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3月4日ある偉大なプロレスラーがこの世を去りました。昭和の時代にプロレスを大いに盛り上げ、少年達にその魅力と強さを教えてくれたそのレスラーの名はビル・ロビンソン(Bill Robinson)。享年74歳、昭和のプロレス界の生き証人がまたひとりいなくなりました。若い人には馴染みの無い名前かもしれませんが、まだプロレスが夕方のテレビ放送をされていた時代に、国際、新日、全日のリングに上がり、その必殺技と共に人気を博し一時代を築いた名レスラーなのです。
イギリス出身の彼が日本のリングに上がったのは1968年。今ではつなぎ技ぐらいにしか評価されないスープレックスですが、当時は191cmの巨躯のロビンソンが決めるスープレックスは豪快で、ダブルアーム・スープレックスやワンハンド・バックブリーカーなど対戦相手を回転させて決める技を多用したことから『人間風車』の異名を取りました。その頃は、彼に限らずリングネームとは別にレスラーのイメージを決定づけるキャッチフレーズがありました。
それが大袈裟でいかがわしいほどに観客は妄想を膨らませるのです。これは以前にこのブログでもご紹介しましたので詳しくは触れませんが、私はこのキャッチフレーズが大好きで、実際に会場に行けなくともレスラー名鑑などを食い入るように読んで、妄想リングでの対決を楽しんでいました。中でもロビンソンの『人間風車』は、人間を風車のように回すという見世物小屋的なユーモラスな表現と、得体の知れない恐怖感が相まって数ある中でも最高の出来栄え!
『人間山脈』(アンドレ・ザ・ジャイアント)、『人間空母』(ヘイスタック・カルホーン)、『人間魚雷 』(テリー・ゴディ)など、あり得ないものを『人間』に例えたシリーズは多いものの、やはり人間シリーズの元祖であるブルーノ・サンマルチノの『人間発電所』と『人間風車』が双璧だと思います。思えばその頃からネーミングなどに異常な興味を持ち始めたように思います。それが大人になって、仕事でも商品ネーミングのヒントになっていたりします。ただし、レスラーの過剰サービス的なネーミングが身についてしまっているので、ついついその影響が出てしまうのは問題かも・・・。
新商品の名前を決める際に思わず「森のスープレックス」とか「かけら山脈」、「東洋のかけら」、「森の呪術師」などのキーワードが脳裏をかすめていきます。まあさすがに現実化はしませんが・・・。キワモノ系の外国人レスラーが多かった当時、正統派レスラーとしてスマートに技を決めて紳士的な戦いをするロビンソンは颯爽と格好良かったものです。人間風車ビル・ロビンソンは、引退後も東京の高円寺にも住み後進の指導・育成にも努め、長年にわたって日本のリング支えてくれました。試合を観るだけでなく、リングネームやキャッチコピーなど「言葉の面」からもプロレスを楽しめることを教えてくれたませてくれた人間風車ことビル・ロビンソン氏に感謝とご冥福をお祈りします。
昨日のモザイクボードのカウンターテーブルの画像は、ワンズ㈱さんの完成見学会で撮影させていただいたものですが、見学会のたびにいつも【森のかけら】などの弊社の木のモノをさり気なく並べていただきありがたい限りです。あくまで完成見学会なので、実際に人が住んでいるわけではありませんが、家の中に並べられたときの印象や全体のバランスが分かるの非常に参考になります。【森のかけら】だけだと寂しかったのですが、少し前から新しい仲間が加わっています。
それがこちらの『森のりんご』。今回ブラック・ウォールナットのカウンターの上にちょこんと並べて戴いていたのは、日本最重量級の『イスノキ』(手前)と、個性的な縞柄が特徴の『ゼブラウッド』(奥)の2種類。私が見学会ように持ち込んで来たわけではなく、以前に弊社でワンズさんとの打ち合わせがあった時に、数ある中から選んでご購入いただものです。そこがまたありがたい~!『森のりんご』に樹種の指定はないのですが圧倒的に人気なのが『リグナムバイタ』。
水にも沈むという存在感、ツルツルの肌触り、そしてなによりも『世界一重たい木』という称号が人を惹きつけるのでしょう。プレミアな樹種のもうひとつの出口として開発した『森のりんご』ですので、ピンクや黒、黄色、縞柄などなど個性的な面々が揃っているのですが、その中でもっとも売れているのが『ゼブラウッド』と『リグナムバイタ』。いずれもプレミアグクラスの価格帯なので、1個¥5,000(税別)しますが、中には一人で2,3個買う剛の者も!!
