当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。
息子が生まれた年に、敷地内に立てた鯉のぼりの竿が、経年変化でかなり危険な状態になっていたので、先日倒す事にしました。上の子供が女の子で、それから2年後の双子(二卵性の男女の双子)の誕生で初めて授かった男の子でしたので、当時は嬉しくて結構頑張って長い竿を立てました。45尺(およそ13.5m)の桧の丸太です。今では運搬するだけでも大変ですが、その長い長い竿の先にたなびく鯉ののぼりを見上げる時、ささやかな幸せを感じていました。
しかしその長尺ゆえに、一度立ててしまうとその後おいそれと倒したり立て直す事も出来ず、それから10数年の間、鯉のぼりを上げなくなってからも竿はそこに立ち尽くしていました。当時は張り切って深い穴を掘って、支柱となる枕木を埋めたつもりでいましたが、時間の経過と共に土が削られ流失したりして、枕木がやや斜めになりはじめ・・・最近ではかなりの角度で傾き、危険な状態になっていました。事故でも起こさないうちに倒さねばと思ってはいたのですが先日ようやく決行。
根元で直径が6寸(およそ180mm)ぐらいはある丸太で、いくら古くなっているとはいえ、13、5mもある長ものですからそれなりの重さもあります。3人がかりで慎重に、ロープを掛けて倒す位置を決めて、鋸で切り込みを入れて引き倒しました。倒してみるとやはり先端部分はかなり朽ちていて脆くなっていました。木元の方こそ表面は灰褐色でも中身はまだしっかりはしていたものの、先端は強い台風でも来ればポッキリ折れてもおかしくないような状態でした。
思えば11年もの間、風雪に耐えてよくぞ頑張ってくれたものです。倒す瞬間には、一生懸命に穴を掘った時の事や、雨が降るたびに大急ぎで片付けた事、大空にたなびく鯉のぼりの勇姿など、本当に走馬灯のように懐かしい思い出が蘇りました。いつも仕事が終わった夕焼け空の中に悠然とそびえていた桧はもうそこにはありません。10数年も見慣れた光景の中から、あるべきものが無くなるという事に一種の喪失感のようなものを感じます。森の中にいれば13、14mの桧といってもありきたりの存在で、特別な感情を抱くわけでもありませんが、森を離れて町にやって来た1本の桧が、こうして今その担わされた役割を終え、姿を消そうとする時、ただ「モノ」を片付けるという感覚以上の複雑な感情が湧きおこりました。我々家族に幸福な日々を与えてくれた桧ののぼり竿に感謝を込めて・・・。
Category
- 1. 今日のかけら
- 2. 木のはなし・森のはなし
- 3. 木の仕事
- 4. 草と虫と鳥と獣と人と
- 5. 木と映画と舞台とテレビ
- 6. ひと・人
- 7. イベント・講演会
- 8. 気になるお店
- 9. ちょこっと端材
- WOODENTAG& 日本百樹札
- 「森のかけら」舞台裏
- えひめイズム
- おとなの部活動
- お酒にまつわる話
- かけら世界紀行
- かけら日本紀行
- アート&デザインのかけら
- オフセット・クレジット
- オンラインショップ
- キッズデザイン&ウッドデザイン
- スポーツと木
- ハードウッドとウッドデッキ
- パプアニューギニアL.M.H
- フルーツウッド
- メディアあれこれ
- モクコレ WOOD COLLECTION
- モザイクタイル
- モザイクボード
- 一枚板を見せていこう!
- 円い森・円き箱・木言葉書
- 媛すぎ・媛ひのき
- 愛媛のこと
- 愛媛木青協のこと
- 木と本
- 木のものあれこれ
- 木のものづくり+α
- 木のもの屋・森羅
- 木の家具
- 木の玉プール
- 木育のこと
- 未分類
- 森と生きものたちの記録
- 森のかけら玉
- 森のかけら36・森のかけら100
- 森のこだま/森のたまご
- 森のしるし
- 森のめぐみ
- 森のりんご
- 森の出口
- 森の砂・森の粉・森の羽
- 森の5かけら
- 無垢の家具
- 異業種&産官学
- 端材のこと
- 誕生木・12の樹の物語
- 道後温泉とかけら屋
- 都市林業とビーバー雑木隊
- Loopto in Ehime
Archive
Calendar
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 |