森のかけら | 大五木材


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20110218 欠けぬかけら、欠けるかけら①2月も早半分が過ぎてしまいましたが、今月に入って【森のかけら】にたくさんのお問い合わせ、ご注文をいただいており、ありがたい限りです。それぞれのご注文先は、県も年齢も職業も異なるので関連性はないと思うのですが、こういうのも波というか目には見えないバイオリズムのようなものがあるように思います。たまたま雑誌や新聞に出たとでもいうのなら、その影響で各地から注文が舞い込むというのは分かるのですが、そういう特別な事もないのに不思議と期せずして同時期に注文が重なる事があります。

 

20110218 欠けぬかけら、欠けるかけら②ネット、メールの時代ですから、遠く離れていようともすぐに情報は伝わります。以前に、ご購入していただいた方がご自信のブログで【森のかけら】の事を取り上げていただいて、それをご覧になって興味を持たれた方からのご注文がありました。ご注文いただいた方それぞれに「どこでお知りになりました?」なんて尋ねたりはしませんので、どこからこの『隠れの里』の事を探し当てられたかは存じませんが、案外そういうご縁が見えない所でつながっているのかもしれません。メディアで取り上げていただいたりしたお陰で、ご注文とは別に「うちのサイトで【森のかけら】を取り扱いませんか?」とか、「もっとお客さんが呼び込める方法があります」云々のお電話、メールもたくさんいただくようになりました。そもそもが端材の活用というところからスタートしているので、大量にご注文をいただいても、大量生産して対応出来る体制ではありません。

 

20110218 欠けぬかけら、欠けるかけら③例えそういう体制であったとしても、そういうところのお世話になるつもりもありません。好調なときほど気持ちを引き締めないと、『好事魔多し』という諺もありますので、己の身の丈をよく知っておかねばならないと思います。実際、ご注文が増えるに比例して『欠品』も増えてしまいます。以前から欠品していた『アベマキ』や『クロガネモチ』、『プラタナス』などに続いて、『屋久杉』、『鹿子木』、『ペアーウッド』など、もともと在庫の少なかった樹種のストックも底をつきそうな気配です。『屋久杉』なんて、あれほど作ったのに~!?という印象です。

 

20110218 欠けぬかけら、欠けるかけら④それぞれの樹種を均等量に作れば在庫負担も軽減されるし、供給も安定するという事は当然分かっています。頭では分かっているものの、加工できる材が揃うとついついまとめてしまうのです。ある程度在庫を持ってないと不安に思うのは、根が貧乏性だからでしょうか。しかし、そんな事ばかりも言ってられません。少しでも欠品を減らすべく頑張らねば!※ご迷惑をお掛けいたしますが、1日でも早く欠品の解消に努めておりますので、もう少々のご辛抱を・・・。




20110216 続・ローマのかけら①森のかけら達はこうしてイタリアの人(かけら)となりました。ミラノで藤山さんがかけらに尋ねてみたそうです。「かけら君、イタリアのいろいろな所に連れて行ってあげたけど、一番印象に残ったイタリアの都市はどこ?」するとかけらは、「いずこも忘れ難く善し悪しを決めるのは困難、、、いえ、ローマです!無論ローマです。今回の訪問は永遠に忘れ得ぬ想い出となるでしょう。」って言ったら、ミラノでコスプレ中のダースベイダーに藤山さんが首を絞まられてしまいました!口は災いのもとでした・・・。

20110216 続・ローマのかけら②現在イタリアではベルルスコー二首相の退陣を求める抗議デモで街全体が喧騒中ですが、藤山さんが行かれた時は騒動前で、ゴミひとつ落ちていない美しく閑静な街の姿に感動されたそうです。ローマ駅近くには、石細工や革細工の職人達が集まるアトリエやショップが軒を連ね活気に満ち溢れていたとも。そういう風景が普通の日常の中に混在していて、生活の中にアートを受け入れる土壌が出来ているんでしょうね。日本でアートは「特別な人」が行う「特別な事」です。

 

20110216 続・ローマのかけら③さて、藤山さんはいろいろな飲食店でも精力的に取材をされて、その後向かった先は、ローマ郊外在住のイタリア人アーティスト、カルロ・ゴーリ(Carlo Gori)さんのアトリエ。カルロさんの奥様は日本人で、よく来日されていて、藤山さんとは以前から交流があり、元俳優にして、美術館のディレクターであり、自分自身もアーティストであるというマルチなお方。早速、お土産に【森のかけら36】をお渡しして、ベランダでお約束の記念写真を1枚。さすが元俳優、【森のかけら】を抱える姿も決まっています。

