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秋祭りの季節ですが、地元の地区から祭りの幟竿(のぼりざお)のご注文をいただきました。昨年まで使用していた丸太は、聞くところによると50~60年も前から使っているとか!?まあ祭事にまつわるものには尾ヒレ背ヒレがついて伝説化していくものですからそれもまたよしです。今まで立てられた姿しか気にしてもなかったのですが、改めて小口を見せてもらえば、50~60年間の祭り舞台を飾った話もまんざらではないほどの、「歴史」がしっかりと刻み込まれておりました!
ただ湿度の高い場所での保管状況の問題もあり、かなりの虫害を受けており、幟旗を新調するのに合わせて、竿も換える事になりました。地元の平田町にも近年、大型スーパーや大型DIYショップ、大型電機店などが相次ぎ進出しています。確かに便利になった反面、同業態の地元零細企業の存続は脅かされています。昔は地域のモノは、地域の中で関連する店に頼む、そこから仕入れるという暗黙のルールがあり、地域のコミュニティを支えてきましたがそれも徐々に崩壊。
全国的に、地元優先からコスト優先の風潮が出てきて、地元のイベントですらモノが売れなくなるともはや経営は成り立ちません。地区の組織がしっかりしていればしているほど、小売店のオーナーの方のジレンマも大きいと思います。町内会の役員などを熱心に務める一方で、地元で自分の商売が成り立たない状況の中、店を閉めるしかない現実。大手の店は寄付など経済的な支援はしていただいても、人的支援はまず期待できません。人があってこその地域活動の根本が崩れます。
弊社の場合、木材小売という職種(しかも一般的でない特殊材志向の)でもともと一般の方へのDIY路線を狙っていないので、ホームセンターとの競合もほとんど影響がありません。祭りの幟竿は、弊社に声をかけてもらいましたが、それは幟竿が特殊だからというわけではなく、「地元で揃うものは地元で」という意識がまだ残っているこの地区ならではの事情で、本当にありがたいことだと思っています。地元で愛される店というのにもいろいろな考え方があるでしょうが、あそこは残してやろう、あそこがなくなると困ってしまう、という理由が「物質」ではなく「人」という場合だってあると思います。「必要とされる人が経営する店は必要」というスタンスで大型店の競合に勝てる奇跡の店だって世の中にはきっとあるはずです!地域のコミュニティが支えるものは見た目以上にはるかに大きいのです。
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