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陸前高田へのボランティアを経験した学生たちと共に、陸前高田の木の素材を使って何か作れないか?しかもイベント用の間に合わせではなく、継続して愛媛から支援のお手伝いが出来るもの。白砂清松と詠われた「7万本の高田松原」の松は、あの『希望の1本松』を残して倒壊しましたが、松山のクロガネモチやハリエンジュなどの街路樹の端材からも商品を作り出している私としては、あまりに「モッタイナイ話」。当地の村上製材所さんにお話を伺うと、それらは廃棄処分されていると。
若い学生諸君と材木屋を結びつける接点は、この「陸前高田の松」でした。その松を見つめる思いはそれぞれ違っても、それを媒体としてメッセージを込められるのではないかというのは共通の思い。ただ、松という素材はクラフトや木工品としては決して取り扱いやすい素材ではありません。油脂分が多く、どうしても触感はサラサラという訳にはいきません。手にとって楽しむクラフト商品にとって、肌触りは生命線でもあります。それゆえ『木言葉書』でも松を諦めた経緯があります。
長寿であり、お正月の門松や松竹梅にも使われる松は、非常に多くのエピソードを持つドラマチックな木ではあるのですが、松ならではの『出口』を描きあぐねていました。伝統的に肥松を利用した器や工芸品はあるものの、ごく一般的に流通している松をなんとかしたいという思いが以前からありました。しかも今回はただの松ではありません。津波で倒壊した松ですから大きなモノは難しいので、小さなモノでなるべく多くの人の手に届くもの・・・。ピッタリのものがありました!
それは以前に拙ブログでも紹介した『木のマグネット』です。愛媛県産CO2削減 オフセット・クレジットのロゴマーク『つながって丸。』を作らせていただき好評を得たのですが、これであれば松の肌触りもそれほど抵抗がないし、学生たちのメッセージも詰め込めれます。更に価格も抑えることが可能で、学生たちも気軽に購入できます。高額でもマニア向けの【森のかけら100】とは違って、なるべく多くの方に手にとってもらうことに意義があります。愛媛大学のショップ『えみか』でも置いていただく事になりました。
学生職のネットワークを通じて、陸前高田の村上製材所さんから「かの松」を分けていただく事が出来ました。それを【森のかけら】製作工場にてマグネットに加工。それを『どうぞのいす』でもお世話になっている「障害者支援施設福祉工房 いだい清風園」で磨いていただき、弊社の懐刀・パルスデザインさんにマークと台紙のデザインを依頼。松山と陸前高田をつなぐのは、どちらの市の花が『椿』であるという事。その椿と、陸前高田市の市鳥『かもめ』と市の木『スギ』を織り込んだこちらのデザインに決定。
いくら思いはあってもそのメッセージをうまく表現しなければ相手に伝わりません。マグネットをいれるパッケージの台紙もパルスデザインさんにお願いして、あの「奇跡の1本松」をデザイン化していただきました。マグネットも綺麗に磨き上げていただきましたが、やはりヤニ分が多いのでスタンプとの相性は決してよくはありませんでした。何度も試行錯誤を重ね、なんとかうまくスタンプも押せるようになりました。スタンプを押し間違えたものも、ベルトサンダーで磨き直して無駄にはしません。台紙に裏には学生諸君の手作りのメッセージカードを入れる事にしました。同時期に他分野でもマグネットの話が出て、この商品が一気に軌道に乗りました。商品名も『森のしるし』に統一。TPOに合わせて樹種を選択し、ただのマグネットとしてではなく『メッセージツール』として、それぞれの場面で臨機応変にテーマを織り込んでいく予定です。なお、この『陸前高田応援のしるし』は、その売り上げの一部は東日本大震災の復興支援金として寄付をさせていただきます。正式販売までもう少しお待ちを!
昨日に続いて、インターンシップの報告。陸前高田に行って一生懸命ボランティア活動に励んだ彼らだからこそ、きっちりしたテーマと役割を与えてあげることが出来なかった恨みが残ります。5人を代表して、松本君と松久君が事業成果を発表してくれたのですが、第三者が聞けば「この立派なインターンシップ事業はどちらの企業さんのもの?」なんて思うほど素敵にまとめて堂々と発表してくれました。素材だけを与えられてどれだけ料理できるかという命題への対応能力がついたという意味では成果はあったかもしれません!?