20110216 続・ローマのかけら④実はこのカルロさん、昨年愛媛で個展をされていたのです。それにも藤山さんが関わられていて、今後もイタリアと愛媛でアートを通じた交流を広めていく足がかりとしてのイベントだったようです。その時は、その展示会の事は知らなかった(聞いていてもこちらに受け入れるアンテナがなかった)ので参加も出来ませんでしたが、にも関わらずこうしてつながりが出来たのは、何かのご縁があるのだろうと思います。藤山さんたちはこういう地道な活動を通じて、愛媛にも面白い楽しいアートを広めていこうと真摯に活動されています。【森のかけら】を作り、『LOOPTO』や『えひめイズム』で異業種の方々と触れ合う事がなければ、私には無縁の世界であったかもしれません。材木屋風情が何をアートと気取った事をと笑われる方もいらっしゃいますが、現在の木材業に欠落しているのは、人を楽しませること、つまり木の魅せ方だと思うのです。

 

20110216 続・ローマのかけら⑤ただ強度や乾燥、品質、価格といったハード面ばかりをハウスメーカーにPRするのではなく、最終消費者である住まい手に、どれだけ木の魅力を物語るかというソフトの部分がまったく行われていません。昔、製材所は丸いものを四角にするだけと揶揄された事もありましたが、とかく「挽く、作る」事ばかりが重視され、その先の「木の魅力を伝えて理解してもらい、買っていただき喜んでいただく」というプロセスが短略化されて、木材業界全体が「木を売る」事ばかりに熱心だったように感じます。その結果が、和室の減少であり、異素材への転換、材の工業化であったのかもしれません。結局自らが、その良さを語ることなく滅亡してしまおうとしているかの如く。実はその「木語り」の部分こそが、私をアートの世界の窓を覗かせたくれたきっかけだったのです。アートって小難しい理屈ではなくて、人を喜ばせるもの、驚かせて楽しい気分にさせるもの全てに関わる要素だと思うのです。あ、また長くなりそうなので続きは明日・・・。

 




20110215 ローマのかけら①それでは藤山さんのイタリアでの足跡を追ってみます。関空を飛び立ち、フィンランドのヘルシンキを経由して最初に辿り着いたのは、イタリアはミラノ。イタリアには、バールという独特の文化があるそうで、イタリア人にとってカフェは生活と切り離せれない日常の一部であるというのです。イタリア全土でその数は16万軒にも及ぶといわれています。それは単なるカフェではなく、自分のペースでひとびとが思い思いに立ち寄る、料理やお酒、カプチーノなんどを楽しみ、集まった人たちと会話も楽しみ、地域のコミニュケーションづくりに欠かすことの出来ない重要な意味合いを持っている場らしいのです。朝昼晩と時間帯において、バールはそれぞれの顔があるようです。こちらは、70歳になるバールの現役バリスタおじいさん。顔に刻まれた深い皺。まるで俳優のような、そこに居るだけで絵になる雰囲気が滲み出ています。彼が手にされているのは今回特別に製作したPIECES OF JAPAN』。

 

20110215 ローマのかけら②そしてこちらは、ミラノドーム(教会)の前での1枚。藤山さんの荷物に紛れて、【森のかけら】も遂にイタリアまで本当にやって来ました!【森のかけら】を作り始めた頃、世界はおろか日本国内でもこれほど多くの方に求められるとは想像できませんでしたが、APECをはじめ、ありえないような事が次々にこうして実現しています。やはり世の中に、真剣に強く望んでいれば不可能なんてないんだと思います。

 

20110215 ローマのかけら③そこからユーロスターでフィレンツェに移動してローマに入られました。こちらは超有名なフィレンツェのベッキオ橋での1枚!合成写真などではありません!プロのカメラマンでもある藤山さんの手にかかり、テレビのCMにでも出てきそうな気品すら感じてしまうのです。ベッキオ橋は、1345年に再建されたイタリア最古の橋にして、雨の日でも対岸の境界まで傘をささずに行けるように架けたといわれる超贅沢な2層式の橋で、橋の建設費などを負担した宝石商の店が軒を連ねています。

