手たちが早朝からトレーニングしているのです。毎年、このドキッを経験すると、マラソン大会の季節になったなあと思うのですが、こうして朝暗いうちから重たい門を開け続けて30年。あとどれぐらい続けることが出来るのだろうかなんて考えます。




昨年のゴールデンウイークに改造をした『端材コーナー』ですが、以前の「端材の山の中からお宝を探し出す冒険譚」的面白さは無くなったものの、とりあえず陳列されているので飛躍的に見やすくなったと好評で、ご来店されるお客さんの数も圧倒的に増えて成果も上がっています。毎週のように端材を求めて来られる常連さんも多くなったのですが、そうなると変わり映えしない商品がなんだか申し訳ない。ということもあって、定期的に『特集』を組んでみたりしたものの、単一樹種というセレクトの反応がいまひとつ。

やはり売れていくのはちょっと珍しい木の端材だったり、色目の濃いものや、複数の樹種が混じったセット品など。その中でも角材よりは平材の方が足も速くよく売れます。糸鋸や彫刻などをされる方も多いので、軟らかめで材が均質なアユースやジェルトンなども人気。全国の木工ファンを対象としているオンラインショップとでは売れ筋も随分と違います。ネットで販売している商品は店頭でも販売していますが、ご来店される場合は車で持って帰られるので、比較的大きなサイズの方が売れたりもします。

そんな感じで消費動向も少しずつ見えて来たのですが、端材が生まれるペースと端材が売れていくペースが全然釣り合ってなくて、端材コーナ隣には、そこに並べられる予定の端材の山がいくつも出来上がっています(笑)。そちらは加工もしれなければ値札もついていない状態のまま野積みしているのですが、常連さんになるとそちらの中から材を探り出されるなど、本末転倒な事態となってしまっているので、これは改善が必要。ということで、決算も近いので思い切って端材コーナーの特別セールを決断!

材の入れ替えと倉庫の整理も兼ねて、2月3日の月曜日から2月29日の土曜日までの一か月間、端材コーナーに陳列してある木材を値札の50%で販売させていただきます!ただし価格が1万円以内のものとさせていただきます(まあ、ほとんどが1万円以内ですが)。期間中は学生20%OFFは適用外となります。ご来店してご購入される店頭販売のみのセールで、オンラインショップではこのセールは行いません。いろいろな広葉樹をお求めの木工ファンの皆さん、この機会に沢山ご購入いただき陳列棚を空っぽにして下さい~(切なる願い)。




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