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朝晩の冷え込みも厳しさを増してきて、いよいよ秋も深まってきました。山も少しずつ紅葉してきて、森には秋の味覚が実っています。それに合わせてというわけでもありませんが、本日はクルミ材の保管をしました。一般的には「クルミ」と聞くと、食べるほうのクルミの実を想像される方がほとんどだと思います。一般的ばクルミは『オニグルミ』の事を指しますが、その名前の由来は、凸凹のある硬い核面の形状が鬼の顔のように見える事からとも、『ヒメグルミ』に対してオニとつけられたとも。ちょっと可愛そうです・・・
そのオニグルミは、四国の山にもクルミは自生しているものの、用材として使えるようなサイズのクルミの丸太が原木市場に出てくる事は非常に稀で、材木屋でも扱っているところは多くありません。同じクルミ科の『ブラック・ウォールナット』と比べても材としての印象は弱く、食用としては誰もが耳にする名前でありながら、材としてはマイナーな木です。写真は以前、珍しく久万の山中から産出されたオニグルミの原木(手前の2本)。近々、製材予定ですのでいずれ別の形でお披露目します。
この辺りでは珍しい用材としてのクルミも、東北や北海道では沢山流通しています。最近ではロシアや中国産のモノの方が幅を利かせているようですが。自分で直接見て触って現品を確認出来るものでないと心配なので、用途に合わせて材を探すというよりも、材に合った用途を考えるという提案をさせてもらう事の方が圧倒的に多く、ある程度の在庫はどうしても必要になります。また、その在庫にしても、自分の目で1枚1枚見ておかないと不安なので、梱包もさばいて1枚ずつ倉庫に立て掛けながら検品。
今回の材は両耳付きです。「耳」というのは、食パンの耳をイメージしてもらえればいいのですが、原木の時の名残りがあるもの。要するに木の外皮が残っているものです。原木の時のコンディションが分かり、耳の部分に添って磨けばダイナミックでナチュラルな触感が楽しめます。特に広葉樹の場合は、耳に凹凸の変化が出やすく、こちらの想像を越えた仕上がりになる事も多く、耳付きの仕上がりを望まれる方も少なくありません。ただどの木でも耳がそのまま使えるわけではありません。明日に続く・・・
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