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1981年、中国で日本製のアニメ『鉄腕アトム』が放送され、子どもたちの間で大人気となりました。その人気を見込んで単行本が作られたのですが、当時中国はWTO(世界貿易機構)にも加盟しておらず、著作権を完全に無視したパクリ作品であったのです。当時は政府にも人民にも著作権という意識が希薄でしたので、中国との文化交流に熱心な手塚治虫先生に律儀にも見本として本を贈ってきたのです。それを見た手塚先生は当然激怒!ただし著作権にではなく絵の酷さに対して!!
なんと、あまりの絵の拙さに激怒した手塚先生は、頼まれてもいないのにパクリ作品の描き直しをするのです。当然、著作権の認識がないので、タダ働きという事になります。驚くスタッフに神様は言います、「なに言ってんですか。お金の話じゃないんです。おもしろくないんですよ、こんな絵じゃ!!ちゃんとした絵で中国の人にも楽しんでもらわないと!!」修正した原稿を中国に送り届け、次作からはその原稿が使われました。原稿料の印税も1円も入らない仕事です。
嗚呼、これが手塚治虫という人なんだと・・・(「ブラックジャック創作秘話Vol.3」より)。仕事に向かう痛いほどの真剣さ!さすが神様、これぞ神様!一体何を言いたかったのかというと、『最強銘木チーク〔序章〕』で触れたのですが、私がチークについて以前書いた拙文が無断で全面そのまま転用されていました。それについて、私が感じたのは怒りではなく、むしろ癖のある私の文章をよくぞ普通の会社がチークの解説に選ばれたなあという『感心』だったですが・・・。
10年ぐらい前の原稿なので、まだまだとんがり方も中途半端で毒っ気もなく、簡単に使われてしまうぐらいの『我』の薄~い文章だったと思うのです。「これぞ偏屈材木屋の書く文章、誰もこんな癖のある文章コぺピせんわ~」と呆れられるあたりが目的地。そうでなければ偏屈材木屋の看板が泣くというもの。文章だけでなく、木の面白さを伝える語りにおいても、ある意味『誰も真似の出来ない(したいとも思わない!)境地』を目指すことこそが私の使命、本懐と心得ております。
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