森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20130914 1私たちが子供の頃は、運動会といえば秋晴れの10月というのが定番でしたが、今時は夏休み明け早々とか遅くとも9月中に開催される傾向のようで、子供たちが夏の名残りの暑さの中で運動会の練習に汗を流しています。その中の障害物競技に使う器具のご注文をいただきました。端にボールを乗せて飛ばせる木製のシーソーです。材料の指定は無かったのですが折角の子供たちの晴れ舞台のご依頼だったので、倉庫の中をあれこれ探索

 

20130914 2以前は1軒につき1本は出番があった杉の絞り丸太(床柱)、磨き丸太(玄関ポーチ柱)ですが、昨今ではすっかり出番もなくなってきました。久万高原町でもよく磨き丸太を作る光景が見られたものの、今は「磨き丸太・製造販売」の看板すら見かけなくなってきました。和室の減少は銘木業界に大きな痛手となりましたが、昔を懐かしんでいたところで仕方がありません。時代や生活様式に合わせた新たな『出口』を探っていかねば本当に必要の無いものになってしまうだけ。

 

20130914 3本格的な床の間の材料である床柱、違い棚、床框、落とし掛けなどの部材は減ったものの和室が完全になくなったわけではなく、以前はケヤキの突き板が主流であった床板や地板ですが、最近では無垢の幅剥ぎの仕様でのご注文をいただくようになっています。シンプルな和室に形を変えたものの、その中でも無垢材の生き残る道はあります。むしろ以前が突き板の仕入れ品であった事を考えると、弊社としては自社の材料が出るようになったわけですから新しい需要。

 

20130914 4そういう風に新たな需要も起きる一方で、昔に仕入れた磨き丸太や絞り丸太も過去の遺物として倉庫に残っています。中には傷がついてしまったり、色ヤケしてしまったものもあります。角材や板材と違って削り直し、磨き直しが効かない(厳密に言えば可能ですが、販売価格を考えるとコスト倒れになってしまうので)ために、そのまま埃をかぶってしまっているものも幾つか。そんな日の当たらない所で眠る絞り丸太に、新たな役割を担ってもらう事にしました。

 

20130914 5クラス対抗の競技なので4セット+予備材が必要になります。シーソーの支柱を作るために搾り丸太の長さをカット。少々傷がついているB品とはいえ、私がこの仕事に就いた20数年前であれば1本5,6万はざらであった絞り丸太です。さすがに最初に鋸の刃を入れるときにはわずかなためらいもありました。新たな出口は何かを吹っ切らねば辿り着かないもの、まあそこまで大袈裟なものではありませんが、新しい価値観を確立させるには『覚悟』が肝心です。底を削って、触った時に痛くないように面をとって仕上げます。

 

20130914 6杉の破風板を天板に加工して完成。手前の状態が完成形です。残念ながら自分の子供たちの学年の種目ではなかったので、本番に備えて練習しまくるという製作者の利を活かす事はありませんでしたが(!)本番では、子供たちに怪我のないように活躍してくれればと願っています。こういう形で、倉庫に眠る遺物たちに新たな活躍の舞台を与えていただく機会が最近増えています。木の振り幅は、我々が考えているよりもずっとずっとあるようです。やはり日々の観察は大切




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2013年9月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  
Scroll Up