本当に申し訳ないと思うのですが、しかし世の中にでればマニュアルのないことばかり、解答が無いどころか解答用紙すら無い問題にどう立ち向かうか『人間力』が求められます。「人と同じ」が嫌で好き勝手に自分のやりたい事を独学で学び、自己流を貫いてきましたので、人を使うこと、人に伝えることはいつまでたっても少しも上達しません。まあそんな私の事を面白がって選んでいただいた、NPO法人愛媛アカデメイヤの武智義典さん、小笠原茂さんにとっては、人生にはこういう奇人変人もいて、それでも生きていけるんだという人生教訓としては「適正」な選択だったのかも、確信犯ですな!最終的には、自分に合う仕事がなければ起業すればいいわけですし、これからの時代ルーティンに捉われない、斬新な視点も必要でしょう。材木屋がなんでも出来るいい時代です。
良くも悪くも弊社を選んで数ヶ月のインターンシップを経験した彼らには、大学で学び身に着けた教養や知識が社会に出て活かせないような「モッタイナイ」まねだけはしないように、「自己資源」を骨までしゃぶって使いましょうと言いたい。それこそがものづくりの極意!吉井さん、山内さん、高橋君、松久君、松本君、何も教えてあげられなかったけれど、ご縁があればまたきっとめぐり会えます。「人生至るところに青山あり」、諸君の未来が面白き人生たらんことを望みます。
さて、そんな彼らと取り組んで作り上げた成果とは?商品開発を進めるにあたって考えたことは、今の学生ならではの視点を織り込み、大学の生協などのショップで販売できる商品は何か?という事をさんざん協議しましたが、なかなか着陸点が見つかりませんでした。インターンシップのための間に合わせ商品を作ってお茶を濁すつもりはありませんでしたし、そんな余裕もありません。幾度が話を重ねては叩き壊す作業を繰り返し(これが大切)、次第に距離感が見えてきて辿り着いたのは彼らの原点、陸前高田。そこで生まれた愛媛と岩手の絆。そこに材木屋がどう関われるのか。以前に、陸前高田から地元企業の方たちが愛媛に来県された時、私も参加させていただいたき、その席で陸前高田で被災された村上製材さんと出会いがあり、全滅した7万本の高田松原の話に及びました。当然建築材に使えない、『倒壊した松』があまりにモッタイナイ!その松って生かせないものだろうか?更に明日へ・・・
日付が前後しますが、愛媛大学にてインターンシップの事業成果報告会があり出席させていただきました。正式には、『内閣府地域社会雇用創造事業「ソーシャルビジネスネットワーク大学四国キャンパス」のインターンシップ事業成果報告会』というものです。そのご縁については以前拙ブログで触れさせていただきましたが、もし【森のかけら】を作っていなければきっとこの出会いもなかったでしょう。お話を伺っていたとしても、その活動の求めるものを理解する能力も余裕も持ち合わせていなかったと思います。
今回弊社は5人の大学生のインターンシップとして受け入れさせていただきましたが、学生にとってというよりも企業にとっても学ぶ事が多い活動でした・・・と、事業が終わってしまってから気付いたのでは学生諸君に申し訳ない・・・。弊社の他に5社の企業がインターンシップを受け入れていて、各企業からも担当者の方々が出席されていました。学生たちはそれぞれの事業について、自分でパソコンに整理した事業成果を発表していくのですが、皆手馴れて堂々としたものです。
3回生、4回生(大学院進学予定)が中心で来年の就職活動も視野に入れているため、こういう場での発表も堂に入ったものでしたが、それにしても同時期の我が身と比べればあまりの違いに言葉も出ません。バブル真っ只中で就職に何の不安もない時代の大学生活は、まあ何と無軌道で楽天的で幼稚であったことか!それが決して無意味だったなどとは思いませんが、今の時代に学生生活を過ごす彼らに言葉を贈られるような立派な人間ではありません。宮本輝風に言えば「長い長い夏休み」でありました。
