森のかけら | 大五木材


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20131216 1昨日の続きです。そういった大トロの商品がほっておいても梱包単位で売れていた時代でしたので、今とは隔世の感がありますが、当時はそれが普通でした。しかし結局は、何の努力もせずに売れるというその甘えの構図が、のちに自分の首を絞めていくことになるのです。弊社の倉庫にもヒノキ柱の化粧柱がところ狭しと並べられ、わが世の春を謳歌していました。今やバブルの華やかな賑わい懐かしさとともに、永遠に戻ることのない光景として私の脳裏の中に刻まれるばかり・・・。

 

 

20131216 2私にとって「桧の化粧柱(という価値観)」は非常に幸福な出会いだったと思います。なにしろ105㎜角の柱1本が、4,5万もの価値がついた時代ですので、桧の柱さまさまという感じで、木の事がまだ何も分からない素人同然の私にとっても、「材木屋ってなんて楽な仕事なんだろう」と大きな誤解を与えてくれたものです。それから急転直下、かつての花形・桧の化粧柱は厳しい冬の時代を迎えるわけです。その暴落差は一層私の桧に対する思いを特別なものしたのです。

 

20131216 3ひとつの材の価値の頂点と末端を味わった者として、複雑な思いがあります。同じ4面無節の桧柱が今そこにあったとして、その価値は今と25年前を比べると雲泥の差があります。材質は同じと仮定したとしても、価値にそれだけ開きがあるというのは、桧の無節の柱にどれだけ価値を求める人がいるかという点につきます。ものの価値は需要と供給が決めるとはいうものの、それは絶対的な需要があってこその話。和室という需要がなくなれば、求められない商品になるばかり。

 

 

20131216 4最近この仕事に就かれた若い方にとっては、桧の化生柱についてそれほど深い思い入れは少ないのではないかと思います。先日、相当久しぶりに桧の4方化生柱の注文があり、倉庫中を探し回り何とか見つけたのですが、何だか懐かしい旧知の友に再会したような複雑な気分でした。よくぞ残っていてくれた!恐らく今後も劇的に化粧柱の需要が回復することは少ないと思われます。むしろ節のある材を化粧として使う需要は増えてくるのかもしれませんが。明日に続く・・・。

 




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