森のかけら | 大五木材


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20121016  1父親の死後、わずかばかりの山林を相続していたのですが、今住んでいる所からかなり離れた山中なので行く機会がありませんでした。材木屋を生業としている私からしてこの有様ですから、一般の方だと突然の相続で山林の所有者になったとて、どうしていいのやら分からないのが現状だと思います。ましてや都会で住む方が、遠く離れた故郷の山林を相続した場合、身内も誰もいないような状況だと、その場所を確認することすら簡単な事ではないでしょう。実際にそういう事態が日本全国で沢山起こっているのです

 

20121016  2その結果、山林経営に意欲・関心のない小さな山主が日本中に大勢出現する事になり手つかずの山が日本に溢れかえる事になります。日本の林業が北欧などの林業国に大きく水を開けられているのは、日本の場合はこのような小さな山林主が大多数で、北欧のようなまとまった大型機械による山林開発などが出来ないという事も一因にあるのだと思います。ある程度の面積がまとまらねば林業の効率化は進みません。私も零細山林主のはしくれとして今更ながら自分の山に入ってみる事にしました。

 

20121016  3パソコンの画面や地図で見るのと現場で歩くのは大違い。民家のある場所からそう遠く離れていない場所とはいえ、草木を分け入って少し山の中に入ると、手入れをしてない事もあって鬱蒼とした雰囲気。大声を出してその声は木々に溶け込んで誰の耳にも届きません。私の山に行くのには狭い林道を20分ほど歩かねばならないのですが、かなり勾配の強い斜頚地に作られた林道も崩れかかっていて、一歩間違えば谷底へ転落死!それも決して大袈裟ではないほど山は荒れておりました・・・。

 

20121016  4日頃、木材を扱い『モッタイナイ』がものづくりの原点などと言っておきながらこの惨状。山が泣いております・・・山に謝りたい気持ちです。途中何度も、その怠慢に山の怒りを買って、道に迷わされたり、谷に落とされるのではないかと、本気で心配になりました。本当にそんな気持ちになるほど、森は静寂で鳥の鳴き声と風の音が聴こえるばかり。「誰かに見られている感」が漂い、何度も来た道を振り返りました。荒れた山は鬱蒼としたジャングル・・・。ブログや通信などで、森や木の事に触れて少しは情報発信してきたつもりでいたけれど実際に荒れた山に足を踏みいれると、いかにそれが机上の空論で独りよがりの妄想だったかという事を強く思い知らされます。『町で山を語る批評家がいる』では、山は変わらない。山は甘くはありません。痛烈に反省、妄想を現実に変えていく力・・・自分で動くしかない!




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