森のかけら | 大五木材


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20110324 胸騒ぎのクロガネモチ・・・2①いろいろ悩んだ末に、厚み50mmぐらいのタイコ挽にしてもらいました。結構曲がりのある材だったので、どう木取りをすれば一番ロスが少ないかを思案したのですが、1枚でカウンター材というよりは、数枚を幅剥ぎしてテーブルなどを取る事が出来る方に考えました。画像のように桟積みして、これから最低でも1年ぐらいは寝かせるつもりです。乾燥機に入れればもっと早く使えるのですが、名前通りもっちりした質感のこの材が天然乾燥でどう乾いていくかも興味があるのでひたすら待ってみます。

 

20110324 胸騒ぎのクロガネモチ・・・2②その存在を忘れた頃がほぼ使い時、というぐらいの気長な忍耐が必要ですが、「木」としての命を奪ったのですから、「材」として再生させ、付き合う覚悟と責任として、それぐらいの時間は当然の事です。これで40~50年でしたから、高齢木になれば尚更のことでしょう。無理矢理強制的に乾かせてすぐに使おうとするから、木もねじれたり反ったりと暴れます。なにお非科学的な話を、と思われるかもしれませんが、木をただのマテリアルとしてしまったからこそ林業の衰退が始まったのではないでしょうか。

 

20110324 胸騒ぎのクロガネモチ・・・2③木を伐ったり、削ったり、加工する際に多少なりとも畏敬の念や感謝の気持ちも感じないようでは、木目の妙味や木柄の雅趣などを語る資格はないと思います。そこに至るまでの森での生き様に思いをはせ、森の恵みを大切に使うという部分の欠落は、木材業に携わる人間にとって根幹をなす部分だと思うのです。そこから、端材も捨てずに大切に使う、粗末に扱わない、という考え方が生まれてくるのではないかと思うのですが。ですので、クロガネモチの端材もここまでしっかり活用させていただきます!

 

20110324 胸騒ぎのクロガネモチ・・・2④よく、こんなモノ何に使うのか?と尋ねるお方がいらっしゃいますが、それこそが材木屋の本懐!さまざまな経験と知恵と工夫で、どう活かすか考えるのが楽しみであり商売の醍醐味だと思うのですが、それを放棄してどうするつもりなのかと逆に訊きたいぐらいです。アートや飲食、ブライダル、医療など異分野とをつなぐ『森の出口』がつながって以来、その可能性は更に高まっています。クロガネモチは、カネモチ(金持ち)を連想させるところから縁起が良いともされますが、こういう伝承も使えます!

 

20110324 胸騒ぎのクロガネモチ・・・2⑤樹形はモチノキによく似ているのですが、新枝や葉が柄が黒っぽく、葉が乾燥すると黒褐色になるところから黒鉄(鉄の古称であるクロガネ)を連想させ、そこからこの名前がついたとされています。私もこれだけ大きなクロガネモチを使うのはこれが初めてなのですが、こうした新たな材との邂逅にはいつもドキドキして心が騒ぐのです。今まであれだけ臨んで手に入らなかったクロガネモチ、さあこれから長い時間を掛けてたっぷりと骨まで味わい尽くさせていただこうと思っています。その経緯はいずれ忘れた頃に・・・。




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