それだけ『世界一』というキーワードには人の琴線を震わせる力があるという事でしょう。その世界一重たい木は、そのレア度ゆえに高価で(そもそも大きくなる木でもないので小さな木しかないのですが)弊社の在庫も決して多くはありません。しかし、これだけ物語性の強い木はその端材だけでも充分に存在感がありますし、むしろ小さい方が希少性が増すというもの。『森のりんご』の場合削り取る量が少ない事もあり、モッタイナイ度も低く心への負担も少ない!
『森のりんご』にしろ『モザイクボード』にしろ、加工する時は一度にある程度数をまとめているのですが、人気のリグナムだけが減りが速い(よく売れている)のでこれから追加加工に入る予定です。昔、何に使うのか目的も定まらずに好奇心だけで買っていた頃(若さゆえの無謀!)は、手に入れた満足感で十分心が満たされていましたが、商品化すると更に高い喜びが心を満たします!ただしそうなったらそうなったで今度はその商品を手放すのが惜しくなる辛くなるというアンビバレントな思い!なんとという往生際の悪さでしょうか!一体売りたいのか?作りたいのか?集めたいのか?・・・どれもこれもすべてですが当てはまります。なぜなら私こそが最大の森のかけらとその関連商品たちのファンだから。嗚呼・・・
※ 森のりんごについて詳しくはこちら
まだまだスローな展開ですが、国内外の広葉樹で作ったカラフルな『モザイクボード』が少しずつ地元の取引先の中でも定着してきました。開発当初、アンケート調査を実施したところ、その派手な色調は住宅では使えない、価格が高すぎて競争力がない、同じものがないとバランスがとれない、などと厳しいご指摘を受けて突き放されたものですが、不思議とそれら欠点と思われた部分が逆に個性となって、住宅中心に受け入れられているのですから不思議です。
新しいものについては保守的・排他的なのは土地柄でして、何も木材に限ったことではありません。愛媛で受け入れていただくには、東京や東海、近畿圏で実績が出来てからと思っていたのですが、想定よりも早く受け入れていただくようになったのは嬉しい事です。特に女性の設計士さん、コーディネーターさん、デザイナーさんが興味を示していただき、こちらの説明も無しにスッと取り入れていただいたのは少々ビックリ。最初のリサーチ先がぶれていたかしら?
今回もお得意様のワンズ㈱さんが、カウンターテーブルとしてご使用いただきました。このモザイクボードを作り始めた当初、正直自分でも受け入れていただけるかどうか戸惑いはありました。自分は直感として面白いと思ったものは作ってしまうので、焦りや不安などはないのですが、どこに売り込みに行けばいいのかという迷いは少しありました。ただ下手な営業をして足元を見られるような商品にだけはしたくなかったので、HPのみでの告知・案内に絞る作戦に徹しました。
それが功を奏したかどうかは分かりませんが、ほとんど営業らしい営業もしていないのですが、ちょこちょこお声がかかるようになり、このペースでいくと在庫が切れてしまう状況に・・・。以前に比べて少しは生産性も向上したとはいえ、原料調達が最大の壁、というよりモッタイナイという私の心情が最大の壁かも?!これで十分に木材の有効活用なのですが、やはり少しでも大きなサイズの端材は『森のりんご』や『森のたまご』にしようというせこい根性が障壁と・・・。まあ、そのみみっちさは自分でも呆れるぐらいなのですが、しかしそここそがこのモザイクボードはじめ『森のかけら』などの原点。その背骨を失くしてまで作っては本質が無くなってしまうだけですから。※ 現在2000×500×27㎜は在庫が少なくなっていますのでご注意ください。詳しい商品説明はこちら⇒『モザイクボード』
山一木材さんを訪問させていただいた本来の目的は、あくまでも『久万の地域づくりの団体』による地域資源の活かし方なので、熊谷有記さんには普通の材木屋が今に至る経緯や背景と、カフェの現状などについてもお話しいただきました。それを聞くために果樹園を経営する竹森洋輔君や米農家の田村隆悟君たちも来ていたのですが、ついつい私も前に出て木の質問や木の話しばかりしてしまい、彼等には申し訳ない事をしたと今頃少しは反省もしております。
これが逆パターン、例えば農家が面白い材木屋を始めたとかというケースだったら、どうだろうと考えてみたのですが、多分それだったら研修会などにも参加しないし興味も湧かないと想像するのです。やはり自分はつくづく木の仕事を生業としている人の事にしか興味がないなあと感じます。材木屋だから当然だろうと思われるかもしれませんが、材木屋でも他人の業には無関心な人もいれば、話をすることも嫌という方もいますので、材木屋も万流でございます。とかく経営コンサルタントの先生は、成功しているビジネスモデルに落とし込もうとされますが、そういう「常識的な枠」には当てはまらないからこそ生きていける先生方ではおよそ説明もつかないスーパーニッチという生き方、考え方もあるのです。
