森のかけら | 大五木材


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20121002 1昨日の続き・・・それでも慣れとはえらいもので、数ヶ月の修行期間の間に肩の皮膚もすっかり固まり厚くなり、あれほど眠たかった睡魔も克服できるような体力もつきました。少しだけ業界の言葉を覚え始めた冬に、私の人生にとって唯一の「身近な木材修行」は終わったのです。その後、無事大学も卒業出来、その春には大五木材に入社する事になりました。人の運命とは不思議なもので、もしあの時地元ではなく大阪の材木問屋に修行に行っていたら、今のような思考回路になっていただろうかとよく考えます。

 

20121002 2自分で行くしかない、自分から訊くしかない、という状況が、それまで引っ込み思案だった私に勇気と逞しさを与えてくれました。何にも知らないわけですから訊く事も恥ずかしくありません。下手に「何代続く材木屋の息子」みたいな見栄でもあれば躊躇したでしょうが、あいにくそんなモノは持ち合わせておりませんし、そえを生業として食べていかねばなりません。恥ずかしいなんて二の次。無知の怖さで、誰かれ構わず質問責めにして、生きた言葉として木材用語を教わりました。

 

20121002 3なので、本格的な基礎知識には乏しく、その多くが「業界人からの口伝」です。日常よく使っている言葉なのに、その語源は皆目分からないモノも多く、その反動で「言葉の由来」を自分なりに調べたりするようになりました。その疑問の積み重ねが、10年後に『適材適所』というカタチで文章化する事になり、今のこのブログや『今日のかけら』につながっていうのだろうなあと思います。そのきっかけを与えてくれたのもあの数ヶ月の修行でした。当時お世話になった方の多くは既に第一線から退かれましたが温かく指導していただいた事は今でも忘れられません。

 

20121002 4市場にはいろいろな立場、職種の人が集まります。ひと口に木材屋と言ってもさまざまなタイプがあるものだと人間観察には市場はもってこいの場所でした。あれから業界を取り巻く環境は激変し、市場の役割も大きく様変わりしました。20数年前のあの頃と同じように繰り返される作業風景を見て、これから地方都市の木材製品市場はどこに向かっていけばいいのか考えさせられました。激変した木材流通システムの中、その存在意義がなきものは自然淘汰される運命にあります。

 

20121002 5我が身を振り返れば、この地からスタートした(実際は現在の場所に移転する前の市場での話しですが)木材屋としての仕事が、現在事務所の中で自分を取り囲む商品群を見渡せば、あれから随分遠くへ来たなと独り感慨にふける事があります。市日の競りで輪木を抱いて走り、柱の立て込みに奔走したあの頃、まさか自分が【森のかけら】や家具を作ったり、結婚式や百貨店、病院を相手に木のモノで商売する事になるなんて夢にも思いませんでした。思えば遠くへ来たものだ、この先どこまでゆくのやら・・・。




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