20110215 ローマのかけら④その歴史ある橋の欄干に横たわり、石造りの瀟洒な店舗を背景に【森の5かけら】が存在感を放っています。当初、外国向けに【森の5かけら】の解説書やラベルも英語表示にしようか悩みましたが、デザインを担当していただいているパルスデザインの大内さんの助言もあり、ここはメイド・イン・ジャパンの商品として、堂々と日本語でいく事に決めました。自分が逆の立場であればきっとそうするであるように、本当に興味がある方は、日本語の意味も調べていただくでしょう。

20110215 ローマのかけら⑤そもそも日本語の商品にイタリア語のラベルが貼ってあるモノを渡されたら、現地のイタリア人はどう思うでしょうか。言葉やラベルのロゴ、デザインなども含めてすべてがひとつの商品です。やはりイタリアの方も日本語のラベルを楽しんでもらったようです。もう揺るぎません!さて、その後に藤山さんはローマに移動。精力的に仕事をこなされながらも、【森のかけら】のプレゼンまでもしっかりしていただきました、ありがたいっ。こちらは、ローマのフェラーリショップでのひとコマ。石の文化・イタリアですが、素材が『木のモノ』であるという事よりも、デザインそのものに関心があるようで、ネジ式の『円き箱』に興味を示されたようです。やはりアートの土壌がある国なので、こういう商品でも自然体で受け入れていただけるようです。日本では商品の背景の物語が重要ですが、イタリアではデザインありき。小さな殻の中にいては見えないことばかり。




20110214 フィレンツェからの1.6ユーロ①先日お話した「森のかけら・イタリア紀行」ですが、帰国された藤山健さんから詳しくお話を伺う事が出来ました。藤山さんは、いつもこのブログに登場する「ブルーマーブル」と、大街道商店街の中にある「ナテュレ」の2店舗の喫茶店を経営されていらっしゃいますが、実は私「ブルーマーブル」にはもう数十回もお邪魔していますが、「ナテュレのお店は行った事がありませんでした。藤山さんは両方のお店を行き来されているので、今回初めて「ナテュレ」でお話を伺いました。20数年も松山に住んでいて、もう何度このお店の前を通ったか分かりませんが、お店の敷居をまたぐのは初めて。市内の喫茶店オーナーとは、お店の工事やテーブルの納材などで、普通の方よりはたくさん知り合いがいますが、それでも生きている間に行ける事の出来るお店の数は限られています。こうしてお店でオーナーとお話が出来るのもありがたいご縁です。

 

20110214 フィレンツェからの1.6ユーロ②藤山さんのお店では、世界中の美味しいコーヒー豆を厳選して、世界各地の個性あるコーヒーを提供されていますが、そのコンセプトは【森のかけら】に相通づるとろこがあるんだと思います。世界中の木を見てみたい、触ってみたい、世界中のコーヒーを味わってみたい、みんなにも飲んでもらい。今まで藤山さんともたくさん話をしてきて、細かな話をしなくても、話の導入部分だけでお互いすぐにピント来るのも、似た感覚を根っこに持つ同じ種族だからだと思うのです。

 

20110214 フィレンツェからの1.6ユーロ③今までにも藤山さんには世界各地のさまざまな味のコーヒーをご馳走になりましたが、サクラカバの差異が一般の方には判別しづらいように、その道の専門家でないとデリケートな差異はうまく表現できないのがもどかしいところです。しかし木がそうであるように、食も自分との相性で考えたので良いのではないかと考えています。「ナテュレ」さんでは『ブックフェア』を開催中でしたが、たまたまお客さんの少ない時間帯でしたので、じっくりと藤山さんを取材させていただきました。取材のお供に濃い目の珈琲をとお願いしたところ、今回藤山さんが選んで下さったのが、この『ハンマージャンマー/Hammer Jammer』。エスプレッソにプランジャーを注ぐというコーヒーでした。先般JALの機内誌に取り上げられたのもこのコーヒーです。味覚をうまく表現できる能力が欠如しているので、その美味しさをうまく伝えられませんが、ガツンとパンチのあるしっかりした味のコーヒーでした。

 

20110214 フィレンツェからの1.6ユーロ④今回、藤山さんが渡伊れたのは、『カフェスイーツ』という珈琲業界では有名な雑誌の取材が目的で、そのお仕事に便乗させていただいたのです。普通ならご迷惑な話でしょうが、藤山さんは懐が深く、こういう話には楽しんで乗っていただきます。それが分かっていてこそのお願いであったのですが・・・少々厚かましいぐらいでないと、幸運の女神の後ろ髪をつかみ損ないます!そこで厚かましくも、行く道は荷物が少ないという藤山さんに託したのが、こちらの【森のかけら】関連商品の数々、こんなに・・・。

