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まだ続くのかと思われる出雲紀行もこれで最後。本当はもう一週間ぐらいアップできるぐらいのネタはあるのですが、さすがに2週続けると「出雲ブログ」になってしいそうなので、泣く泣く本日で打ち止めとさせていただきます。三瓶小豆原埋没林公園を出た一行は、その足で車で5,6分の距離にある『島根県立三瓶自然館・サヒメル』に向かいました。私はこちらも2回目なのですが、いまだに「サヒメル」か「サメヒル」か覚えられません。道中道路の両端には除雪された大量の雪山が!そしてサヒメルも雪の中!
ここの標高は200m前後ということでしたから高いわけではないのですが、やはり大降雪地帯であることを改めて感じました。1週間前だったら来ることが出来なかったかもしれません。途中で見かけた大山も頭に万白いものを被って美しい姿を見せていました。ちなみに平成14年にオープンした当施設「サヒメル」というユニークな名前は、国引き神話に登場する三瓶山の古称「佐比売山(さひめやま)」の「サヒ」と、情報手段の「メール」をくっつけた造語ということでした。語源が分かると名前も覚えやすくなります。
木はどこでも与えられた場所で精一杯に命を謳歌させています。雲ひとつ無い澄み渡った紺碧の空と雪の白さが眩しく、地元にいては味わえないような冬らし季節感を味わいました。このサヒメルは恐ろしく巨大な施設で、多くの太古の出土品を擁する島根県の威信をかけた建物のようにも感じられます。こういう施設にありがちな 文章展示だけでなく具体的な事例が数多く展示してあるので観ていてもかなり楽しめます。それにしても歩き疲れるほどの巨大空間です。1日かけても充分楽しめます。
こちらの施設はプラネタリウムをはじめ見所はたくさんあるのですが、私にとっての一番の楽しみは、何といっても三瓶埋没林群から掘り出され移設されたした杉の巨木埋没林です!傾斜地にへばりつくように地中に触手を伸ばしたエイリアンのような姿と天に向かって聳え立つコントラストが妙にリアルで、もはや木ではない、捉えられた変身途中の異生物のようでもあります。やはりその姿からは、三瓶山の大噴火が想像を絶する地球の雄叫びであったことが想起されるのです。
館内には、この埋没林がどういうメカニズムで出来上がったなどの詳しい資料などが展示されています。土中の永い眠りから目覚めた土埋木の中でも、特に状態や色合いなどが良質なモノを、神の代(みよ)の時代から来たものという尊敬と畏怖の念を込めて、の「神の代」という冠を付けて、『神代木(ジンダイ木)』と表現します。まさにこの杉などはそれに該当するものでしょう。ただ長時間土中に眠れしモノというだけでなく、そのコンディションが重要になるので、あくまでも植物学的な命名ではなく、商業的、信仰的な意味合いで付けられたものだと思いますが、そのネーミングセンスは抜群です!木や植物の名前にしてもそうなのですが、昔の人の命名のセンスには惚れ惚れします。サルトリイバラとかネズミサシ、ナナカマド、カキダマシ、オノオレカンバなど名前を聞くだけでその姿がイメージされます。
情報の少ない時代にそのものの形や様子をうまく伝えるための工夫と遊び心、そして木や植物達が人間の生活に深く関わり、どれほど重要な意味を持っていたかの証明でもあると思います。商品名を何でも横文字にしてしまうがちな傾向の中で、日本語の商品名にこだわりたい理由がそこにあります。なるべく自国の言葉で説明・表示できるものにこだわりたあいと思います。さて、展示物の中でもうひとつ目を引くのがこちらの化石の標本。なんとこれが実際に太古の出雲地方の海を泳いでいたとか!
いかにも古代生物らしいどっしりした骨格が何だか郷愁を誘ったりします。その名を「デスモスチルス」といい、中新世に北太平洋の沿岸に生息していた哺乳類の仲間だそうです。展示されていた復元図では、手足の長いカバのようにも見えますが、かなりの巨躯です。こういう生物達が出雲の沖合いを悠々と泳いでいた時代、伐採される恐怖を知らない太古の巨木たちがその雄姿を競い合い、生命を謳歌していたのでしょうか。失ってから気がつくものばかりですが、故に存在に意味があり、限られた命が輝くのかも知れません。
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