森のかけら | 大五木材


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20140726 1木に携わる仕事をされる方に『釣り』好きな方が多いのは業界の常識なのでしょうか?私がこの仕事に就いた頃は、まだまだ個人大工さんがバリバリに活躍されていましたが、釣り好きな大工さんは沢山いらっしゃいました。当時は携帯電話なんかありませんでしたので、ひとたび棟梁が釣りにでも行かれたら、いつ帰って来られるかも分からないなんてこともしばしばありました。大きな仕事が終えると職人さんたちを連れ添って泊りがけで遠方まで出かけられるケースもありました。

 

Exif_JPEG_PICTURE弊社の懐刀である家具職人・善家雅智君(ZEN FURNITUREもそんな釣り好きのひとりで、先日はその釣果のおすそ分けをいただきました。弊社の近くの海で釣ってきたというクーラーの中には、タコや魚がが10数匹!善家君の名誉のために付け加えておくと、海の近くで朝一に仕事の打ち合わせがあったので、早朝4時頃から釣りに出かけて、約束の時間に戻ってきっちり仕事をこなして来たので、決して昼間から釣り三昧というわけではありませんし、それほど暇ではありません。

 

Exif_JPEG_PICTUREリアル動物が苦手な私としては、釣りそのものにはあまり興味はないどころか、情けない事に触るのも苦手・・・。社会人になってからどういうわけか味覚が変わったようで、刺身も食べられるようになったのですが(美味しい寿司を食べたからでしょうか?!)、子どもの頃は食卓に魚料理が並ぶと、その匂いだけでもNGでした。何かトラウマになるような事件があったとかいうわけでもないのですが、なぜだか昔から『海のモノ』が苦手で、その影響もあって泳ぎも苦手です。

 

20140726 4どうしてそんなに海のモノや水が苦手になったのかなあと考えてみましたが、もしかしたら小さい頃に観た海洋パニック映画が知らず知らずのうちに私の脳内で海のモノへの拒否感を育てていたのか?!その反動として、山のモノや森に目覚めるようになったのか?!そういえば、小さい頃は木や森には関心や興味も一切ありませんでした。むむむ、これはもしや!そういう視点で考えると、少年時代に私に海の恐怖を与えた映画として思い当たるものがいくつか・・・そう、タコの映画!

 




Exif_JPEG_PICTURE弊社の【森のかけら】は、日本の木120種と世界の木120種の合計240種からお好きなものを100個(あるいは36個)選んでいただくという構成になっています。それだけでも、こんなに種類があるんですね~!と驚かれる方もいらっしゃいますが、私としては『わずか240種しか集められなかった』という悔恨の念があるのです。本当はあれもこれも入れたかったという木がまだまだあって、材さえ揃えられたならば、【森のかけら1000】にでもしたかったのです!

 

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なにしろ世界には20万~30万種もの植物があると言われています(さまざまな見解があって数百万という説もあるようですが)ので、240種なんてごくごく一部。ただし建築材や家具材として一般的に流通している木については、余程取り上げているとは思っているのですが、地域性による「見解の相違」はあります。当時は探しても探しても縁が無かった木が、今頃になって向こうの方からサラッと舞い込んできたりするのは悔しいような嬉しいような複雑な心境です。

20140724 3それらの木については、『ジャパン・プレミアのかけら36』として新たなシリーズを作ろうかとも考えていたのですが、そうなると供給の安定が問題となってきますので、『かけら』のセットものではなく、個別に対応が出来る『森のりんご』として世に出していくことにしました。そうやって少しずつ生まれているのがこちらの『森のりんご』たち。【森のかけら】に含まれる樹種でも『りんご』に出世するものもありますが、その基準はすべて私の独断と偏見

 

Exif_JPEG_PICTUREこちらの画像は以前にこのブログでもご紹介した『カイヅカイブキ(左)』と『シキ(右)』。植物性オイルを塗っていますので、濡れ色になってより深みが出ています。この2種はそれぞれ独特の香りを持っていて、柑橘系の塗料を塗ってさえもその匂いは健在。シキミやカイヅカイブキの匂いを嗅ぐと、脳内に祭祀のイメージが湧いて静粛な気持ちになるのですが、この個性あふれる『香り』たちも何とか商品化出来ないもの思案しております。蓼食う虫も好き好き