弊社の順番は最後から2番目で、他企業の事業成果を拝聴していましたが、他企業さんは受け入れにも慣れていらっしゃるようで、こういう事を手伝ってもらったり、こういう進め方をすればよかったのかと反省しきり・・・。受け入れる際のお話で、日々の仕事がルーティンではなく相手によって臨機応変な作業が要求される木材流通業という立場なので、『学生にも売れる新商品を共同開発する』というテーマのインターンシップであればお受けしますという事で納得はしていただいたのですが、いかんせん今まで新商品の企画会議は私の頭の中でしておりましたので、その関わり方をうまく調整できないままインターンシップは終了。弊社を選んでくれた学生は、男子3名、女子2名で、彼ら彼女らは東日本大震災の被災後の岩手陸前高田にも何度も足を運び、ボランティア活動をしてきた、根性のある素晴らしい素材でした。更に明日へ・・・
愛媛県はヒノキの生産量日本一を誇り、その県庁所在地・松山市は50万を越える人口を有する地方都市でありながら、実は市内の主力製材工場のほとんどが外材工場で、国産材製材は周辺の久万高原町や伊予市、また新居浜市、八幡浜市などに依存してるのが現状です。なので、原木を扱う「原木市場」の数も他県に比べると異常ない2ヶ所。そのうちの1ケ所「松山原木相互市場」がこのたび原木市場から撤退することになりました。私もご縁があって役員の末席に名を連ねさせていただいておりました。
最近よく「庭木を伐ったのだが買い取りはしてくれないのか?」とか「庭木を伐採して欲しい」、「自分の山の木を伐って新居の材料にしたい」等のお問い合わせをよくいただくようになりました。一般の方からすると製材所も材木店も同じに映るのだと思いますが、そこには歴然とした差があります。しかし業態と看板の組み合わせは自由ですので、製材機のない材木店が「OO製材所」と名乗ることはなくても、製材所が「OO材木店」と名乗ることはありますから一般的には分かりにくいかも・・・。
この辺りの一般的な木材の流れとしては、山で伐採された原木が「原木市場」に集められ、そこで定期的に原木の競りが開催され、「製材所」が入札。原木を工場に持ち帰り製材(柱や板に割る)して、我々「材木店」が仕入れさせていただき(または製材所が工務店に直売)、それを工務店、大工さんに販売するというものです。ですので弊社のような流通小売業は、直接的に原木市場から原木を仕入れることはありません。同じ「木」でありながらそこには目に見えない「距離感」があります。とはいえ「原木市場」は、森と我々をつなぐ重要な機能であることに変わりはありません。しかし広大な敷地が必要とされる原木市場にとって、昨今の原木価格の低迷は、命の糧である原木取引の手数料の低下に直結し、経営を圧迫します。原木市場機能そのものは必要不可欠であるものの、時代の変化に合わせてその業態も変化を求められています。
理想と現実の狭間で結局、㈱松山原木相互市場は清算する事となってしまいましたが、気がついた時からそこにあったものが無くなるのは寂しいものです。幾多の原木が山積みされていた土場からすっかり綺麗に原木が消え失せると、4000坪を越える広大な敷地が現れました。広い敷地で安価な原木を扱う難しさを肌で感じつつ、『森の新しい出口』を探さなければならない状況は、研究レベルではなく実践レベルに移行していかなければならないと改めて痛感。森はもう待ってくれません。
| 本日は木魚の素材についてです。今までにこういう仏具を作った事はありませんが、一般的に木魚に材として適しているといわれているのが『クワ』、『クスノキ』、『カシ』、『カリン』など。地域によっては『イチョウ』や『ホオ』なども使われています。中でも最高級とされるのがクスノキだそうです。それは音色や杢目のの美しさなどが主な理由でしょうが、樟脳の成分を含むことから太古の古より神への供物などにも使われてきた歴史があるので、もしかしてその影響もあったりするのでしょうか? | ![]() |
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隠元禅師が開山した本家の中国の萬福寺には、寺の周辺に多くに『キハダ』の木が生い茂っていたという事ですが、もしかしてそのキハダから木魚を作ったりした、そのために植えていたのではないかとも勘繰ったのですが、いろいろものの本を調べてみても「キハダで木魚を作った」という記述に辿り着けませんでしたので、どうやらそれはゲスの勘繰りというものでしょう。木魚として材に求められる必要条件は、乾燥と品質(節や芯去りで木目が緻密)と音色でしょうから、あまり俗っぽい考えでは駄目ですね。 |
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