森のかけら | 大五木材


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本日は日本におけるチークの歴史について。日本においてチークの建築物として有名なのは、江戸時代初期に四代将軍徳川家光の時代に建立された京都・宇治の萬福寺(まんぷくじ)があります。江戸初期に中国から弟子30人を連れて日本にやって来た隠元(いんげん)禅師が、寛永元年(1661年)に建て始め、7年の歳月をかけて完成させました。この本堂の柱などにチークが使われていて、別名「チーク寺」とも呼ばれています。寺ではチークを「鐵梨木」と表記しています。

隠元禅師については、以前『今日のかけら・キハダ』の項でも登場していただきましたが、インゲンマメを伝えた人物として有名で、様々な中国文化を日本に伝えた名僧として知られています。当時チークが一般的に流通していたという記述も残っていなければ、同時期に他にチークの建築物が見当たらない事からも、萬福寺に使われたチークは当時貿易商がオランダ人から入手して寺に寄進したものと、幕府が特別に下賜(かし)したものの一部であろうと推測されています

時代は変わりますが、わが愛媛県の誇る瀟洒なフランス・ルネッサンス風の洋館・萬翠荘(ばんすいそう)にもチークがふんだんに使われています。萬翠荘は、大正11年(1922年)に、旧松山藩主の子孫久松定謨(ひさまつ さだこと)伯爵が別邸として建てたもので、設計は後に愛媛県庁本館などを手がけた建築家木子七郎氏の手によるもので、90年以上が経過した今でもその優雅な佇まいは古びれるどころか時代を越えて健在です。現在では国の重要文化財に指定されています。

二階で開催される企画展は有料ですが、一階は無料で見学が出来ます。ときどきイベントも開催されていて、身近に感じる事が出来る重要文化財の1つです。私の娘も小学生の頃、ピアノを習っていた時にここで発表会があり、何度も訪れました。娘の出番まで室内を見学させていただきましたが、優美な設計とふんだんに使われた良質なチークにため息が出るばかりです。チークは決して派手で豪奢な木ではありませんが、その品格溢れる雰囲気は時代や国を超越して万国共通です。




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