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それでは昨日に引き続いて映画『ピラニア3D』の話です。いつもは公開直後の映画の場合、内容にはあまり触れませんが、今回はご法度破りで結構内容を披露してしまいましたが、これは配給会社がメジャーではないので、拡大ロードショーなど臨むべくもなく、あっという間に公開が終わってしまうからです。松山においても、上映しているのはわずかに1館。しかもそれが3Dにあるにも関わらず、1日2回の上映回数です。うかうかしていたら見逃してしまいます!まあ、この手の映画は昔だったら、深夜の洋画劇場あたりで宣伝も無くこっそり放送され、奇跡的にそれを観た人間の間で幻の映画としてひっそり語り継がれていき、神話化するのが常でした。ビデオの無き時代において、滅多に観る事が叶わないからこそ、物語に尾ひれ背ひれがつき、その規格外の馬鹿馬鹿しさが口伝の中で「カルト」と化していったのです。すぐに検証が可能となった現代、映画に限らず、森や精霊の話も神話化しにくい寂しい時代となってきました。
いつでもどこでも、という事が本当に快適で大切な事なのか疑問に感じることもしばしばあります。観直したり書き直したり容易に検証できることで、「・・・らしい」、「・・・のようだ」のような仮説や伝承が成立しにくくなり、何もかもが数値化されて味気も無いデータとして提示されるばかり。そんな窮屈な時代に鉄槌を放ったのがこの『ピラニア3D』なのです!人の揚足を取ったり、重箱の隅をつつくばっかりで、独自の世界も描けないようなくだらない批評家にエルボー!
キャーキャーワーワー叫びながら繰り広げられる映像に手抜きはありません。全編に敬愛するジョー・ダンテ監督への愛が詰まっております。幼き日にダンテの『ピラニア』を観て、いつの日にか自分もこういう作品を撮ってみたいと映画監督を目指したという監督のアレクサンドル・アジャは、私よりも10歳以上若い33歳。いいですね~新しい才能がほとばしっております。スタッフ全員が面白がって嬉々として映画を作っているのが伝わってきます。かつての『ピラニア』のチープさが、見事なSFX技術で描かれていますが、根流にあるのはまぎれもなくB級映画魂!辻褄が合わない?都合が良すぎる?そんな奴はピラニアに食われてしまえ~!とでも言わんばかりに映像は何の迷いも無く最後の最後まで全力で疾走!
くだらない事を真面目にきっちりやるからこそオモシロくなる!この王道を貫く姿が素晴らしい。この映画低予算ながら、関わっているメンバーは半端ではありません。そしてそのキャスティングにも、アジャ監督の『ピラニア』に対する深い敬愛が読み取れるのです。この作品でダンテはスピルバーグに認められ『トワイライト・ゾーン』の監督に招かれ、メジャーの階段を上っていく事になるのでその敬意が透かして見えます。それがパロディなどの悪趣味に終わらずにやり切っているのが素晴らしい!
冒頭登場して最初の犠牲者になる年老いた釣り師は、(『ジョーズ』では助かったのに・・・熱演ですぞ!)リチャード〔未知との遭遇〕ドレイファス、主人公の母親が『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』のエリザベス・シュー(すっかり逞しい二の腕を持つ肝っ玉母さんになられました)、そしてひと目でこのピラニアが2万年前の古代生物であると見抜く(分かりやすい、サイコ~!)見るからにクレイジーそうな魚類生物学者に、これまた『BTTF』のクリストファー・ロイド!(目玉をひん剥いての熱演!)。お下劣なエロビデオの監督役には、一瞬目を疑った『スタンド・バイ・ミー』のちょっと太っちょで愛嬌のあるバーン・テシオ役を演じたジェリー・オコネル(誰にも時間は冷酷に流れる事を実感。あれから君に何があったんだ、ジェリー~!)、主人公にはあのマックウィーンの孫、スティーブ・S・マックウィーン(こんな所でお目にかかろうとは。誰にも下積み時代はある頑張れ!)。
大御所の若手も真剣だからいいんです。ダンテの『ピラニア』信奉者がアメリカにも(監督はフランス人ですから世界にも)大勢いて、多くのファンに愛されている事の証明でしょう。願わくばダンテやキャメロンのように本作でキラリと輝いてメジャーに発掘されたいという野望も渦巻いているのかもしれませんが、そういう野心よりも映像の勢いが勝っていて、一切何の疑問や邪心を抱くことなく87分間(時間もお手頃、90分がこの手の映画の常識!)を楽しめました。
そういえば、知らないうちに3Dメガネが進化していて、窓口で「3Dメガネはお持ちですか?」と訊かれ、一瞬ドラえもんになった気分でしたが、軽量化されお持ち帰りできるようになってたんですね~、知らなんだあ・・・。それで少し目元が楽だったせいもあるのでしょうか、初めて3Dを堪能した気分です。何はともれ70年代SF生物海洋モノのマニアの方のみにおススメします!数年後必ずやマニアの間で語り草となる映画です。ああ、DVDなんか出て欲しくないなあ・・・。
今この時この場所でリアルタイムで『観る』ことの意義がここにあります!知的で理性的な一般の方は自粛された方がよいかも。こういう映画に目くじら立ててくだらない批判をする愚か者がいますが懐が浅いなあ。いいじゃないですか、そういう映画や商品があっても!こういう作品、商品を支えるファンは強いです。カルトはマニアが支えています。何だか『ピラニア3D』の向こうに【森のかけら】が透けて見えてくるような気がしてなりません。何はともあれ、『ピラニア3D』万歳、カルトの仲間入りおめでとう!
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