 

  『森のりんご』シキミ、カイヅカイブキ →  香りに敬意を込めてプレミアクラス¥5,000 /個(税別)

 




20140724 1新しい木材図鑑が出るとついつい買ってしまいます。メジャーな木材については、ほぼ語り尽くされた感があって、なかなか新しい発見は少ないものの、【森のかけら240】に含まれていない(おとなの事情で含めれなかった)あまり一般的ではない樹種などについては、その特徴や名前の由来を読むだけでもワクワクしてきます。例えそれが手元になかったり、入手の見込みがなくとも!そんな木の1つが、本日俎上に上るヤナギ科ヤマナラシ属の落葉高木『ヤマナラシ』!

 

20140724 2ヤマナラシという変わった木の名前の由来は、その葉柄が長く扁平であるため、少しの風でもすぐに横揺れし、隣り合う葉が互いに擦れ合ってカサカサと葉音を立てることが、あたかも山が鳴っているように聞こえるというので『山鳴らし』という名前がついたということです。この特徴は広く国外でもこの木の仲間の由来となっているようで、中国産のヤマナラシは葉の擦れる音から「風響樹」という趣きのある名前が付けられていますし、学名も「震える」という語彙が語源となっているそうです。

20140724 3またヤマナラシには、『ハコヤナギ』の別名もありますが、それはこの木の木肌が白い事から京都などで扇箱や箱材に利用されたためだとされています。その他にも、同じような特徴を持つドロヤナギと共に、マッチの軸木、箸、パルプ材、包装箱、まな板、下駄、爪楊枝、経木、パーティクルボード、火薬用木炭など、材が低評価な割にはさまざまな用途に使われています。また英語ではドロヤナギの事を『ポプラ/Poplar』、ヤマナラシの事を『アスペン/Aspen』と呼び分けています。

 

20140724 5山が鳴る」という響きから私が連想するのは、黒澤明監督の名作『蜘蛛巣城』。シェイクスピアの有名な戯曲「マクベス」を題材にし、1957年に黒澤明がメガホンを取った映画です。ストーリーはほぼ忠実に原作を踏襲していて、舞台が戦国時代にそのまま置き換わっています。モノクロの映画ですが、老婆のメイクなどあまりに迫真に迫りおどろおどろしさも半端ではありません。物語りの見せ場は、老婆の予言どおりに「森が動き出すシーン」。眼前に迫る森におろのき逃げ惑う戦国武将。

 

20140724 4これは敵対する武将の作戦で(このシーンの演出は円谷〔ウルトラマン〕英二の手によるもの)、逃げ惑う武将に向けて数十本の矢が降り注ぎます。逃げる武将を追うようにこれでもかと執拗に矢が飛んでくるのですが、何とこれ特撮でもワイヤー操演でもなく、実際に弓矢の名人が本物の矢を放っていたのです!逃げる武将を演じたのは名優・三船敏郎。三船が「俺を殺す気か!」と激昂したというのは有名な話ですが、その形相はまさに本物の死を感じた恐怖!私のヤマナラシのイメージの断片でした。




Exif_JPEG_PICTURE道後オンセナート2014」で賑わう道後界隈ですが、国際交流にも熱心で、台湾の台北市とも温泉交流なる取り組みをされているようです。やはりときどきはこうして実際に『』の立場で道後にも来てみないと、分からないもの、見えないものが沢山あります。車で配達に来てサッと通り過ぎるのとでは感じ方も随分違います。時々県外からのお客様のリクエストで、道後で温泉&宿泊などのご依頼もあるので、最新情報も足で歩いて探しておかねばと痛感した次第。

 

Exif_JPEG_PICTUREさて、子どもたちは久々に道後の雰囲気と温泉を楽しみたいという事でしたので、敢えて本館から少し離れた駐車場に車を停めて、夕暮れ時の道後の街をぶらぶらと散策。連休最終日の夕方という事もあって、人もまばらでのんびりと道後の情緒を家族水入らずで楽しめました。私は息子と一緒に風呂に入ったのですが、お約束の風呂上がりのコーヒー牛乳も一気飲みして満足なご様子の息子。無邪気な息子を見ていると、いつまでこんな事が出来るのかしらと感慨にふけってみたり。

