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今年も地元の町内会の組長を仰せつかっておりまして、役員さんが慰労と交流を兼ねた旅行があるのですが、今年の行き先は佐賀・長崎。一泊二日の日程で平戸・鷹島・生月島・呼子を巡るという、総移動距離がおよそ1000キロに及ぼうかというかなりハードなものですが、長距離運転が苦手な私としては、こういう機会でもなければ車で遠方に行く事も少ないのでありがたい事です。50歳が近くなったとはいえ、まだまだ地元では「若者」に分類される若い衆として参加させていただきました。
まずはキリンビール工場で下ごしらえを最初に訪れたのが、長崎県平戸市生月島。長崎には、オランダ村をはじめ何度も来た事がありますが、島を渡るのは初めて。立派な生月島大橋を渡って到着したのは『平戸市生月島博物館・島の館』。ここでは昔から捕鯨が盛んで、町の至る所に鯨のイラストや看板などが掲げられています。この施設では、江戸時代の捕鯨の様子や島の暮らしぶりなど、鯨と生きた島の記録が再現されています。施設の方の解説を聞きながらいざ見学。
日本人と鯨のつき合いは、今からおよそ8000年前の縄文時代にまでさかのぼると言われており、昔は鯨の事を『勇魚(いさな)』と呼んでいました。その古語の由来はクジラが大きく勇ましいことに由来するそうですが、江戸時代の捕鯨の様子を再現したジオラマや当時実際に使われていて槍や銛(もり)などを見ると、クジラの大きさを表す勇ましさよりも、そんな巨大な生命体に小さな木造船と手道具だけで挑む命知らずの漁師たちの姿こそが勇ましく思えるのです。
当然死者も沢山出たであろう命がけの漁に挑む男たちの気持ちを鼓舞する意味での『勇ましい男たちの魚取り』であったのかもしれないと考えたりするのです。ただし、係の方の説明によると、その捕獲量が半端ではなく、江戸時代より続いた漁法が終わる明治6年までの142年間で捕鯨した鯨は実に2万頭を越えるというのですから凄まじい!中断された時期もあったという事ですが、最盛期には毎日のように鯨が取れたというのですから「海のめぐみ」や壮大!
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