森のかけら | 大五木材


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20130911 1初日の夜は平戸に泊まって、平目など美味しい地のものをいただきました。すっかり夜も更けて街を歩いたのですが、平日という事もあって人影はまばら。そんな夜のしじまの中に大きな教会の十字架が光ったりして、なんとも異国情緒が漂います。翌日は、平戸から一気に鷹島まで走って、朝から「歴史民族資料館・埋蔵文化財センター」へ。この地はあの『元寇襲来』の場所なのです。生憎の雨で襲来の現場を観に行く事は出来ませんでしたが貴重な海底遺物が展示してあります。

 

20130911 2元寇といえば、誰もが学校の教科書で習ったこちらの絵。昨今、『元寇はなかった!?』なる歴史ミステリーがまことしやかにささやかれたりしています。そういうのって嫌いではありませんが・・・最後は源義経=フビライ・ハーン説に行き着くというめくるめく歴史ロマンなのですが、さすがの歴史ミステリー好きの私ですら、あまりの大風呂敷に共感を持て。

 

20130911 3この有名な絵にしても、教科書に載っていたのは勇猛な馬上の武士に向かって弓を引く元の兵士の構図でしたが、実際には絵は左にも続いていて、そこには逃げ惑う元の兵士たちの姿が描かれています。その逃げる兵士と弓を射る兵士の服装の違いなどから、弓を射る兵士が後から描かれたもので、それも元寇否定説のひとつの根拠になっているとか(元ではなく高麗が攻めてきたとか云々)。誰かが意図的にトリミングした!?

 

20130911  4話としては面白いのですがなぜか私の心に響かないのは、当時の元という国そのものに対する関心が薄いせいでしょうか。歴史の中でも、人の欲望が爆発する戦国時代などは非常に好きなのですが、秀吉の朝鮮出兵にしてもこの元寇にしても、当時の海外と絡む話となると不思議にテンションが下がってしまいます。元寇に対しても関心は薄かったのですが、ここで海底から引き上げられた遺物を見ていると、14万とも言われる元軍の雄たけびが聞こえてきそうになります。

 

20130911 5なんといっても実際に海底から引き揚げられた当時の船や武器、武具類の圧倒的な存在感を目の当たりにすると、14万もの大群が乗った4400隻の大船団に対峙した九州の武士たちの胸中やいかばかりであったろうかと・・・。時代が時代ですから両軍とも武器にしろ船舶にしろシンプルなものが主流で、その素材の多くには木が使われていました。さすがに船そのものが原型を残して水中に沈んでいるわけではありません。ばらばらのパーツとして引き揚げられ保存されています。

 

20130911 6その方がより強く歴史の重みと史実を訴えかけてくるものがあります。ばらばらになった船舶などの隣に、奇跡的にまだその原型をとどめていたのがこの『木製の大碇(おおいかり)』です。ちょっと駆け足の見学だったので、解説などを読み込む時間がなく詳細がよく分からなかったのですが、その碇身部の素材が『アカガシ』であることだけは確認しました。水質にもよく耐えると言われるアカガシですが、よくぞまあ730年も深い海中で朽ち果てずに残っていたものか!これが引き揚げられた碇の中で最大のものだという事でしたが、元の船の碇だという事でので、当時の元の国に生えていたアカガシという事になるのだと思います。今のモンゴルといえば大砂漠と大草原のイメージですが、実は豊かな森林国でもあるそうで、元の海外戦略を支えていたのはこういう立派なアカガシの大木だったのでしょう。

 




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