 

Exif_JPEG_PICTURE男チームはカラスの行水ですので、さっさと出て外で待っていると、たまたま巨大なミスト(霧)に遭遇!後で知ったのですが、2時間おきに中谷芙二子さんの演出による『霧の彫刻』というアート作品が出現するという企画だったらしく、慌ててカメラを取り出そうとしたものの間に合いませんでしたが、これを見るためだけにでももう一度行きたくなるほど幻想的で美しい霧でした。 そのうち周辺もすっかり暗闇に包ままれ、我が家のわずか数時間の道後観光は終了しました。

 

20140723 4実は先月にも湯玉はがきのご注文を受けまして納品させていただいたところなので、実際にこどもたちにも「証拠」を見せておこうという思いもあったのですが、残念ながらあまり関心を引かなかったようです・・・。それでも継続的にご注文があるという事は、ずっと売れている事だと思うのですが、地味でシンプルな商品ながら『愛媛の木』が愛媛を代表する観光地のお土産としてささやかながらでもお役に立っているという事は、『森の出口』を模索する私の心の灯りとなるのです。




20140722 1子どもたちも夏休みに入り、それぞれ初めての中学の夏休み、初めての高校の夏休みを経験。3人とも部活に入ってい汗を流しているのですが、部活の練習時間や補修などの時間を考えると、家族全員で遠くにお出かけする時間が取れないのも現実です。そんな中、たまたま夕方から家族全員が揃って空いた時間が出来たので、遠出は出来ないのですが、久しぶりに『オンセナート』で賑わう道後温泉に行ってみる事にしました。こんな風に家族で動けるのもいつまでだろうか・・・。

 

20140722 2現在道後温泉周辺では、「道後オンセナート2014」と題したアートフェスティバルが開催されています。この春、歴史ある日本最古の温泉・道後温泉が改築120年の代還暦を迎える事を記念してのビッグ・プロジェクトで、道後界隈の9軒のホテル、旅館のそれぞれ各一室を有名アーティスト達がアートに変身させる「HOTEL HORIZONTAL(ホテルホリゾンタル)」をはじめ、大小様々なイベントが開催されていて、その模様はよく地元のローカルースにもなっています。

Exif_JPEG_PICTUREかの谷川俊太郎さんも関わられていて、国内外の著名なアーティスト、デザイナーの皆さんが大勢参加されているようですが、関連ニュースはザックリ目を通しているものの詳細については疎く・・・根本的に人混みが苦手なので、車でわずか10分足らずの距離にも関わらずなかなか気持ちが動意せず。道後温泉の魅力って、温泉と宿泊だと思うのですが、考えてみれば湯に入った事はあっても泊まったことはありません。そうか、地元に人ほどその魅力を体感していないのでは?!

 

20140722 4日本書紀にも登場するという歴史こそが道後温泉の真骨頂ではありますが、老朽化という問題もあり、喧々諤々の論争はあったもののようやく道後温泉本館の耐震改修工事にも着手することが決まり、2017年の愛媛国体終了後に道後改修工事が始まる予定なのだそうですが、工事そのものに10年かかるとかいう事で、その間の観光客減少は明らかで、周辺のホテル・旅館関係者の方にとっては死活問題。東京五輪開催中は工事を中断してはどうか、などという案も出ているそうですが・・・

Exif_JPEG_PICTUREしかし、それはある意味観光産業の宿命であり、避けては通れない運命。形あるものはいずれ形を変え、壊れていくもの。あまりに長い間『在る事』に慣れてしまうと、在る事が当然のように思えて、経年変化にも鈍くなり、やがてくる『賞味期限』が突然目の前に現れたように感じて戸惑い動揺してしまうもの。何だかそれは、空気のように思ってしまっている機械や車両がある日突然動かくなって、そのありがたみに気づかされながらも対応に右往左往するわが身にも似たり。

 




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