森のかけら | 大五木材


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結構大きそうに見えた『オフィス桐』ですが、丸みを落とすように製材してみると実際に取れるのはこれぐらいの量になってしまうのです。これとて【森のかけら】のような小物があらからこそこれぐらいのサイズでも使えますが、建築資材や家具材としてはとても使える代物ではありません。森の中で立っている木を仰ぎ見ると、この1本の木でどれほど多くの材が取れるんだろう~と想像を膨らませることでしょうが、実際には丸い物から四角いもの(あるいは板)を取るわけですから、歩留まりは恐ろしく低いのです。

製材するモノにもよりますが、柱や間柱など羽柄材(野縁や胴縁など)を取ったとしても、せいぜい歩留まりで60%もいけばよい方ではないでしょうか。つまり1本の原木を製材して柱などを取ると、材積的(ボリューム)にはおよそ半分ぐらいになってしまうという事です。大きな外材の原木を積んで走っているトラックを見かけることがあると思いますが、丸い物を運ぶわけですから、半分ぐらいは空気を運んでいるようなものです。大きな原木も製材すると、いきなり数分の一の大きさに「圧縮」されてしまいます。

木が立っている姿から考えると、実際に使える部分はとても少なくなってしまうのです。ただし、それは建築材などある程度の長さと大きさ、厚みが要求される材を求めた場合の話。もっとも製材効率がいいのは、丸太をそのまま「タイコ挽き」にする事です。芯の部分は外すか中心で割るか、考えねばないませんが、タイコ挽きすれば、丸太がほとんど無駄なく使えます。弊社では、「今そこにあるモノ」に添って商品を考えていくので、タイコ挽きにしておけばほぼ何にでも対応が利きます。

ただし桐の場合は、このように中心部にはまるで草の茎のような穴が開いていて空洞になっていますので、そこを避けた木取りをしなければなりません。ほぼ中心にあるとはいえ、木そのものが完全に通直というわけではないので、長い材を取るのは容易ではありません。幸いにも【森のかけら】などの小物であれば、短いもので対応できるので、空洞の曲がり具合を見ながらカット。わずかとなった『オフィス桐』ですが、ここから乾燥させて『出口』に辿りつくまでまだまだ先は長い・・・。

ちなみにこちらが、桐のアク抜が不完全で後から材面にアクによる滲(にじ)みが出た壁板の写真です。施工後すぐには分からないのですが、経年変化で顕著になることがあります。桐はその柔らかく調湿性に優れた特徴から、タンスや内装材や引出しの中板、琴や下駄、彫刻材などに利用されています。アク抜きや乾燥出来たものを仕入れていると、当然の事としてついその下処理の大切さ、大変さを忘れがちになります。こういう地味な作業に支えられていることを自覚せねばと反省。




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