私なんて相当な偏屈のへそ曲がりですから、そんな風に言われたらますます反発して絶対逆方向にアクセルを踏んでしまいます!しかし、世の中すべての企業が「理路整然とした説明のつくビジネスモデル」の中に生きているわけではありません。マニアック過ぎて商売にならない、なんて見方も現場を知らない人間の認識不足。商売としてもどのレベルを目指すのかは人それぞれ、幸福度の基準も人それぞれで、利益を上げる事だけが幸せな生き方ではないでしょう。
私ももうすぐ50歳を迎えます。その後どれぐらい現役でバリバリ働けるかという事もたまに考える事があります。私の場合は、どれぐらい木を担げるかがひとつの目安。それは自分の肩計りで、木の重さや、密度や、温度や肌触りやを感じ取ってきたから。自分がご飯を食べさせていただく元をの重みをしっかりと受け止めている時、感じている時、嗚呼自分は木の仕事をしているという実感があるのです。パソコンで発注書を書いても木は動くのですがそれは違う。
倉庫で木を担いでいると、木はいろいろなプレゼントをくれます。それは時に肉を裂く鋭いそげらだったり、丁寧に扱わないときにはわざとに滑って足の上に血豆を作ってくれたり、咳き込むほどの強烈な最後っ屁を匂わせてくれたり、脛や膝は打ち身で青アザとコブだらけ。しかしそれでもそれらすべてが、『自分はいま木で飯を食わせてもらっている』という実感のひとつ。こんな大きな木を動かすだけで大変でしょう~と、他人からは半ば呆れられるような無謀な事も勢いでやり切ってしまう「木を動かす現場の力」こそが材木屋の真骨頂!だから、巨木を動かし、削り、組む、こんな倉庫やらカフェやらを本気で作ってしまう、有無を言わさぬ山一木材さんの底抜けのパワーと本気度、そして材木屋として生きていくのだという強い覚悟と信念にただただ身が引き締まるのです。
材木屋というのは日本の農林水産業の骨格をなす産業の重要な1つであり、長い伝統に裏打ちされたものでありますが、そいれゆえに変化に対して臆病で保守的。材木屋は木の仕事だけしておけばいいという考え方が長らく業界を支配していましたし、事実今まではそれでも生計が立てられてていました。しかし大きな時代の転換期に直面してもなお、変わることを拒むのならば、それは消えゆく運命。そんな中で山一木材さんは早々に舵を切り換えられております。
実は以前にも木材関係者の会で何度か見学に来させていただいたことがあるのですが、その時はまだ有記さんが戻られていない頃でしたので、従来の製材中心の経営をなさっていました。その当時から圧倒的な在庫量には興奮したものですが、久しぶりにお邪魔させていただき、その変貌ぶりにも感動しました。それもこれも、一人娘である有記さんが戻られてからの事というのも凄い事で、一瞬『夏子の酒』が脳裏をよぎりました。ひとは変えられる、会社は変えられる。
もともと有記さんの父親である社長や会長もそのような素養をお持ちで、有記さんの新しい木へのアプローチによってスイッチが入ったという事だと思うのですが、その年代の方としてもの凄く頭が柔らかくて驚くばかり!広葉樹の森、木造のカフェ、雰囲気のあるギャラリー、木製玩具にある庭、きのこの家、池に眺める長いベンチ、なんといってもすべての敷地合わせて3町歩という膨大な場所に、その思いを実践されている、その事実は揺るぎません!
デザインの勉強をされていた有記さんのセンスが溢れた何とも居心地のいい空間。しかもそのどれもこれもが、『木が好き、木は面白い』というベクトルに向いていて、知らず知らず木のファンになっていく仕組み作りも無理な気負いや押しつけがなくて素晴らしい。まさに弊社とは対極・・・。女性や子供の心にすっと入っていける『さり気ない木育、柔らかい木育、日常的な木育』がここにはあって、そういうお客さんたちが沢山集まっていらっしゃいました。
男の視点ではなかなかこうは出来ないもの。男の仕事と決めつけられがちな木材業ですが、女性の視点が入るとこうも優しく柔らかくなるのかと感心しきりです。そして改めて、木は万人の心に届く無敵の素材であるという事にも気づかされます。しかしだからといって自分の路線を変更するつもりはありませんし、そういう才能もありません。不器用な材木屋のまま、洗脳型木育(!)なんてアプローチがあってもいいと思うのです。個性という多様性こそ森の活力なのですから。
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