 

20110214 フィレンツェからの1.6ユーロ⑤その中に『木言葉書』もあったのですが、その内の1枚をイタリアからエアメールで送っていただけませんかと更に厚かましいお願いもしていたのですが、そのお願いが一足早く弊社に届きました。それがこちらの『樅の木言葉書』。お忙しい中、律儀に約束を果たしていただきました、ありがたい!エアメールなど出した事がなかったので知りませんでしたが、現地から日本に送る場合、とりあえず「JAPAN」と書いておけば、日本向けの空港便に集荷されるので、住所は日本語でも届くんですね。ミラノの街でご一筆したためていただき、フィレンツェの郵便局に持ち込んでいただきました。イタリアからE1.6(1ユーロ60セント)で届きました(約190円)。現地の郵便局でこのハガキを出したところ、受付のイタリア人の間でもその扱いでひと騒動あったようです。こんなモノがジャパンまで届くのか?いくらにすればいいのか?それでついた値段がこれで、実際にジャパンに届きました。いざ、ローマへ!明日に続く・・・。

※ちなみに通常の日本へのエアメールだと郵便料金は、ハガキ、封書50gまでともにE1.15(1ユーロ15セント)です。




20110212 名画の中のダスティン・神代・ホフマン①昨日のブログでは、本当は『二回・午前十時の映画祭』の事に触れようと思っていたのですが、映画の話から木の話に逆脱線(?)してしまったので、今日は改めて映画の話をおひとつ。映画の興行の話ですが、最近でこそ日本映画(宮崎アニメなどの功績も含め)の奮闘ぶりが目立っていますが、私が高校生、大学生の頃は完全な『洋高邦低』の時代で、毎年日本映画界の苦境が叫ばれていました。ハリウッドの大型資本の機械仕掛けの大作は、空気が乾燥していて爽やかで、我々の眼にも眩しく映りました。一方で当時の日本映画は、生活感に満ち溢れ、ウエットな画面はどこか重たく暗く地味で、貧乏くさく感じられたのでした。その長く暗い暗黒の冬の時代を乗り越え、現在日本映画は驚異の復活を遂げたのですが、その人気にあぐらをかいていてはその栄華も続かないでしょう。日本映画が奮闘しているのは勿論ですが、相対的に外国映画、特にアメリカ映画が急速に幼稚化・陳腐化してしまっている事が影響しているようにも思えます。

20110212 名画の中のダスティン・神代・ホフマン②昨年からの3D化の波は今年一層高まりそうですが、3D映画こそアメリカ映画の物語を創造する力の欠落を象徴する徒花(あだばな)のように思われるのです。かつては街に1つぐらいは名画座はあったものですが、今や名画をスクリーンで鑑賞出来る機会は地方ではほぼ消滅しつつあります。その分、DVDやブルーレイで観ることは可能になったので、より名画が身近になったとも言えるかもしれません。

 

20110212 名画の中のダスティン・神代・ホフマン③かつて名画は映画通の記憶の中で語られるものでしたが、それに比べたら現在はすぐに画像や台詞の確認が出来る分だけ、鑑賞後に記憶の物語が膨らむことがなくなりました。つまり伝説の生まれにくい検証の時代です。好きな映画を繰り返し飽きれるほど観れる喜びと、好きな映画を自分の当時の思い出とオーバーラップさせて、なかったはずのカットを作り上げ、台詞を感動的に塗り替え、まるで別の物語のように膨らませながら友と語る楽しみを天秤にかけた時、『大スクリーンで観たとういう共同体験』に分があるように思うのです。

20110212 名画の中のダスティン・神代・ホフマン④リアルタイムでなくとも、一定期間に劇場で上映されたという一点において、ある作品を観るために劇場に足を運び、料金を支払い、時間を費やしたという共同体験が人と人をつなげていくのだと思います。そういう意味においても、今回の『二回・午前十時の映画祭』には大きな意義があると思うのです。会場の大街道の劇場は、大街道商店街の苦境を象徴するが如く閑散としていたのですが、(人混みの苦手な)私としては大いにありがたいのです。土、日曜日でもシニア世代が10人未満というところですが、普段映画館には足を運ばなそうな初老の夫婦などもいらっしゃいます。きっと若かりし頃に観た懐かしい映画を久し振りに観に来られたという雰囲気です。

連休なので、もう少しこの話続けさせていただきます!




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